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鬼が出るか、蛇が出るか①
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華やかな祭典、多くの人々が行き交う王都。色とりどりの花たちが一斉に店を彩る。今日はタイソ帝国の花鎮祭り、戦場で散った人々の弔いと生きることの喜びを感謝する日。
サクヤとギイトはスティーブの護衛の為、魔界喰虫の術者探しに祭りに参加していた。
国王は軍隊を引き連れパレードを行う。
スティーブは自分と共に穏健派の隊列に加わることを提案したが、魔女と奴隷が加わるのは不謹慎ですからと辞退し、離れた場所からの護衛になった。
パレードの途中に鎮魂の広場にて、花を石碑に置き追悼の意を述べる国王。彼はまだ20代と年若いオリバエル・グランクリュ・タイソ。心無い人々から『棚からぼたもち王』と揶揄されていた。
彼は、前王オリエゴンの第6王子で側室の子、本来なら王位継承権の遥か遠い所にいた。その王子が王位をえたのは、複雑な理由からだった。
第1王子と第3王子は互いに暗殺者を折り合い、共倒れになってしまう。次に即位した第4王子は暗殺を怖れるあまり引きこもり、風の音にすら酷く怯えるようなる。猜疑心と恐怖に気を病んで、王城より飛び降り自殺してしまう。次に即位した第5王子は流行り病で直ぐに儚くなった。王室は呪われているとまで囁かれた。
「ぐひ、だから 残ったのは下位貴族側室の子の第6王子だけで、不名誉な渾名がついてしまったんです」
王城に戻るパレードに並走して歩きながら、サクヤはギイトに説明した。
「呪われた王家か……。4人も立て続けに死んでいたらな……待て、第6王子なのに数がおかしい。第2王子は何処に行ったんだ?」
「ぐひ、さすが、ギイト気づいちゃいましたか?第2王子は王が惚れ込んだ美貌の旅芸人との子供で、王子は幼児の頃に王家にふさわしくないと不貞を疑われ母子共々何処かの戦場に捨てられたそうですよ」
「……戦場に、酷い話だ」
きっと母子共々とうに生きてはいない、そうギイトは思い深く同情した。
パレードも終盤戦、美しく足並みを揃えたダクソン率いる軍隊の姿も見える。手に飾り剣を抱えた。彼らは太鼓やラッパの音色に合わせ剣を旗のように振り上げだ。くるりと旋回し、空中へ投げた。落ちてきた剣を取り肩に乗せた。一糸乱れぬ統率の取れた美しい動きに、群衆から大きな歓声が上がった。
もう、スティーブは王城に入ったようだ、護衛の心配もないだろう。
サクヤとギイトがパレードの並走を止めようとした。
その時、事態が動いた。
「ひいいーっ!俺の手が無い!ない!」
兵士の1人が悲鳴をどさりと倒れたのだ。
「出たな!魔界喰虫。サクヤは術者を探せ」
ギイトが剣を構え悲鳴の渦中に駆け寄る。
「ぐひ、了解しました」
サクヤは魔導人形を引き連れ魔力の流れを追う。
青い空の一面を手のひらサイズのミミズに似た無数の虫が埋め尽くす。空が黒く見えるほどの禍々しい黒色で、空を泳ぐようにぬたりとした動いた。
パカリと大きな口を上げれば口腔にはびっしり尖った牙が這え揃う。人間というご馳走を前に涎を垂らす。
次に上がる悲鳴、手足、腹を喰われ。恐怖に転がる兵士たち。美しく足並みを揃えていた軍兵たちはもういない。恐れ戦き蟻の子を散らしたように逃げ惑う。
「落ち着け!統制を失うな!わしの優秀な兵士たち!!こんな羽虫など恐るるにならんぞ」
ダクソンが一歩前に出た。
剣を抜き目の前の魔界喰虫を凪ぎ払う。そして、剣を高く掲げ逃げ惑う兵士を鼓舞したのだ。
「……ダクソン将軍」
「そうだ、俺たちは世界一のタイソ帝国軍だ」
「こんな、羽虫など」
立ち上がった兵士たちは勇猛果敢に魔界喰虫に斬りかかる。
「馬鹿が!民の避難を先に済ませろ。こいつはわしらの足手まといにしかならん」
「はい!」
ダクソンに叱責された兵士は逃げ惑う民を避難させ始めた。
部下を震い立たせた啖呵、市民への避難。口は悪いが的確な指示だ。
魔界喰虫を握りつぶしながらギイトは、ダクソンの将としての手腕を改めた。
「おい!奴隷のギイト」
