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屋上ランチ
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「あれ、昨日は会わなかったぞ」
心ここにあらずで帰宅した翌日、黒猫が横切らなかったことに今さら気が付いた。なんでだろう、やっぱり由奈の飼い猫が例の黒猫だったのかな。もしそうだったら、そのコに毎回横切られてるってこと? 怖。
でも、黒猫と一緒の由奈に会ったのは昨日だけだ。じゃあ、違う。とりあえず気にしないことにしよう。こういうのは気にしちゃうとどんどん深みにハマるから。
今日は予備校か。でも、昨日の調子なら高橋さんとも大丈夫そう。なんとなく浮ついた気持ちで電車に乗っていたら、由奈が乗り込んできた。
「山川さんだ、おはよう」
「おはよ。昨日振りだね」
由奈と通学電車が被るの初めてだ。もしかしたら、車両が違うだけで今までも一緒だったのかな。
「昨日は暗くなる前に帰れた?」
「うん、大丈夫だった。心配してくれてありがと」
「いえいえ」
なんか良い匂いするな。パンみたいな……またパン屋の袋持ってんじゃん。朝からパン屋行ったの? OLか?
「そのパン屋さん好きなの? 前もその袋持ってた気がする」
「あは、恥ずかしい……。うん、美味しいから。あと、昨日円君が食べてみたいって言ってて、その分も買ってきたの」
「そんなに美味しいんだ」
てことは、円先輩とお昼一緒に食べるの? そこまで仲良くなったのか~、そもそも幼馴染だから最初から仲良かったわ。俺が入る隙間無いね。
「堀塚君も食べる? 多めに買ったから、一個は余ると思うし」
「え、と」
いいのかな。由奈は円先輩と二人きりの方が嬉しいだろうに。
「みんなで食べた方が美味しいし。ね?」
「それならお邪魔しよっかな。パン代払うよ」
「それくらいいいよ~」
なんか……イイコだぞ……どうした由奈。高校生の由奈、すごいイイコ……。
気を使えるし可愛いし優しいって、いくらなんでもスペック高すぎじゃないか。これじゃいろんな人が放っておかない。危ない人にも狙われそう。その前に学校一の美少女って噂されてるんだった。
「他の人も誘う?」
ボランティア部は五人いる。その内の三人が揃うから誘った方がいいかもしれないと思ったが、由奈は一瞬考えてから首を振った。
「パンあとの人には無いから、今日は三人で」
「そうだね」
道端や間田と毎日食べるって決めてるわけじゃないし、今日は別々でいいか。
となると、円先輩と由奈、そして俺って、俺がいらない感じだな。まあ、今日だけ。パンが美味しそうだから。
「またね」
昇降口で由奈と別れた。普通に登校しちゃったなぁ。男女の友だち同士でも登校するし変じゃないか。間田……は来てないや。
「今日のお昼別の場所で食べるんだ。また明日一緒に食べよう」
道端に言ったらすんなり頷いてくれた。お昼は間田か道端と食べてるけど、たまに道端は一人で食べることもある。そういう日はお昼休みになるとふらりといなくなる。今日は俺がいないので、きっとそこで食べるんだと思う。誰と食べてるんだろ。
間田には誰と食べるか言わないでおこうと考えていたら、一時間目になっても来なかった。スマホを確認したら腹壊したLIMEが届いていた。きっと薄着で夜中までゲームしてたんだな。憐れ。
お昼ご飯の場所は屋上だと言われた。無難っちゃ無難だ。屋上は冬以外は施錠されていない。その自由の代わりに、高いフェンスが周りを囲っている。現役高校生の頃、過去に何かあったのかと勘繰って怖かった記憶がある。
「お~良い風」
五月の屋上って気候的にも穏やかで過ごしやすそう。なのに誰もいないのはこのフェンスの所為な気がする。それ以外にあるとしたら、不良がたむろしてるとか。誰もいないけど。
キィィ。
ドアが開いた。円先輩か由奈か。どちらが来たのかと思って注目してたら、めちゃくちゃガタイの良い生徒が入ってきた。フラグ一瞬で回収された。
──不良と二人っきりになっちゃった!
由奈と二人きりになるぐらいヤバイ。いきなりジャンプしろって言われないよね。俺、千円しかない。あと学食で買ったおにぎり一つとパックジュース。由奈の方でもいいから早く来て!
「あ? いねぇな」
不良さんは呟いてその場に座った。
人探しで来たんですよね? いないんだから他の所探せばいいと思いまぁす!
「おや、蓮君早いね」
──ぶぶぶぶ部長~~~~~!
やっと我がボランティア部部長が来てくれた。握力八でも一人よりは心強い。不良が立ち上がって円先輩に向かっていった。初っ端から大ピンチ。
「会長。今日の生徒会、時間変わったそうです」
「そうかい。わざわざ済まないね」
「LIMEが未読のままだったので。あとでチェックしてください」
「ありがとう」
円先輩に会釈して生徒が出ていく。あ~れれ~?
