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波瀾のホームパーティー6
しおりを挟む「あら、あっという間にデザートだわ。皆さんとの会話が楽しくて、つい時間を忘れちゃうわね。」
マリアンヌ様がみんなに愛されるのは、こういった発言が理由の一つだと思う。
たまに思う。彼女が日本で生きていたら、某有名な歌劇団に入っていたら人気だったろうなって。
「私も楽しかったです。なのに、もう帰る時間なんですね…。」
そう。こちらとしては“もう”というより“やっと”、このホームパーティーが終わる。
普段、ルカ様と二人か慣れた生徒会の人たちとしかいないから大勢でこんなに長く時間を共にするのは疲れる。
「そう言ってもらえてよかった。開催した甲斐があるわ。」
みんなが帰るムードになり始めた。
私は、結局収穫がなかっただろう彼女のことを盗み見た。
あれ、隣の男性に話しかけられているわ。彼女は面倒臭そうにしているけれど、話しかけている彼も引かない。
そういえば、今日は彼女のお相手が見つかったらいいねと言って始まったものだったわ。つまり、集められた男性もアメリア嬢に気がある者のはず。だけど彼女にはその気がない。
こちらに何度も来ていたし、こちらのことばかり見ていた。
男性側も、王族と話しているところに割り込んで話なんてできないし。(そんなことする勇者はアメリアだけよ)
それにしても、何を話しているのかしら。
ルカ様に後で聞いたら教えてくれるかもしれない。みんなが帰ったら、聞いてみよっと。
「それでは、皆様お気をつけてお帰りくださいね。また、明日。」
マリアンヌ様が終わりの言葉を告げたことで、席を立つ人も出てきた。
そんな時だった。彼女の怒号が聞こえたのは。
「もう!しつこいですわ!」
その場にいた誰もが振り返った。
「そんなに怒ることないだろ。今日話せなかったから、また話す機会が欲しいと、そう言っただけじゃないか。」
「私はあなたに興味がありません。お断りしているのです。」
「一度くらい考えてみてもいいんじゃないか?僕は君よりくらいは高いし長男だ。君にとって優良物件のはずだよ?」
「そうやって、上から話してくる人と一緒に時間を過ごすなんて無理です。」
…なるほど。ルカ様から聞かなくても、内容がわかってしまったわ。
現代の感覚で生きていたら、確かに上から目線に聞こえるかもしれない。対等の関係を望んでも問題ないだろう。でもここは、世界が違うわ。
話を聞いてる限り、彼の方が爵位が高いなら上から目線でも問題ない。…しつこいのは認めるけど。
「何を言い争ってるんだい。」
仕方なく、ライト様が間に入った。
「殿下、聞いてください。僕は彼女をお茶に誘っただけなのに、ストーカーみたいな扱いをしてくるのです!」
言い争いをしていた男性はライト様を味方につけようと、力説した。
「ストーカー?君は彼女に何と言って誘ったんだい?」
先程の話だけでは、彼女がストーカーのような扱いをしたとは思えない。彼が話を持っているのだとしたら話が変わってくる。
「私とこの方は、初めてお会いしたのです。」
男性が話そうとするのを遮るように、アメリア嬢が話し始めた。
「それで?」
「なのに、私の好きなものを知っていたんです。私がよく行くお店も。怖くなって、お誘いを断るのも当然だと思いませんか?」
うーん、なるほど。確かにそれは気持ち悪い。仲良くはなりたくない。
身分が上の人はあまり外に出れないから、想い人のことを家臣に調べてもらうことはある。でも彼はそんなことをするほど、位の高い人にも見えないし(そもそも、そうだとしたら私でも名前を把握している)、探偵を雇うほど裕福な人とも思えない。彼の家臣が、アメリア嬢に気づかれずに尾行できるほど優秀とは思えないし。ほら、主人あっての家臣だから。
「こんなこと、誰でもしているだろ!」
いいえ、していないと思います。相手が恋人ならまだしも。
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