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第1章 勇者の資格
お金が無いです ( 2 )
しおりを挟む1日経ちました。
お布団もふかふかで、夕食も美味しくて満足です。
銅貨7枚はとっても旅人思いですね。
現に私はとても嬉しいので。
満足感でいっぱいになりながら、私は宿を出ます。
朝になると、夜以上に宿の外の市街は賑わっています。
お金がないので私は何も買えないのですが。
悲しいです。お買い物したいです。
悲しみを振り払いながら、回送馬車乗り場へ向かいます。
しかし!
その途中で私は目を見張る事となりました。
「万能魔道具!?」
なんと万能魔道具が金貨1枚で売ってあったのです。
万能魔道具というのは、遠くからでも連絡できたり、地図が映し出されたり、写真を撮って保存したりすることが出来る、その名の通りとても万能な魔道具です。
そんなに万能なのに、縦15センチ、横6センチくらいの超小型。
普段は金貨2枚くらいで売っています。
それが金貨1枚で!
やばいです。欲しいです。
私の手持ち金、金貨1枚と銅貨3枚。
ここで万能魔道具を買ってしまうと、残りは銅貨3枚。回送馬車に乗れなくなってしまいます。
万能魔道具か、回送馬車か。
――冷静になりましょう、エミカ。
万能魔道具を買ったとしても、連絡するには連絡する相手も万能魔道具を持っている必要があります。
それに、地図は記憶したらいいでは無いですか。写真も同様です。
撮って残すよりも目に焼き付けて残す方が思い出深くなります。
連絡なら、魔法でもできるじゃないですか。
心の中で葛藤すること約10分。
私は、回送馬車を選びました。
――さらば、万能魔道具。
今度はもっとお金を持っている時に買わせていただきます…………。
応援ありがとうございます!
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