顔も知らない旦那様に間違えて手紙を送ったら、溺愛が返ってきました

ラム猫

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第四話

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 戦争が終結し、帰還命令が下された時。アシュレイの心には、戦勝の喜びよりもセシリアへの渇望が満ちていた。

(やっと君に会える、セシリア)

 長距離の移動中も、彼女のことだけを考える。
 屋敷に到着し、足を踏み入れた時。彼の目に飛び込んできたのは、可憐なワンピースに身を包んだ美しい女性だった。

(彼女が、私のセシリア……)

 その瞬間に、アシュレイの心にあった僅かな理性も崩壊した。
 彼の妻は、想像していた以上に繊細で、守ってやりたい存在。彼女が震えながら罰を求めた時、彼はもはや冷静でいられなかった。

 アシュレイは妻を強く抱きしめる。この抱擁こそが、彼にとって、最高の戦果のようにも感じられたのだ。

(ありがとう、セシリア。私に愛を教えてくれて)

 彼は、人生で初めて浮かべるような、幸せそうな笑みを浮かべた。



 セシリアの髪が柔らかく広がり、月明かりを吸い込んでいる。その瞳は、羞恥と微かな熱を帯びて、アシュレイを見上げていた。

 彼らの間に多くの言葉は必要ない。アシュレイは、セシリアの小さな手をそっと包み込む。彼女の肌はまるで花のように繊細で、彼の心を揺さぶった。

「セシリア」

 アシュレイが名を呼ぶと、彼女は小さく震えるが彼に身を寄せる。その反応一つ一つが、彼にとってこの上ない喜びだ。戦場で冷徹な指揮官として振る舞う日々の中で、アシュレイは感情というものを長い間忘れていた。しかし、彼女の存在が、彼の中に再び人間らしい温かさを取り戻させてくれたのだ。

 彼女は想像した通り、いやそれ以上に愛らしかった。幸福に潤んだ目元は、彼が失っていた感情をも取り戻すようだ。

「疲れていないかい?」

 アシュレイの問いかけに、セシリアは首を横に振る。そして、淡く微笑んだ。

「いいえ……とても、幸せです」

 その声は、囁くように細かったが、アシュレイの耳には遥かに大きく響いた。彼の喉の奥で、熱いものがせり上がる。
 彼は、セシリアの額にそっと唇を落とした。彼女の吐息が、温かく彼の頬を撫でる。

「君が間違って手紙を送ってくれなければ、君と私は、形式だけの夫婦として過ごし続けたかもしれない。誤配を感謝するのは変な気もするが……ありがとう。私は、君のすべてを愛している」
「アシュレイ様……」

 セシリアの瞳から、大粒の涙が溢れ出した。彼女は安心したように、アシュレイの胸に顔を埋める。 彼は彼女の柔らかな髪を優しく撫でる。その小さな体を腕の中に抱きしめると、何よりも大切な宝物を手に入れたような、深い満足感が彼を満たした。

(私は、この腕の中に、私の世界を抱いているのだ)

 彼はセシリアの潤んだ瞳を見つめた。彼女の顔は、羞恥と期待でほんのり赤く染まっている。その小さな口元が、わずかに開かれ、アシュレイを誘っているかのようだった。アシュレイは、セシリアの白い頬にそっと手を添えた。肌の温かさが、彼の手のひらにじんわりと伝わってくる。
 彼は、ゆっくりと顔を近づける。セシリアはゆっくりと目を瞑る。

 そして、二人の唇がそっと重なった。
 最初は優しく、まるで触れるか触れないかの吐息のようなキスだった。アシュレイは、セシリアの唇の柔らかさに息を呑む。彼が戦場で感じてきたすべての冷たさや孤独が、この温かさによって溶かされていくのを感じた。

 彼は、キスを深くした。彼の舌がそっと彼女の唇をなぞると、セシリアは驚いたように小さく息を漏らしたが、拒否することなく、彼のキスを受け入れている。

 セシリアの腕が、ゆっくりとアシュレイの首に回される。彼女の指先が彼の髪に触れた瞬間、アシュレイの理性の最後の砦が崩れた。

 彼は彼女の腰に手を回し、さらに強く抱き寄せた。二人の体が密着し、心臓の鼓動が重なり合う。アシュレイの情熱が、セシリアへと注ぎ込まれていく。

「セシリア……」

 唇を離した時、アシュレイは彼女の名を囁いた。セシリアの顔は、完全に真っ赤に染まり、息を切らしている。その瞳は蕩けるように潤み、アシュレイだけを映していた。



 ——月明かりが二人の体を優しく包み込む。アシュレイは、愛しい妻の寝息を聞きながら、静かに誓った。

(私は、二度と君を離さない。愛しているよ、セシリア)

 温かく甘い夜が、ゆっくりと更けていった。
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感想 1

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みんなの感想(1件)

੭ੇʓਡƕ🐆
ネタバレ含む
2025.12.11 ラム猫

 感想ありがとうございます。嬉しいお言葉を頂けて大変光栄です。
 改めて読み返したところ、誤字脱字が多すぎて反省しました。報告ありがとうございます。修正させていただきました。

解除

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