ダクソンは己に群がる魔界喰虫を次々切り捨ながら、ギイトに話かけた。
「なんだ、ダクソン将軍」
ギイトも目の前の魔界喰虫を切り捨てる。
「いつになく羽虫の数が多すぎる……お前の戦闘用偽装具でなんとかならんか?援軍が来るまで持たせろ」
「使いたくないが……仕方ない。援軍を待つまでもない。出来るだけ魔界喰虫を一ヶ所に集めてくれ」
「ふん、何か策があるんだな?お前に従ってやろう」
ダクソンの命令で兵士たちが動いた。剣を振るいまたは自らを囮に走る。そして、なんとか魔界喰虫を一ヶ所に集めた。
「集めたぞ!早くなんとかしろ!!」
他の兵士と魔界喰虫の歯を剣で抑えながらダクソンが叫ぶ。
「後ろに一歩引いてろ」
そう、忠告すると、ギイトは戦闘用偽装具の右手首を外した。手首を地面に投げる。かちゃりと金属音がした。
外れた箇所には機械的な大きな空洞。そこにキュイイイと音と共に高エネルギーの光と熱が集結した。
真っ赤な太陽のように光輝く。眩しくて目が開けていられない。
「ぐひひひひ、あれを使うんですねギイトっ!」
ギイトから離れた術者を探すサクヤにもその光は届いた。
「なんだ、これは!?馬鹿みたいに眩しいぞ」
ダクソンが眩しさに顔をしかめた。
エネルギーを限界値まで貯めたギイトは、叫んだ。恥ずかしいが、選択肢はない。トリガーになるその言葉をーー。
「ーーギイト砲」
ドおおンっ!!!!
赤い光線が走る。
世界が揺れたかのように爆風が巻き起こった。真っ赤な太陽が高エネルギーそのままに、魔界喰虫の群れを一匹残らず根こそぎ焼き払った。
もうもうと上がる土煙。地面に未だ火花が散る。チリチリと魔界喰虫が焼けた焦げ臭い悪臭があたりに漂う。異様な光景に誰も動けない。
「……なんだ、お前の力は、化け物か?」
ノロノロ起き上がったダクソンがギイトを呆然と見つめた。
「……化け物かもな?」
衝動で飛ばされたギイトは誇りまみれで地面に座り込んでいた。
「ぐひぃ!ギイト。やっと使ってくれたんですねー。ギイト砲を!
折角偽装具につけた機能なのに、名前がかっこわるいとかダサい言って使ってくれなかったのに~。いやぁ、嬉しいです」
駆けつけた魔女だけがギイトの首に抱きつき、この場にそぐわなくはしゃいだ。
「はあっ……使ってほしいなら、もう少しまともな名前にしろ」
疲労を滲ませギイトは答えた。
サクヤとギイトはスティーブの護衛の為、魔界喰虫の術者探しに祭りに参加していた。
国王は軍隊を引き連れパレードを行う。
スティーブは自分と共に穏健派の隊列に加わることを提案したが、魔女と奴隷が加わるのは不謹慎ですからと辞退し、離れた場所からの護衛になった。
パレードの途中に鎮魂の広場にて、花を石碑に置き追悼の意を述べる国王。彼はまだ20代と年若いオリバエル・グランクリュ・タイソ。心無い人々から『棚からぼたもち王』と揶揄されていた。
彼は、前王オリエゴンの第6王子で側室の子、本来なら王位継承権の遥か遠い所にいた。その王子が王位をえたのは、複雑な理由からだった。
第1王子と第3王子は互いに暗殺者を折り合い、共倒れになってしまう。次に即位した第4王子は暗殺を怖れるあまり引きこもり、風の音にすら酷く怯えるようなる。猜疑心と恐怖に気を病んで、王城より飛び降り自殺してしまう。次に即位した第5王子は流行り病で直ぐに儚くなった。王室は呪われているとまで囁かれた。
「ぐひ、だから 残ったのは下位貴族側室の子の第6王子だけで、不名誉な渾名がついてしまったんです」
王城に戻るパレードに並走して歩きながら、サクヤはギイトに説明した。
「呪われた王家か……。4人も立て続けに死んでいたらな……待て、第6王子なのに数がおかしい。第2王子は何処に行ったんだ?」
「ぐひ、さすが、ギイト気づいちゃいましたか?第2王子は王が惚れ込んだ美貌の旅芸人との子供で、王子は幼児の頃に王家にふさわしくないと不貞を疑われ母子共々何処かの戦場に捨てられたそうですよ」
「……戦場に、酷い話だ」
きっと母子共々とうに生きてはいない、そうギイトは思い深く同情した。
