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第3章
図書館デート3
しおりを挟む図書館を利用するには、登録が必要らしい。そこは現代と同じね。
ただ登録に必要なのは自分の血。指先を少し切って、水晶の上に垂らす。すると水晶が光を帯びて反応し、数秒後におさまった。
「ありがとうございます。・・・特殊な魔法持ちとかではないみたいですね。どうぞ、こちら利用カードです。」
受付のお姉さんから水色のカードを受け取る。プラスチックより頑丈そうな、不思議な素材。
それよりも気になる点が1つ。
「ジェイド、この世界に魔法ってあったの?」
「あれ、知らなかったっけ?全員が使えるわけじゃないけど、魔法自体は存在するよ。」
へぇ、初耳なんだけど。
火も電気も現代と同じ原理で使用してると思ってたけど、もしかしたら違ったのかも?よくノベライズで出てくるような、魔法石とかを使っていたのかもしれない。
やはりジェイドと離れて生きていくには、この世界をちゃんと知らないといけない。
「どんな本が読みたいの?」
「えーっと、この世界の歴史とか生活がわかるようなものがいいかな。さっきみたいに魔法があるなんて知らないのは、さすがにこの世界では非常識じゃない?」
「なるほど、確かに知っておいた方が身を守るためにもいいよね。」
ジェイドがこの世界の常識が載っているものを選んで持って来てくれる。私はそれを閲覧コーナーで読むことにした。
この世界にある魔法属性は大きく分けて6種類。火・水・風・地・光・闇。
面白いのが、浄化の魔法を使えるのは光だけど広範囲に使いたい場合は風魔法との併用することとか、治癒魔法(切り傷とか)は光魔法だけど体内に回った毒を解毒するには水魔法とか。結構、複雑にできているみたいだ。だから病院にはより多くの魔法属性を使える人が勤めているらしい。この世界でも医者はエリートなんだね。
それから、やはり家で火を使う場合は魔石が必要らしい。この世界に電気という概念はなくて、魔石のエネルギーで物を動かしている。ちなみに、冷蔵庫など冷やしたい時は水と風の魔石を併用するらしい。
ジェイドって魔法使えるのかな?使ってるところを見たことがないし、使えないのかも。
この世界に階級制度はあるが、貴族でも魔法が使えない人もいるらしいから使えないからといって迫害されることとかはないらしい。
よかった。現代日本に魔法とかないんだから、私が使えるはずないし。
貴族は世襲制。しかし能力によっては平民が貴族位をもらうことも、サボり過ぎて位を剥奪される貴族もいるとか。階級制度が厳しくない世界みたいだ。
街を見ていても、女性も男性と同じように働いているように見えたから安心して働きに出ることもできそうだ。
ここを出たらどこに住むかも考えておかなくちゃね。なるべく治安が良くて、女性1人でもやっていけそうな場所。そして辺境あたり。
地図を見て、辺境近くの街名を確認する。
「収穫はあったかい?」
「!!・・・あぁ、うん。地図見ててさ、私は今住んでるところも知らなかったんだなぁって、思ってたところ。」
危ない危ない。辺境のことをもっと知りたいけど、去った後に辺境に行ったとすぐにバレちゃ意味ないから。出来るだけ辺境への興味は隠しておかないと。
「??・・・僕たちがいるのはここだよ。」
アラカシュラビア。・・・言いにくいな。
「ここかぁ。」
辺境まで行くのには馬車なら1週間、汽車なら3日くらいかな。こういう時、新幹線があれば一瞬なのに!と思うけど、そうなれば見つかるのも一瞬なわけで。
ジェイドが隣に腰をかけた。
「地理に興味があるのかい?」
「地理っていうか、それぞれの国とか村の特徴?が気になって。私のいたところではその地の名産品として、その地でしか食べられないものとかあったから。ここでもそういうのがあるのかな~って。」
食に逃げたせいで食いしん坊みたいになってるけど、致し方ない。
「なるほどね。確かにその地でしか食べられないものはあると思うよ。僕が知ってるのは・・・この、隣の国ではパスタではない麺があるって聞いたことがある。僕も食べたことはないけど。」
「へぇ、この国とは仲がいいの?」
「戦争とかってこと?ここ最近では、どの国とも戦争は起きてないかな。政治的に言い合うことは日常茶飯事みたいだけど。不気味なのはこの国、ラミユライア。この国とは接していないから交流も少ないんだ。だから仲がいいとも悪いとも言えない。」
隣接してる3つの国とは上手くいっているのか。なら、どの辺境でも良さそうだな。
「そろそろ夕暮れだな。家まで少し時間がかかるから、ここを出なくちゃいけないね。最後に、何か見ていくものはある?借りたいものとか。」
「じゃあ・・・この世界で良く読まれている童話とか、いくつか読んでみたいかも。」
「人気の童話ね。わかった、いくつか選んでくるからちょっと待ってて。」
ジェイドが本を選んでくれている間に、読んでいた本を片付ける。読んだ本は自分で棚に戻さなくても、専用のポストに入れておけば片付けてもらえるらしい。図書館内が広いから、適当に直されるより自分たちで直した方が早いという考えだそうだ。
「お待たせ。じゃあ出ようか。」
もう自然と手を繋ぐようになった。いや、繋ぐ度にどきっとはするんだけど。
いつか、遠くない未来、この手を自分から話すんだと思うと心苦しい。
ごめんね、ジェイド。
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