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第1章 勇者の資格
お金が無いです ( 3 )
しおりを挟む馬車、とても快適。
こっちを選んで確実に良かったでしょう。楽です。
そう思っていたのも束の間。
お金切れです。
レービュルト王国に着く前の、ソクボ村で私は降りました。
空も大分暗くなってきてしまってます。今日はこの辺で野宿することになりそうですね。
市街地を離れて、平原が広がっている所へ歩きます。
寝やすそうなところはないかなーと考えながら歩いていると――
「そこの嬢ちゃん! どうかしたか? こんな時間に一人で」
厳ついおじ様に話しかけられました。
格好からして、冒険者なのでしょうか。
そんな事を考えていると、今度は大人の女の人の声が。
「バルー! その言い方だと誘拐犯に間違われるわ!」
近くのテントから、ストレートの黒髪の女性が出てきました。
「ごめんなさいね。急におじさんに話しかけられてびっくりしたでしょう? 私はナミ。この誘拐犯はバルー」
誘拐犯って言うな、と厳ついおじ様――バルー様はナミ様に突っかかっています。
私は気になることを聞いてみました。
「お二人は冒険者なのですか?」
二人は頷きます。
「私達はレービュルト王国へ向かっていて、今日はここで野宿をしようと思って。私とバルー以外にもメンバーはいるわ。ハバギルドよ」
「ちなみに全員冒険者ランクはBだぜ」
冒険者ランクについて。
冒険者ランクとは、そのままの通り冒険者のランクです。
Sが一番高く、順にA、B、C、D、一番低いのはE。
冒険者ランクBは、冒険者のベテランさんということですね。
「んで、君はなんでここに一人でいたの?」
ナミ様に聞かれました。
追放された、というのはぼかしながら答えます。
「私もレービュルト王国まで行こうと思ったのですが、お金が足りなくなってしまい、今日はここで野宿をしようと思ったのです」
「そう、だったのね。でもこの平原は夜になると魔獣がでるからね……」
するとナミ様がいいことを思いついたと言うかのように、両手をパンと合わせました。
「そうだわ! 私達と一緒にレービュルト王国までついてきたらどう! いいわよね、バルー」
「もちろんさ。こんな可愛らしい嬢ちゃんを魔獣がうろつく平原に放っておく訳にはいかない」
とても嬉しい誘いです。
私も一人で野宿するのは、心細かったので。
「ありがとうございます。とても心強いです。それでは、よろしくお願いします。私は、エミカと言います」
「よろしくね、エミカ」
ナミ様が手を出されたので、私はその手を取って握手をしました。
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