パレードも終盤戦、美しく足並みを揃えたダクソン率いる軍隊の姿も見える。手に飾り剣を抱えた。彼らは太鼓やラッパの音色に合わせ剣を旗のように振り上げだ。くるりと旋回し、空中へ投げた。落ちてきた剣を取り肩に乗せた。一糸乱れぬ統率の取れた美しい動きに、群衆から大きな歓声が上がった。
もう、スティーブは王城に入ったようだ、護衛の心配もないだろう。
サクヤとギイトがパレードの並走を止めようとした。
その時、事態が動いた。
「ひいいーっ!俺の手が無い!ない!」
兵士の1人が悲鳴をどさりと倒れたのだ。
「出たな!魔界喰虫。サクヤは術者を探せ」
ギイトが剣を構え悲鳴の渦中に駆け寄る。
「ぐひ、了解しました」
サクヤは魔導人形を引き連れ魔力の流れを追う。
青い空の一面を手のひらサイズのミミズに似た無数の虫が埋め尽くす。空が黒く見えるほどの禍々しい黒色で、空を泳ぐようにぬたりとした動いた。
パカリと大きな口を上げれば口腔にはびっしり尖った牙が這え揃う。人間というご馳走を前に涎を垂らす。
次に上がる悲鳴、手足、腹を喰われ。恐怖に転がる兵士たち。美しく足並みを揃えていた軍兵たちはもういない。恐れ戦き蟻の子を散らしたように逃げ惑う。
「落ち着け!統制を失うな!わしの優秀な兵士たち!!こんな羽虫など恐るるにならんぞ」
ダクソンが一歩前に出た。
剣を抜き目の前の魔界喰虫を凪ぎ払う。そして、剣を高く掲げ逃げ惑う兵士を鼓舞したのだ。
「……ダクソン将軍」
「そうだ、俺たちは世界一のタイソ帝国軍だ」
「こんな、羽虫など」
立ち上がった兵士たちは勇猛果敢に魔界喰虫に斬りかかる。
「馬鹿が!民の避難を先に済ませろ。こいつはわしらの足手まといにしかならん」
「はい!」
ダクソンに叱責された兵士は逃げ惑う民を避難させ始めた。
部下を震い立たせた啖呵、市民への避難。口は悪いが的確な指示だ。
魔界喰虫を握りつぶしながらギイトは、ダクソンの将としての手腕を改めた。
「おい!奴隷のギイト」
ダクソンは己に群がる魔界喰虫を次々切り捨ながら、ギイトに話かけた。
「なんだ、ダクソン将軍」
ギイトも目の前の魔界喰虫を切り捨てる。
「いつになく羽虫の数が多すぎる……お前の戦闘用偽装具でなんとかならんか?援軍が来るまで持たせろ」
「使いたくないが……仕方ない。援軍を待つまでもない。出来るだけ魔界喰虫を一ヶ所に集めてくれ」
「ふん、何か策があるんだな?お前に従ってやろう」
ダクソンの命令で兵士たちが動いた。剣を振るいまたは自らを囮に走る。そして、なんとか魔界喰虫を一ヶ所に集めた。
「集めたぞ!早くなんとかしろ!!」
他の兵士と魔界喰虫の歯を剣で抑えながらダクソンが叫ぶ。
「後ろに一歩引いてろ」
そう、忠告すると、ギイトは戦闘用偽装具の右手首を外した。手首を地面に投げる。かちゃりと金属音がした。
外れた箇所には機械的な大きな空洞。そこにキュイイイと音と共に高エネルギーの光と熱が集結した。
真っ赤な太陽のように光輝く。眩しくて目が開けていられない。
「ぐひひひひ、あれを使うんですねギイトっ!」
ギイトから離れた術者を探すサクヤにもその光は届いた。
「なんだ、これは!?馬鹿みたいに眩しいぞ」
ダクソンが眩しさに顔をしかめた。
エネルギーを限界値まで貯めたギイトは、叫んだ。恥ずかしいが、選択肢はない。トリガーになるその言葉をーー。
「ーーギイト砲」
ドおおンっ!!!!
赤い光線が走る。
世界が揺れたかのように爆風が巻き起こった。真っ赤な太陽が高エネルギーそのままに、魔界喰虫の群れを一匹残らず根こそぎ焼き払った。
もうもうと上がる土煙。地面に未だ火花が散る。チリチリと魔界喰虫が焼けた焦げ臭い悪臭があたりに漂う。異様な光景に誰も動けない。
「……なんだ、お前の力は、化け物か?」
ノロノロ起き上がったダクソンがギイトを呆然と見つめた。
「……化け物かもな?」
衝動で飛ばされたギイトは誇りまみれで地面に座り込んでいた。
「ぐひぃ!ギイト。やっと使ってくれたんですねー。ギイト砲を!
折角偽装具につけた機能なのに、名前がかっこわるいとかダサい言って使ってくれなかったのに~。いやぁ、嬉しいです」
駆けつけた魔女だけがギイトの首に抱きつき、この場にそぐわなくはしゃいだ。
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