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謎の休暇3

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数日後、何事もなかったかのようにアメリア様は学校に戻ってきた。変わった様子はないし、嫌な予感がするなんてただの思い過ごしだったのだろう。

「リア、何か考えごとかい?」

この言葉の続きは言われなくてもわかる。

“僕が隣にいて、一緒に登校しているというのに、何を考えていたの?僕のことだけ考えていてほしいんだけど。”ということだろう。

「まだ少し眠たくて。」

「・・・そっか。」

おそらく、ごまかしたことはバレている。でも相談することでもない。直ぐに引き下がったことに多少驚いたが、ルカ様もルカ様で何か思うところがあるのかもしれない。

「おはようございます、エミリア様。あら、ルカ様そんなに警戒なさらないでください。私が休暇をとっていたのはご存知でしょう?エミリア様とは授業が同じで迷惑をかけることもあるかと思いまして、お土産を買ってきましたの。もらってくださいませんか?」

確かに私は他の人より彼女と授業が被っている。それでも私だけにお土産は不自然ではないだろうか。なんて疑ってしまうのは、仕方ないと思いたい。

そんな私を察してか、男性陣には用意してないけれどマリー様たちの分もあるのだと説明してきた。

彼女のプレゼントに本当に悪意がないのなら、疑うのは失礼だ。・・・ルカ様の顔は“絶対もらうな”と言っているけど、どうしよう。

「あの、ご迷惑でしたか?ノートとか見せてもらいたくて、これはその賄賂みたいなものだと思ってもらえたら。」

手に取るだけで危険なら、おそらくルカ様はもっと何か反応しているはず。申し訳ないけど、形だけもらって後で捨てよう。

「お気遣いありがとうございます。いただきますわ。」

「いいえ。押し付けたみたいで申し訳ございません。どうしてもエミリア様にも受け取ってほしくて。」

彼女は満面の笑みで包みを渡すと、また後で。他にもお渡ししないといけない方がいるからと去っていった。

「なんで受け取ったの。」

彼女が去るなり詰め寄られた。

まぁ、そうなりますよね。

「きっと、受け取るまで諦めませんでしたよ?これは後で処分したらよろしいではないですか。」

「う~ん、そうだとしても受け取ってはほしくなかったな。とりあえず、それは僕が預かるよ。」

私の手から包みを奪うと、アイテムボックスかテレポートかはわからないけど、目の前から消してしまった。

「どんなものかわからないから、これは後で僕が検分しておく。彼女の意図も確かめたいし。」

「わかりました。よろしくお願いします」

私なんかが持っているより、きっとずっと役に立つだろう。何もなければそれはそれでいいのだし。

昼食時、念のためにカエラたちにもアメリア様がやって来たか確認した。

「不気味だったから断ったのに、結局渡されてしまったわ。」

と嫌そうな返事が返ってきた。

本当にみんなに配っているんだわ。男性には渡していないのは婚約者がいるから配慮したのだろうし、やっぱり考え過ぎだったのかも。

一応、全部確認するということで彼女からの包みはルカ様に集められた。

本当に何事もないといいのだけれど。
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