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第3章
鈍感 〜ジェイドsaid〜
しおりを挟む「うん、今日も美味しい。」
採れたてのトマトに齧り付いた。
村に出すトマトは完熟前に収穫するが、家で食べるトマトは完熟したものを食べる分だけ収穫する。
今日は朝ご飯を食べた後、アカリと野菜の収穫をしていた。
「あ~!ずるんぅ。」
「アカリも食べたから共犯ね。」
何か文句を言いたいみたいだけど、口にトマトが入ってるので目で訴えかけてくる。
睨んでる顔も可愛いなんて、僕も重症だ。
「今日はトマトの冷製パスタなんてどう?完熟トマトがたくさん採れそうなんだ。」
「・・・いいね。」
「でしょ?」
童話の話をした朝から数日経った。
あれからアカリは毎日1冊は本を読んでいる。読んだ次の日に感想を教えてくれたりするのが嬉しい。
どうやらノアがオススメの本を届けてくれたりもしているようだ。僕が読んでないものがあったら、アカリの後に貸してもらうことにしようと思っている。
「ねぇ、焼きナスが食べたい!」
「いいね!簡単だし美味しいよね。なんだか僕も焼きナスの口になってきた。」
「それは流されやす過ぎない?」
「そうかな?」
昼食を食べたら僕は村へ、アカリは刺繍の仕事をする予定になっている。
最近は、幸せってこういうことなんじゃないかって思える時間を過ごしていると思う。ノアに言ったら「爆発しろ!」って言われるだろうな。
アカリに嫌われているとは思っていない。僕の好意が伝わっているかはわからないけど、そろそろもっとアピールしてみようかな・・・なんて思っているこの頃。どうアピールしたらいいのかは、恋愛初心者にはわからないのだけど。
「暑いね・・・」
「そうだね。これからどんどん暑くなってくるし、部屋入ろうか。今日の取れ高は十分だし。」
お互い、汗を結構かいている。レモン水を冷やしてあるから、それを飲もうかな。シャワーを浴びてさっぱりするのもいいかもしれない。
「アカリ、シャワー浴びてくる?その間にご飯作っちゃうよ。」
「ううん。私はこの後も家にいるんだから、シャワーは後でいいよ。ジェイド、先に入っておいでよ。」
うーん、どうしようかな。実は、最近餌付け作戦を実行してるんだよね。
「僕・・・汗臭い??」
「ふふっ、気にしてるの?大丈夫だよ。」
「じゃあ、一緒に作ろうよ。」
「うん。このレモン水を飲んでからね。」
「もちろん。ゆっくりでいいよ。」
たまには2人でキッチンに立つのもいいよね。ほら、新婚っぽいじゃん?
少しニマニマしてるのはわかってるんだけど、ここは隠さないでおこう。ほら、恋愛観小説で男がポーカーフェイス過ぎて勘違いされるっていうパターンはよくあるからさ。嬉しいことは前面に出しておこう。
「ジェイド、なんだか機嫌いいね。」
「そう見える?」
「うん。」
ほら、伝わって・・・
「そんなに冷製パスタ好きだっけ?ナスの方?」
なかったわ・・・。もしかして、アカリってめちゃくちゃ鈍い?それとも僕のアピールの仕方が下手?
「あ・・・」
「ん?なに?」
「アカリと2人で料理するの、久しぶりだなぁと思ってさ。」
「確かに、そうだね。」
・・・・・・え、終わり?
「だから!えっと、楽しいなぁって。」
「楽しい?あ、一緒に料理することが?」
「そう!!」
やっと伝わった。思わず大きな声で返事しちゃったよ。
「ふふ、なんかごめん。それからありがとう。」
「また一緒に作ろうね。」
「これくらい、いくらでも。」
今のやりとりでわかったことがある。少しは僕の好意が伝わってるんじゃないかと思ってたけど、全然わかってもらえてない可能があるってこと。これは強敵じゃないか?
ノアかビオレットあたりに相談してみようかな・・・。
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