10 / 81
高橋さん
しおりを挟む
大げさに頭を下げて、よっしーが女子にノートを返す。ここに来た時と違って笑ってるからあまり怒っていないらしい。部外者の俺も無駄に緊張していたからよかった。と思ったら、女子がよっしーの座った。
「急いでたんじゃねぇの?」
「は? あんたがそれ言う権利ある?」
「すみません」
そうだね、よっしーには何の権限も無いな。
「えーと、では、お礼にジュースでもご馳走させて頂きます」
「どうも~」
オレンジジュースを所望した女子により、よっしーはおつかいの旅に出かけた。
「ごめんね、俺の友だちが」
「いいの。明日必要だから今日中に返してもらいたいだけだったし。もし明日緑谷君が休んだらもらえないでしょ」
「なるほどあり得る」
よっしーは程よく不真面目で、単位を取るための日数に余裕があると思ったら用事が無くてもサボる。結構サボる。でもこうして誰かからノートを借りてテストはクリアするんだよね。要領が良いというか、まあ、成績もぎりぎりだけど。
「蓮君は緑谷君と仲良いんだね。学部違うよね?」
名前……ああ、そういえばよっしーが俺のこと呼んでたな。
「うん。中学が一緒なんだ。えーと、名前は何さん?」
「高橋秋帆です。好きに呼んでいいよ」
「分かった」
流れで連絡先を交換する。何か用事でもない限り使わないだろうけど、友だちが増えるのは良いことだ。そこでようやくよっしーが戻ってきた。
「長い旅路だったぜ。自販機なんでか込んでたんだけど」
「はい、どうもお疲れ様。ありがとね~」
「いえいえ、高橋様には次のテストでもお世話になるので」
「は?」
よっしーがずっと居心地悪そうでカレー吹きそうになった。結局ラーメン半分残ってて伸びてるし。
「ジュースもらえたし、そろそろ行こうかな。またね、緑谷君、蓮君」
「お~」
「またね」
高橋さんが帰ったところで、よっしーが伸びた麺をダルそうに啜って言った。
「高橋と初対面だよな?」
「よっしーといるとこは見たことあるけど、会うのも話すのも初めて」
「じゃあなんで下の名前で呼ばれてんの」
「よっしーがそう呼んでたからじゃん」
「あ~なるほど!」
納得がいったからか、ラーメンを一気に食べ出した。伸びていても意外と食べられるよね。だけど絶対伸びてない麺の方が美味しい。伸びてても食べられるけど伸びてる必要は無い。
俺もカップラーメン出来上がった瞬間に電話着たことあってさあ。そんな時に限ってバイト先で無視できなさそうなやつ。何事かと思って出たら「休憩室に帽子の忘れ物あったんだけど堀塚君の?」とかいうどうでもいいや~~~~つ。
「高橋って蓮狙いじゃね」
口をティッシュで拭きながらそう言ってきた。目が飛び出るかと思った。
「なんで。初めましてでいくらなんでも」
「いや~、最初蓮に話しかけられた時女子っぽかったから」
「女子じゃん」
「女子だけど、普段はもっと女子じゃねぇの」
「いや女子は女子だろ」
何言ってんだ。どう転んだって女子じゃん。よっしーの目には高橋さんが男に見えてるのか。まあ、関係ないからどうでもいいや。
「それよりよっしーはどうなの。彼女出来た?」
「彼女持ちに言われるとか完全煽り先輩~ッ蓮じゃなかったら絶許。誰か紹介して」
「特にいないよ。あ、高橋さんは」
「怖すぎて無理です」
そうかなぁ。由奈よりずっと怖くないと思うけど。でも由奈の本性を知ってるの俺だけだから、きっと可愛い彼女って羨ましがられてるんだろうな。
「急いでたんじゃねぇの?」
「は? あんたがそれ言う権利ある?」
「すみません」
そうだね、よっしーには何の権限も無いな。
「えーと、では、お礼にジュースでもご馳走させて頂きます」
「どうも~」
オレンジジュースを所望した女子により、よっしーはおつかいの旅に出かけた。
「ごめんね、俺の友だちが」
「いいの。明日必要だから今日中に返してもらいたいだけだったし。もし明日緑谷君が休んだらもらえないでしょ」
「なるほどあり得る」
よっしーは程よく不真面目で、単位を取るための日数に余裕があると思ったら用事が無くてもサボる。結構サボる。でもこうして誰かからノートを借りてテストはクリアするんだよね。要領が良いというか、まあ、成績もぎりぎりだけど。
「蓮君は緑谷君と仲良いんだね。学部違うよね?」
名前……ああ、そういえばよっしーが俺のこと呼んでたな。
「うん。中学が一緒なんだ。えーと、名前は何さん?」
「高橋秋帆です。好きに呼んでいいよ」
「分かった」
流れで連絡先を交換する。何か用事でもない限り使わないだろうけど、友だちが増えるのは良いことだ。そこでようやくよっしーが戻ってきた。
「長い旅路だったぜ。自販機なんでか込んでたんだけど」
「はい、どうもお疲れ様。ありがとね~」
「いえいえ、高橋様には次のテストでもお世話になるので」
「は?」
よっしーがずっと居心地悪そうでカレー吹きそうになった。結局ラーメン半分残ってて伸びてるし。
「ジュースもらえたし、そろそろ行こうかな。またね、緑谷君、蓮君」
「お~」
「またね」
高橋さんが帰ったところで、よっしーが伸びた麺をダルそうに啜って言った。
「高橋と初対面だよな?」
「よっしーといるとこは見たことあるけど、会うのも話すのも初めて」
「じゃあなんで下の名前で呼ばれてんの」
「よっしーがそう呼んでたからじゃん」
「あ~なるほど!」
納得がいったからか、ラーメンを一気に食べ出した。伸びていても意外と食べられるよね。だけど絶対伸びてない麺の方が美味しい。伸びてても食べられるけど伸びてる必要は無い。
俺もカップラーメン出来上がった瞬間に電話着たことあってさあ。そんな時に限ってバイト先で無視できなさそうなやつ。何事かと思って出たら「休憩室に帽子の忘れ物あったんだけど堀塚君の?」とかいうどうでもいいや~~~~つ。
「高橋って蓮狙いじゃね」
口をティッシュで拭きながらそう言ってきた。目が飛び出るかと思った。
「なんで。初めましてでいくらなんでも」
「いや~、最初蓮に話しかけられた時女子っぽかったから」
「女子じゃん」
「女子だけど、普段はもっと女子じゃねぇの」
「いや女子は女子だろ」
何言ってんだ。どう転んだって女子じゃん。よっしーの目には高橋さんが男に見えてるのか。まあ、関係ないからどうでもいいや。
「それよりよっしーはどうなの。彼女出来た?」
「彼女持ちに言われるとか完全煽り先輩~ッ蓮じゃなかったら絶許。誰か紹介して」
「特にいないよ。あ、高橋さんは」
「怖すぎて無理です」
そうかなぁ。由奈よりずっと怖くないと思うけど。でも由奈の本性を知ってるの俺だけだから、きっと可愛い彼女って羨ましがられてるんだろうな。
1
あなたにおすすめの小説
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる