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解明3
しおりを挟む立会人として、前回遺体を調査したという魔法兵が来てくれた。
立会人のミュラさんは、前世でいう解剖医みたいなものらしい。
「僕らは部屋の外にいるよ。何かあれば呼んでほしい。」
「わかりました。」
殿下たちが部屋を出たのを確認して、ミュラさんが丁寧に服を脱がせた。
「状態保存がかけられているとはいえ、崩れる可能性がありますから十分注意してください。」
「ありがとうございます。」
傷跡はなさそう。抵抗する前にやられたのね。
「そういえば、アメリア様は光魔法の使い手だとか。」
「えぇ、そうですが、それがどうかしましたか?」
「ただの思いつきなのですが、癒しの魔法でどうにかなるものなのかなと・・・。」
確かに、私はゲーム内でも聖女とされるほどの光魔法の使い手。他の人ができなかったとしても、私ならできるかもしれない。
そもそも、光魔法の使い手はあまりいないのだけど。
「どうなるかわからないですが、試してみてもいいでしょうか?」
「えぇ、やってみましょう!」
なんだかミュラさんのお顔がキラキラしている気がするのは気のせいでしょうか。
まずは弱めの力から、と癒しの魔法をかける。
「ダメだわ。」
力が遺体に入っていく感じがしない。怪我を治療する時は力が入っていく感じがするのだ。それどころか、
「弾き返されてるみたいね。」
静電気のような、バチッとした音がしている。
「やっぱり、死んだら癒しの魔法でも効かないのね。」
「確かにそんなことができたら、もう神様よね。変な提案してごめんなさい。」
攻略本の設定には死にかけの兵も癒したとあったけど、死んではなかったから助けられたということだったのかしら。ちょっぴり、自分なら助けられるかもなんて思ったことが恥ずかしいわ。
「あれ、これ何かしら。」
ミュラを促されて遺体の左肩の肩甲骨辺りを見た。
「これは・・・三日月?」
三日月にリボンが絡まっているような痣が浮き上がっていた。先ほど見た時にはなかったものだ。
「これは、私が力を使ったからでしょうか?」
「理屈はわからないけど、そう考えるしかないわよね。」
これは攻略本にも載っていなかったと思う。初めて見た。
2人で手分けして他にも変化がないか確認したけど、その痣しか見つけられなかった。
「殿下たちにも見てもらいましょうか。」
「そうですね。」
私たちは肩だけ見やすいように服を着せ直し、殿下たちに事情を説明した。
「・・・見たことがあるかもしれない。」
痣を見たルカがボソリと言った。
「ルカが見たことあるなら、やっぱり魔法関連だろうな。」
「どこで見たか思い出せないのか?」
「そこまでは・・・少し調べてみる。」
「お願いします。」
結局、成果と言えばあの痣だけ。
何もできないまま私は部屋に戻ってきた。
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