床の隣に広がる世界

YAMATO

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序章「居場所と趣味」

僕は変われるのだろうか

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小さいとき僕は"夢"を見ることができた。



 その"夢"は僕の願いが叶う場所



 子供のころ特有の何にでも興味を持つお年頃というやつなのだろう


目に見に見えるものすべてがわからないものだらけで ワクワクが止まらなったがその興奮のはけ口が思いもよらないものになる

 

 僕は夢の中に答えを得ていた。

ある時から夢の中には僕が謎に悩まされ悩まされ続けると、それの答えが夢に現れる。



それは想像したものから想像の及ばない未知のことまで様々だったが、僕はそれが嬉しかった。



僕が知らないこと、理解の及ばない事象にあふれている空間



その空間は僕に新しいことを与えて心の豊かさをくれた場所だった。



いや違うのかもいれない本当は「僕の世界」ができていくことが・・・

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今、僕は14歳中学生だ。



これでも少しは顔が整っている方なだと思うのだがあまり表情筋が活発ではないことで割を食っている僕だが昼下がり教室で何を昔の思い出を遡っているのかというと



 理由は簡単、暇だったからである。

何やら周りで3人程が話している気がするが話題が興味なさ過ぎて暇を持て余していたのである。



 それでもそのうちの一人は仏頂面の僕の数少ない友人である。



地元の中学に進学して良いことは友達がいるということだと思う。そのおかげか元々人付き合いが苦手な僕も友達に助けられながら他の人とも仲良くなった。



そんな今の自分の交友関係のほとんどが熱心に話し合っている内容とは一人の女子に完結する。



少し時間を遡って中学入学式のことだったのだが…



入学式の前、制服に見を包んだ僕と友人はなんの運か同じクラスになりあまり変わり映えのしない様相で教室のある3階まで来た。



校舎の割にきれいなドアを引くと、中にはそれなりの人数がいた。おのおのが新しくクラスメイトになる人と親睦を深めていると





そんな中、目に留まった人がいた。



これがいわゆる一目惚れかと思ったがこれは違うこれは必然だと感じた。



あの子が周りの目を引き寄せる、周りを見ると雰囲気は感じた通りみんなの視線が集まっている。



理屈はわからないがこれが何かしらの必然であると感じられたことで僕の興味はなくなり視線をもとに戻した。



黒板に貼られた座席表に目をやって自分の席を確認すると机の横にカバンを掛けて僕は席に座って周りの音を聴いていた。



そこへ友人が人を連れて戻ってきた。

本当に彼の明るさというものに尊敬できる。彼はものの数秒で懐に入り好印象を抱かれながらも多少の無理を通せるまで場を掌握してしまっている。



現に僕の目の前に二人の男子生徒が来て4人で話す流れになっている。



話題はそうわかりきっているそう彼女の話になるのだろう。

中学男子であれを見て話題にしないというのも変な感じがするだろう。



友だちが彼女の話をしている中には入らず(場所的にも僕は彼女を見ると死角に入る位置にいたので)適当に話を合わせていた。



こんなことはめったに起こらないがたまには遭遇することがある。



それはある意味特別な人なのだろうそれをどんな言葉で表すのかは諸説ある、天才、カリスマ、オーラそれが何なのかはどうでもいいのだが、その存在には興味があったその人たちは普通の人たちとは違うのだ。



その存在は僕が今の自分から変われる可能性があることへの希望であった。



僕がこれまでにあった特別な人たちにはある一つの共通点がある。



それはいつも特別ではないということだ。その人たちが特別たら占める要因がありその条件を満たすことで特別な輝きをする。ピアニストがピアノを弾くときや美人が笑った時のように・・



そのことから僕は僕に秘められた特別をいつか見つけられるかもしれないと思っているのだ。



僕は今の自分が嫌いで、変わりたいと思っている。



昔、見ていた"夢"はもうないけれど僕の日常が変わるような何かを潜在的に求めてしまうのだ。

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