かたつむり獣人は堅物騎士を癒したい

豆丸

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媚薬①

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「俺っ。び、媚薬を盛られた、ふっ、くっ、みたいで。はっ、お風呂上がりにばったり村長と会って、特性ジュースを進められて………先輩っ。はっ。なん、で粘液まみれで、エロい格好をっ。あっ、誘ってるんですか?……っ、」 

 村長、欲望に忠実過ぎるよ。僕たちを特等席で観賞したいとほざいていたから、部屋の何処かに隠し穴でもあるのかも? 
 僕が貞操観念の低いかたつむり獣人で良かったね。 
 
 村長を楽しませるのはシャクだけど……今はザビーダを静めることが最優先。廃人になられたら困るもん。  
 それに、副団長から頼まれた極秘任務を遂行するのに媚薬は好都合だから。
 
「かわいそうに……夏の夢華を盛られたんだね…発情期って顔してるよ。 
 ザビーダ……このまま吐精しないと廃人化しちゃうよ。ほら、僕を使って!我慢しないで襲ってくれていいから」 
 ネグリジェのスカート部分を捲りあげる。村長に用意されていたのは下着は布面積の少ないティーバックだった。くっきりと形の良い桃尻を見せつけて。その下にひっそり存在するあわいに細い布地を食い込んでる。雌雄同体の僕の体毛は薄いから、横からはみ出た毛のないアソコのお肉も見えていることだろう。雌雄同体の僕の色素は薄く、下半身は無毛。 
  
 ザビーダの言葉通りに、お尻をくねらせ淫靡に誘う。 


 ギンと、ザビーダの目が血走しる。血管の浮き出たこめかみ。首筋には汗が粒になって胸元に流れていく。真っ赤な沸騰しそうな顔。 
 勃起した陰茎は我慢出来ずに、テントを張ったスカートにお漏らしを作ってる。

 それでも、獣のような熱い息を洩らしたくないと歯を食いしばる。歯茎から血が流れる。ふーっ、ふーっ、と隙間から漏れる息すら悩ましい。僕に向かって伸ばしかけた手を握りしめ、襲いたい淫欲と必死に戦っている。 

 
「はーっ、はーっ、せ、先輩っ。逃げて、はっ、下さい。び、媚薬で。くっ。おそ、襲いたくない。」  

「なんで?我慢しなくて良いのに……僕たちお互いを助け合うパートナーだろう?ザビーダが辛い時は助けるよ………」 

「で、でもっ。はあっ。俺のはでかくて、異形で気持ち悪いと……くっ。去勢しなさいと…はーっ。義母に言われて。だから、お、俺は…っ、」 

 かわいそうに、見るからにでかくて立派なのに。 

 極秘任務を受けたとき、カルロス副団長から詳しく聞いた。 
 ザビーダが折り合いの悪かった継母から性的に辱しめられといたと、彼女に直接的に触られることは無かったが、言葉での暴力、自慰の強要。多感だった少年の心に暗い影を落とした。 
 
 閨教育を拒否し痙攣して吐く、ザビーダ少年におかしいと思った父親のロックダイン子爵。 
 ある日心配した彼が隠れて見ているとも知らずに、継母はザビーダにナイフを渡し、気持ち悪い陰茎を切り落とせと命令した。 

 自分が子爵と子を成せなかったうっぷんをザビーダで晴らしてたなんてさ。本当っ!頭のイカれたクソ女だよね?考えただけでアソコがきゅっと縮むよ。 
 怒り狂った子爵に即離婚され、貧乏男爵家に返品された。彼女は多額の慰謝料を請求され、支払えず今は娼館に在籍している。 
 
 ザビーダの心の傷は医師に介入しても中々癒えず。継母のように、責められたらと女性と接することが大の苦手で、自分の男性器に自信が持てない。 
  
 ロックダイン子爵は頭を抱えた。 
 ザビーダに兄弟はいない、このままでは由緒正しきロックダイン家がザビーダの代で途絶えてしまうと。 
 そこで、白羽の矢が当たったのが、かたつむり獣人の僕だった。 
 僕はザビーダとそこそこ仲良しだし、女だけど男でも在るからきっと怖くないだろうと。 
 男娼を進めてその道に目覚められても困るから、苦渋の選択だったそうだ。 
  
  初体験がいきなり雌雄同体の僕とのエッチで申し訳ないけど、夏の夢華の治療ということで割り切ってもらいたい。
  
 ザビーダを癒し、男として自信を持たせること。エッチの気持ちよさを教え込んで、子作り出来るように仕向けること……これが極秘任務の内容。 

 報酬は、幻と言われるマンモス肉っ。期待してるよロックダイン子爵。僕、頑張るよっ! 
  


 
 
「…ザビーダのが、異常で気持ち悪いなら……僕のは醜悪かな?」 
 僕はお尻を振るのを止めて、彼の方に向き直る。 膝を立てて股を開くと胯間に手を伸ばし、にゅるりと陰茎をしごいた。 
 白く小さなソレはむくむくと大きく尖り、人とは異なる形に育った。  

「せ、先輩のっ?」  

「これが、かたつむり獣人の恋矢だよ。僕たちは互いに、この尖った槍状の雄生殖器を挿入しあうんだ……ほら、人とは違う。異形でしょう?気持ち悪いと思う?」 
 
「はっ。先輩のチンポ。んっ、俺とは違う。で、でも、気持ち悪くなんて、くっ、ないです」 
 真面目なザビーダは媚薬に犯されながらも律儀に答えてくれた。 


「ふふっ、ありがとう。ザビーダのも気持ち悪くないよ……むしろ大きくて。羨ましいな。僕、興奮しちゃう!」 
 手をゆっくり伸ばし、スカートを破りそうな膨らみを優しく撫でした。 

「あっっ!!先輩っ!」 
 びくりと彼の腰が跳ねる。
 
「いやだったら、言ってね…無理強いはしたくないから……僕はザビーダが大切だから」 
 
 そう大切っ。パートナーとして治療対象として。    お肉の為、リップサービスも忘れないよ。
    
「……一番だよ。だからね、気持ちよくなって」  
 そっと耳元で優しく囁くと、布越しの陰茎の濡れた先端に口づけを落とす。抵抗されないことを了解と捉え、布越しに添わせた両手を上下に動かしていく。本当に嫌がったら止めようと、その表情を注意深く観察する。 

 いつも深く刻まれた眉間のシワはなく、快楽に顔を赤らめ、氷が溶けるように徐々に惚けてくる。 
  
 じゅ、じゅ、じゅ。 
  
 体から排出させた粘液を手に纏わせ、雄々しい陰茎をしごく。  

 じゅぽ、じゅぽ、じゅぽ。
 
 たくさん気持ち良くなってね。 
 

「はーっ。大切っ?お、俺がっ。んっっ!あっ、あああっ!!ーーーっ!」  
 大きく太ももが戦慄き、ガクガク腰が揺れた。
  
 限界まで我慢していたザビーダは、ほどなくスカートの中に大量に射精した。  

「良く出来たね……本当に偉いよ」 
 僕はにっこり微笑むと、ザビーダの頬にキスをした。 

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