「こんにちは。あの人知り合いだったんですね」
「うん。あの子は生徒会で会計してくれてる二年生だよ。真面目な子なんだ」
全然不良じゃなかった! 見た目で判断してごめんなさい!
心ここにあらずで帰宅した翌日、黒猫が横切らなかったことに今さら気が付いた。なんでだろう、やっぱり由奈の飼い猫が例の黒猫だったのかな。もしそうだったら、そのコに毎回横切られてるってこと? 怖。
でも、黒猫と一緒の由奈に会ったのは昨日だけだ。じゃあ、違う。とりあえず気にしないことにしよう。こういうのは気にしちゃうとどんどん深みにハマるから。
今日は予備校か。でも、昨日の調子なら高橋さんとも大丈夫そう。なんとなく浮ついた気持ちで電車に乗っていたら、由奈が乗り込んできた。
「山川さんだ、おはよう」
「おはよ。昨日振りだね」
由奈と通学電車が被るの初めてだ。もしかしたら、車両が違うだけで今までも一緒だったのかな。
「昨日は暗くなる前に帰れた?」
「うん、大丈夫だった。心配してくれてありがと」
「いえいえ」
なんか良い匂いするな。パンみたいな……またパン屋の袋持ってんじゃん。朝からパン屋行ったの? OLか?
「そのパン屋さん好きなの? 前もその袋持ってた気がする」
「あは、恥ずかしい……。うん、美味しいから。あと、昨日円君が食べてみたいって言ってて、その分も買ってきたの」
「そんなに美味しいんだ」
てことは、円先輩とお昼一緒に食べるの? そこまで仲良くなったのか~、そもそも幼馴染だから最初から仲良かったわ。俺が入る隙間無いね。
「堀塚君も食べる? 多めに買ったから、一個は余ると思うし」
「え、と」
いいのかな。由奈は円先輩と二人きりの方が嬉しいだろうに。
「みんなで食べた方が美味しいし。ね?」
「それならお邪魔しよっかな。パン代払うよ」
「それくらいいいよ~」
なんか……イイコだぞ……どうした由奈。高校生の由奈、すごいイイコ……。
気を使えるし可愛いし優しいって、いくらなんでもスペック高すぎじゃないか。これじゃいろんな人が放っておかない。危ない人にも狙われそう。その前に学校一の美少女って噂されてるんだった。
「他の人も誘う?」
ボランティア部は五人いる。その内の三人が揃うから誘った方がいいかもしれないと思ったが、由奈は一瞬考えてから首を振った。
「パンあとの人には無いから、今日は三人で」
「そうだね」
道端や間田と毎日食べるって決めてるわけじゃないし、今日は別々でいいか。
となると、円先輩と由奈、そして俺って、俺がいらない感じだな。まあ、今日だけ。パンが美味しそうだから。
「またね」
昇降口で由奈と別れた。普通に登校しちゃったなぁ。男女の友だち同士でも登校するし変じゃないか。間田……は来てないや。
「今日のお昼別の場所で食べるんだ。また明日一緒に食べよう」
道端に言ったらすんなり頷いてくれた。お昼は間田か道端と食べてるけど、たまに道端は一人で食べることもある。そういう日はお昼休みになるとふらりといなくなる。今日は俺がいないので、きっとそこで食べるんだと思う。誰と食べてるんだろ。
間田には誰と食べるか言わないでおこうと考えていたら、一時間目になっても来なかった。スマホを確認したら腹壊したLIMEが届いていた。きっと薄着で夜中までゲームしてたんだな。憐れ。
お昼ご飯の場所は屋上だと言われた。無難っちゃ無難だ。屋上は冬以外は施錠されていない。その自由の代わりに、高いフェンスが周りを囲っている。現役高校生の頃、過去に何かあったのかと勘繰って怖かった記憶がある。
「お~良い風」
五月の屋上って気候的にも穏やかで過ごしやすそう。なのに誰もいないのはこのフェンスの所為な気がする。それ以外にあるとしたら、不良がたむろしてるとか。誰もいないけど。
キィィ。
ドアが開いた。円先輩か由奈か。どちらが来たのかと思って注目してたら、めちゃくちゃガタイの良い生徒が入ってきた。フラグ一瞬で回収された。
──不良と二人っきりになっちゃった!
由奈と二人きりになるぐらいヤバイ。いきなりジャンプしろって言われないよね。俺、千円しかない。あと学食で買ったおにぎり一つとパックジュース。由奈の方でもいいから早く来て!
「あ? いねぇな」
不良さんは呟いてその場に座った。
人探しで来たんですよね? いないんだから他の所探せばいいと思いまぁす!
「おや、蓮君早いね」
──ぶぶぶぶ部長~~~~~!
やっと我がボランティア部部長が来てくれた。握力八でも一人よりは心強い。不良が立ち上がって円先輩に向かっていった。初っ端から大ピンチ。
「会長。今日の生徒会、時間変わったそうです」
「そうかい。わざわざ済まないね」
「LIMEが未読のままだったので。あとでチェックしてください」
「ありがとう」
円先輩に会釈して生徒が出ていく。あ~れれ~?
「こんにちは。あの人知り合いだったんですね」
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