上 下
7 / 23
第1章 勇者の資格

お金が無いです (1)

しおりを挟む
 やって来ました、王都ー!
 このノリでやっていったらレービュルト王国に着くまでもたなそうです。やめましょう。

 一人で王都に来たのは初めてですね。なんだか新鮮です。
 自由、って感じですね。
見張られているから、ここらでゆっくりする訳にはいきません。
 私は、回送馬車について書かれている看板を見ます。
 レービュルト王国に行くには、約2日はかかります。2回は宿に泊まらなくてはいけませんね。
 そして、気になるお値段。
 なんと、金貨2枚。
 それも、レービュルト王国の一個手前のソクボ村までです。

 ここで、お金について説明をします。
 銅貨1枚で100円、銀貨1枚で1000円、金貨1枚で1万円。上金貨というものもあるのですが、それはなんと1枚で100万円もします。
 簡単でしょう?

 ちなみに私の手持ち金、金貨2枚と銀貨1枚、銅貨3枚。
 1泊で約銀貨1枚。
 あらら。私、1泊分しかお金を持っていません。
 野宿決定ですね。

 馬車に乗ろうとしたが、お腹が空きました。
 近くの出店に、美味しそうな焼き鳥が売っていたので、買いました。銅貨3枚で。

 残り手持ち金、金貨2枚、銀貨1枚。



 馬車の中でもぐもぐ焼き鳥を食べながら外を見る。
 いい景色ですね。
 何故お金がこれだけだったと思いますか?
 侍女のお仕事の給料が少ないわけではありません。1ヶ月で金貨1枚。素晴らしい。
 だけど私のお気に入りのローブ。最近購入したこれが、3年働いてやっと買えるくらいのお値段だったので。
 私、とても後悔しています。
 あの時は、ずっと働けると思っていましたし、こんな目に会うとは思ってもいませんでした。

 まあいいです。後悔しても遅いのですから。
 このローブ、気に入ってますし。

 ………………。
 …………野宿ですか。
 自業自得というやつですね。

しおりを挟む

処理中です...