青い春

kikusuke

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第4話 決断

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(夏弥)「あいつ1回戦勝ったみたいだね!」

(夕)「そうだね!あの戦っている姿見ると…霧島くん本当に空手が好きだって分かるよ。」

(夏弥)「そうだね。でも私まだあいつのこと許したわけじゃないから。夕に言ったこと…」

(夕)「でも私も悪かったんだよ。真ん中を歩くべきじゃなかった。だからね?許してあげて?私は気にしてないから。」

(夏弥)「はぁ…分かった。夕の優しさに免じてだからね。許すのは。」

(夕)「ありがとう。なっちゃん。」

(夏弥)「はぁ…夕は優しすぎるよ。」

(夕)「そうかな?」

(夏弥)「そうだよ!例えば私が目が見えないくて夕が目が見えているとする。それでさっきの霧島みたいなことを私に言ってきたら夕はどうする?」

(夕)「そんなの!絶対だめ!許さないよ!私のことはなんとでも言ってくれて構わないけどなっちゃんの事を悪くいうのは我慢ならない!」

(夏弥)「分かった分かった!落ち着いて?」

(夕)「ふーふー…」

(夏弥)「ね?夕もすごく怒った。私も同じ気持ちなんだよ?」

信じられない。自分のことはなんとでも言われたって全然気にしなかったのに大切な人のことを言われると頭に血が上って自分でもびっくりするくらい大きな声で怒ってた。

(夕)「ごめん。私つい頭にきちゃって。」

(夏弥)「いいよ。でも!もう1回会う機会があれば念押ししとくから!」

ぐいっと身を乗り出してきたなっちゃんに私はたじろいでしまった。

(夕)「あ、ありがとう。その時は宜しくね?」

(夏弥)「任せてよ!」

ふんっと鼻を得意げに鳴らすなっちゃんは可愛い。

私のことをこんなに大事にしてくれている人がいる。嬉しい。

しかしそれと同時にある気持ちも芽生えた。

◆❖◇◇❖◆

(夏弥)「いよいよ次は羽月だね!」

(夕)「う…うん…」

(夏弥)「大丈夫??顔色悪いけど…」

(夕)「大丈夫!深呼吸!深呼吸!すーはー…」

(夏弥)「見て!羽月!出てきたよ!」

(夕)「本当だ!」

(審判)「赤 菅原道場 羽月くん。 青 青木道場 奈良くん。 前へ。」

(審判)「それでは…始め!!!」

(羽月)「はぁああああああ!」


(夕)「頑張ってー!!!羽月くーーーん!」
◆❖◇◇❖◆

(羽月)「あ、磨波城と古河…あいつら…」

(奈良)「羽月!よそ見している場か?」

(羽月)「おっと…ごめん。」

奈良くんと羽月くんは接戦…どっちが勝ってもおかしくない…

(審判)「やめ!そこまで!これから審査に入ります。両者並んで待っていてください。」

(夏弥)「どっちが勝つんだろう…」

(夕)「分からないね…どっちも互角だったもん…」

あぁ…神様…こんな時だけ頼る私を許してください…!

