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信じて
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別でした。
「美味しいですね」
「うん」
気楽に食事出来る事実が判明して、テンション上がって思わずライン様に声をかけちゃった。食事中なのに。でも、ライン様返事してくれた。良い人。
何か特別に話すことがあれば問題ないけど、食事中なるべく私語は慎まないといけない。ロウ様からも良く思われていないだろうから、せめて上品な妃として言動や行動で文句言われないようにしなくちゃ。
黙々と食べ進めてお皿が綺麗になった頃、ロウ様が私に話しかけてきた。
「アリア様、兄上のサポートをしてくださっているようで、私からもお礼を申し上げます」
「いえ、とんでもないです。私はただお付き合いをしているだけですので」
にっこり微笑むロウ様は、一見兄想いの優しい弟だ。一見。ゆらゆら揺れるオーラから「わざわざ第一皇子が目立つことをするな」という本音が見える……!
本当にお礼を言ってくれているのかもしれないけど、昨日までの態度から想像する限り、これもきっと裏があるんだと思っちゃう。うう、別にライン様がダイエットするくらい目を瞑ってください……。
「アリア」
自室に戻ろうとしたら、ライン様に呼び止められた。もうこの後は寝る準備をするくらいだけど、何か用事があるのかな。
「あ、トレーニングについてですか?」
「いや、その……昼間のことだが」
「昼間……って……」
ぼんッ。
私の体温が一気に上がった。
昼間のってあれだよね。結婚を心待ちにしていたっていうあれだよね。
「ええと」
一方、ライン様はずううんと顔を曇らせた。なんで?
「すまない。貴方は私との結婚なぞ望んでいなかったのに、私がしたいと言ったばかり」
「ちょちょちょちょ、お待ちください!」
これじゃあ、私が嫌々結婚したことになっちゃう。まあ、ここに来るまでライン様は冷酷皇子だって情報しかなくて嫌だなぁとは思ってたけど、本人会ったら全然違っていたし。今はすごく幸せだし。
「私、ライン様と一緒になれて、とても嬉しいです」
「気遣いはいらない」
「本当です!」
どうすれば信じてもらえるんだろう。私の想像以上にライン様の闇は根深いみたい。
「ライン様、手を触れても宜しいですか?」
「あ、ああ」
許可を取って両手に触れる。とっても暖かい。ぎゅうと握りしめて、ライン様の瞳を見つめた。ライン様が後ずさろうとするけど、手を引いて引き留める。
「私はライン様を好ましく思っております。だから毎日一緒にいるのです。もし信じられなくても、まだまだ一緒の時間は続きますから、少しずつ私のことを知っていってください」
それを聞いたラインはそれはもう瞳を真ん丸にさせた。
「……分かった。ありがとう」
「美味しいですね」
「うん」
気楽に食事出来る事実が判明して、テンション上がって思わずライン様に声をかけちゃった。食事中なのに。でも、ライン様返事してくれた。良い人。
何か特別に話すことがあれば問題ないけど、食事中なるべく私語は慎まないといけない。ロウ様からも良く思われていないだろうから、せめて上品な妃として言動や行動で文句言われないようにしなくちゃ。
黙々と食べ進めてお皿が綺麗になった頃、ロウ様が私に話しかけてきた。
「アリア様、兄上のサポートをしてくださっているようで、私からもお礼を申し上げます」
「いえ、とんでもないです。私はただお付き合いをしているだけですので」
にっこり微笑むロウ様は、一見兄想いの優しい弟だ。一見。ゆらゆら揺れるオーラから「わざわざ第一皇子が目立つことをするな」という本音が見える……!
本当にお礼を言ってくれているのかもしれないけど、昨日までの態度から想像する限り、これもきっと裏があるんだと思っちゃう。うう、別にライン様がダイエットするくらい目を瞑ってください……。
「アリア」
自室に戻ろうとしたら、ライン様に呼び止められた。もうこの後は寝る準備をするくらいだけど、何か用事があるのかな。
「あ、トレーニングについてですか?」
「いや、その……昼間のことだが」
「昼間……って……」
ぼんッ。
私の体温が一気に上がった。
昼間のってあれだよね。結婚を心待ちにしていたっていうあれだよね。
「ええと」
一方、ライン様はずううんと顔を曇らせた。なんで?
「すまない。貴方は私との結婚なぞ望んでいなかったのに、私がしたいと言ったばかり」
「ちょちょちょちょ、お待ちください!」
これじゃあ、私が嫌々結婚したことになっちゃう。まあ、ここに来るまでライン様は冷酷皇子だって情報しかなくて嫌だなぁとは思ってたけど、本人会ったら全然違っていたし。今はすごく幸せだし。
「私、ライン様と一緒になれて、とても嬉しいです」
「気遣いはいらない」
「本当です!」
どうすれば信じてもらえるんだろう。私の想像以上にライン様の闇は根深いみたい。
「ライン様、手を触れても宜しいですか?」
「あ、ああ」
許可を取って両手に触れる。とっても暖かい。ぎゅうと握りしめて、ライン様の瞳を見つめた。ライン様が後ずさろうとするけど、手を引いて引き留める。
「私はライン様を好ましく思っております。だから毎日一緒にいるのです。もし信じられなくても、まだまだ一緒の時間は続きますから、少しずつ私のことを知っていってください」
それを聞いたラインはそれはもう瞳を真ん丸にさせた。
「……分かった。ありがとう」
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