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追求3
しおりを挟む俺は今、頭を抱えたい気分だ。
弟が俺を頼ってきたと思ったら規模がでかいというか…いや、こいつに普通を求める方が無理か。
俺の弟、ルカは小さな頃からなんでも1人でできてしまう器用なやつだった。
同じ歳とはいえ、俺は兄だ。弟には頼られたいという願望を少しは持っている。
でも、ルカ相手に勝るものなんて何もない。だから頼られることもないだろうと思っていた。
その弟が俺に頼ってきた。力になりたい気持ちは大いにある。
でもなぁ。
「ごめん、リアン。僕じゃいい案が浮かばなくて。」
俺だっていい案なんてすぐに浮かぶもんか。
普通に婚約者を取り替えるだけの話ではない。そんな簡単な話だったら気が楽だった。
「…巻き込んで、ごめん。」
「そこは謝られることじゃない。何も知らされない方が不愉快だ。」
そもそも、ルカだけの問題じゃないじゃないか。
ルカが気づかなければ済んだ話でもない。
ここで膿を出しておかなきゃ、国家を揺るがす大事件になる可能性もある。
そんな重大なことを、弟が1人で決断するような事態にならなくてよかった。ちゃんと話してくれてよかった。
「彼女は、お婆様は、なぜそうまでしてもエミリア嬢を悪者にしたいんだろうな。」
「エミリアが“悪役令嬢”となることで、この国が最終的にどうなるかがわかってない。だから、ただ自分の作り出した世界を壊されたくないのか、その先の未来に起こる何かを防ぐためなのかがわかっていないんだ。」
「それは本人に聞いてみないとわからないか。」
本当によく調べたものだ。ルカほど敵に回したくない人はいない。
「とにかく、わかった。ライトは俺たちが慰めなくたって、大丈夫だろ。ルカを恨んだりも責めたりもしないよ。むしろ、ライトが心配だったからこそ一番先に伝えたんだろ?大丈夫、それは伝わってるさ。」
俺たちのなんでも出来ちゃう、不器用な弟。口にこそ出さないが、俺たちいつだってルカファーストと決めている。
ルカは気づいていないかもしれないが、ライトと俺は特別仲がいいわけではない。
俺は自他ともに認める腹黒で、ライトは品行方正過ぎて互いに鼻につく。でもそこに“ルカ”という弟がいることで、“ルカを守るにはそういう人も必要だ”という認識に変わる。
エミリア嬢に出会う前のルカは、何にも執着せず、ある日突然どこかに行ってしまいそうなやつだった。
真っ直ぐに生きることも、腹の中を隠して人と付き合うのも、ルカは苦手だから。
だから、俺らがルカの代わりにそれらをしてやるんだって。
ルカが唯一を見つけてくれて、俺らはホッとした。
弟の人間らしい姿を見て安心した。
だから、たとえ相手がお婆様でも弟の幸せを奪われてなるものか。
俺たちの弟を害そうとしたんだ。ちゃんとお見舞いしてやらなくちゃ。
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