(審判)「勝者 羽月!」

(夕・夏弥)「やったー!!!!」

試合が終わり奈良くんと羽月くんは会場を後にした。

◆❖◇◇❖◆

(奈良)「くそ!」

(羽月)「奈良…いい試合だった。また来年中学の部で待ってる。」

(奈良)「俺の分まで行けよ。すぐに負けると俺が弱いみたいだから。」

(羽月)「分かった。背負っていくよ。」

(奈良)「そういや」

(羽月)「ん?」

(奈良)「羽月…お前…彼女いたんだな。」

(羽月)「なっ…!!!」

(奈良)「違うのか?」

(羽月)「ち…違う!まだ付き合っていないし彼女じゃない!」

(奈良)「ほほう…まだ?」

(羽月)「奈良…なんで?」

(奈良)「そりゃあ見てりゃ分かるだろ。誰でも。」

(羽月)「まじで!?」

(奈良)「あぁ相思相愛って感じだな。」

ニヤニヤ笑いながら奈良は

(奈良)「それでー?」 

(羽月)「な…なんだよ、」

(奈良)「キスとかしたのか?」

(羽月)「…ごほっごほっ!」

(奈良)「ははーん…お前らまだだな?」

(羽月)「つ…付き合ってもないのにそんなことできっかよ!」

(奈良)「ま、確かにそりゃそうだけどお前ら見てると100年はかかりそうだな。」

(羽月)「関係ないだろ!」

(奈良)「あはははは!でもさあの子って…その…なんていうか」

(羽月)「目が見えない。」

(奈良)「だよな…」

(羽月)「あぁ…」

(奈良)「俺さ…小学校で身体障害者の人の施設に見学に行ったことあるけど正直俺は目も手も足も自由に使えて良かったって心底思った。そしてそういう人たちは社会の中で迷惑がられてる。」

(羽月)「奈良も迷惑だと思うのか?」

(奈良)「俺はそんなこと思わない!というか俺がそんな風に見えるのか?」

(羽月)「いや、お前は霧島と違って見えないよ。ちゃらけはするが冷静だから。」

(奈良)「霧島あいつまたしでかしたのか?」

奈良は腹を抱えて笑っていた。 

(奈良)「ごめんごめん。あいつらしいな。」

(羽月)「まぁな。あいつは真っ直ぐだから。正直なこと言っちゃんだよ。」

(奈良)「それだけ理解してもらっている霧島は幸せ者だな。」

(羽月)「まぁ…理解っていうか俺も最初は仲なんて良くなくてさただあいつの練習する姿見てるとこっちまで感化されて…ここまで来たって感じなんだ。」

(奈良)「なるほど…持つべきものは友だな。」

(羽月)「だからあいつもきっと心を入れ替えてくれるはずだし何より今日の事はあいつ自身悪いと思ってんだよ。その時は集中していたのに邪魔されたから頭に来てたんだと思うけど磨波城と古河の顔を見た瞬間のあいつはやばいって分かってたよ」

(奈良)「あいつ女には弱いもんな。」

(羽月)「それに古河の口に勝てるやつは未だに見たことないしな。」

(奈良)「古河って羽月の好きな女の子の隣にいた子?」

(羽月)「あぁ…古河は磨波城のことよく見てるよ。それにあの二人は親友なんだってすぐに分かる。お互いがお互いを大事に思ってる。」

(奈良)「へー…日頃から磨波城さんのことよく見てるだな」

(羽月)「…」

(奈良)「うおっ耳まで真っ赤」

(羽月)「奈良…お前絶対楽しんでるだろ。」

(奈良)「楽しんでなんかないよ、ただあの堅物羽月がとうとうなーって思っただけ」

(羽月)「俺だってびっくりだよ。今まで俺も可哀想な奴だと思ってたけど芯があって強くて…なにより…」

(奈良)「可愛い?」

すげーなここまで羽月を真っ赤にさせる磨波城さんにはまじでびっくりと心の中で思う奈良だった。

(会場スタッフ)「さー着替えた?お互い自分の監督の所へ」

(羽月・奈良)「はい。ありがとうございました!!!!」

別れ際

(奈良)「羽月!お前の強さは本物だよ。だからこの試合で全国に行くことができたらお前告れ。」

(羽月)「なっ!!!」

(奈良)「いいな!わかったな!命令だぞー!!」

(羽月)「なんでお前に命令されなきゃいけないんだよ!」

(奈良)「あはははは!んじゃ報告待ってる」

(羽月)「ったく…まぁ…頑張ってみるよ…」

◆❖◇◇❖◆

(夏弥)「凄かったね!あの奈良って子も強かった!」

(夕)「そうだね…!」

(夏弥)「嬉しくなさそうだね?」

(夕)「う…嬉しい!ごめん!」

(夏弥)「そう?ならいいけど」

この時私は決意した。大切な人たちともっといたいけど今日の霧島くんのようによく思わない人たちも多くいる…

だから今日家に帰ったら盲学校へ行くことを言おうと。




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