【急募】バッドエンド

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初恋は実らないって言わないで

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「うおおぉん……」

 家に帰ってからも、俺は情けない雄たけびを上げていた。

 高校生の由奈ってば、俺が好きだった頃の純度百パーセントなんだもん。その可愛い光線が全部他を向いてるんだよ。何もされてないのに苦しくなっちゃうよ。あ、何もされてないからか。

 考えてみれば、ループするたび、少しずつ変わっているところがあった。

 ということはだ。由奈が将来ストーカーにならない未来だってある。俺が先回りしてそうならないよう気を付ければいい。

 なぜ、こんな簡単なことに気が付かなかったんだ。

 遅い、遅いぞ俺。

 もう何回も死んでるのに。

 今から何かして挽回できるだろうか。

 前世でもきっと幼馴染である先輩を好きだったのに、助けたってだけで俺の方を向いてくれたんだよね。

 それなら、今世でも由奈のことは助けてる。

 ヘルメット取って俺だったってバラす?

 ダメだ。

 今さらヒーローだったから俺はどう? なんてアホみたいじゃん。前世はあくまで偶然助けたタイミングがよかったから好きになってくれただけで、もう円先輩と出会った後に実は助けてましたなんて後だしじゃんけんで分が悪すぎる。

 俺、アホだな。

 二人の応援しちゃって。まあ、それだけ前世がトラウマだったんだけど。

 挽回、できるかな。

 できないとしても、明日も生きていかなければならない。

 なんでこうなっちゃったんだろ。

 LIMEを開く。過去より控え目なスタンプたち。何の炭の塊か分からないクッキーの写真。過去の由奈とはどれも違う。もっと早く気付けばよかった。

「せめて、仲の良い友だちポジション狙うか」

 由奈の片思いで終わるかもしれない。その時、傍にいられたら。なんだか格好悪いが、体裁を保っていられる程の余裕は無い。それに万が一結ばれても、俺の意志でハッピーエンドとして終わったら、ループから逃れられる可能性もある。

 そのハッピーエンドを迎えられるかが問題だが。

 きっとバッドエンドならば俺は死なずに生きるだろう。

 でも、俺が望むハッピーエンドなら。

「急募! ハッピーエンド!!」

 なんてね。








「最近、変」
「変!? いやいや普通だよ! 元気元気!」

 何が普通か分からないのに、聞かれた以上の反応をしてしまう。
 道端ってぼーっとしてそうなのに、ちゃんとこっちのこと気にしてくれてるんだよね。心配かけないようにしなくちゃ。

 季節は夏。六月でも真夏日。こんな時に沈んでたらもったいない。どこか遊びにでも行こうか。

「よし! 週末遊ぼう!」
「遊ぶ」

 突然の提案にも一つ返事で賛成してくれた。どうせならみんなで行きたい。自動で円先輩と由奈も誘うことになるけど、二人がくっつくのがツライだけで遊ぶのは楽しいしそれはそれってことで。

 グループトークで日曜日暇な人を募る。全員OKだった。暇な奴らめ。円先輩って受験生じゃなかったっけ?

 どこにしようか話し合ったら、いつの間にか遊園地に決定していた。もっと気軽なところと思って誘ったのに、わりと大きなイベントになっちゃった。まあ、いっか。社会人になってから遊園地なんて片手で数える程しか行ってなかったし。

「由奈、フリフリで来るのかな」

 過去の勝負服を思い出す。五人で行くのに女子一人か。紅一点だ。

「あ! お金あったっけ?」

 高校一年生のお小遣いってどのくらいだったか忘れちゃってる。財布の中身を確認して、俺はすぐさま母のもとに走った。
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