将来、悲運な結末を迎える令嬢は幸せに生きる

都築稔

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犯行8

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『・・・・・・。』

お兄様が離席して10分程度。ルカ様はずっとダンマリです。

「あの…怒ってますか?」

『僕を怒らせるようなことでもしたの?』

いやぁ、それはまぁ…ここにいる時点で怒られてもおかしくないというか。

「私、ルカ様からの連絡を待ってましたけどよく考えたらルカ様も待ってたのかなぁって…思いまして。」

『・・・・・・うん。距離を置きたいとか言うから、どれだけ連絡していいのかとか…考えてた。』

あぁ、ごめんなさい!そうですよね、これは私が悪い。

「…捜査の方はどうですか?」

『まぁ、犯人は絞れてるよ。』

「え、そうなんですか?!」

『当たり前でしょ?』

「天才ルカ様が私のために本気出したら…当然ってことですよね?」

『・・・・・・。』

この沈黙は、肯定ですね?照れてらっしゃいますよね?ポーカーフェイス装ってますけどお耳が赤いですもんね?

う~、久しぶりの推しの供給は心臓にきますね。

「じゃあ、犯人の逮捕はもう直ぐってことですね。」

『・・・。』

あれ、何か変なこと言ったかしら?だって、犯人絞れてるって…。

「もしかして…実は犯人は王妃様で、結婚反対されてるとかですか?」

『違うよ。というか、誰に反対されたって関係ないから。』

え~、誰に反対されても私と結婚してくれるんですか?世界最大のファンサービスですよ?

「…でも、もし反対されたら隠さずに教えてくださいね?ルカ様の気持ちは嬉しいですけど、大切な人に反対されたままなんて悲しいですから。」

『…わかった。でも、今回は母様じゃないよ。』

「じゃあ、誰なんですか?」

また黙っちゃった。言いにくい人だってことはわかりましたけど、私的にはルカ様との結婚が反対されてないとわかっただけで大丈夫なんですけど。

「私って、そんなに信用ないですかね?」

『そうじゃない。そうじゃなくて…』

「じゃあなんですか?」

誰ですか、あなたの思考を止めている人物は?嫉妬しちゃいますよ?
今回は全然教えてくれないんですもの。

『…ある仮説を立てたんだけど、自信がななくて。』

え、ルカ様が?自信がない?

という気持ちが表情に出てしまったらしい。少しムッとされてしまった。

「死者…とかそういうことですか?」

『…ある意味ね。』

「え、本当ですか?冗談で言ったつもりでしたのに…。」

どういうこと?それでルカ様も戸惑っているという認識であってるかしら?

「ちょっと心外ですね。」

『え?』

「相手が死者だなんて、信じてもらえないかもしれないって思ったから私に話してくださらなかったってことですか?」

『そうじゃない。』

「じゃあ何ですか?」

あ、ちょっと拗ねた。
この拗ねた時に少しだけ尖らせる口とか、ちょっぴり眉間に皺が寄るとことか、節目がちになる瞳とか、もう最高……とか言ってる場合ではないんだけど。

「私ではお力になれないですか?…まぁ、魔法とか全然実力ないですし、剣の腕もないですけど…。あ~頭も皆さんに比べたらいいとは言えないし、そう考えたら私って結構役立たずですね。そりゃ、ルカ様にも頼ってもらえないですよね。ごめんなさい、余計でした。」

『そんなことない!リアがいない方がいいみたいな言い方、たとえ本人でも許さないんだけど?』

「…ごめんなさい。」

だって、本当のことだもん。

『僕は天才だけど、誰のためにでも動くわけじゃない。人間だから疲れるし…僕を回復させてくれるのは唯一、リアだけだよ。わかってるでしょ?』

なるほど…そういう役の立ち方…なら今、絶賛役立たずじゃん。仕事放棄してない?

『ちゃんと話すから。そろそろ、君の知恵も必要かもしれないと思っていたことだし。』

「私の知恵?」

『そう、リアにしか頼めないこと。』

え、そんな私だけができるようなことありましたっけ?
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