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第1章 勇者の資格

お金が無いです ( 6 )

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「そこ、どいてくださいっ!」

 ハバギルドの皆さんにそう声をかけて、私は駆けます。
 皆さんは戸惑いながらも、私の本気度に気がついたのか場所を避けていきます。

 目の前に魔獣がます。
 それも、大勢。
 全てが私に標準を定めたらしく、私しか見ていません。
 ――――好都合です。

「まとめてやっつけて差し上げます!」
 
 ナイフが剣サイズまで大きくなり、私の手に収まります。
 私はその剣を大きく振って、魔獣を牽制します。
 しかし、私の行動に怯まず襲ってくる魔獣が。

「危ない、エミカ!」

 ナミ様の声が聞こえました。
 安心してください。
 だって――――

 魔獣が真っ二つに切り裂かれます。
 ええ、私が斬ったのです。

「――――えっ?」

 ハバギルドの皆さんは、口を半開きにして目をまん丸にしています。
 再び魔獣が襲ってくるので、もう一度斬ります。

「一瞬で終わらせるなら、これですね」

 魔力を貯めて、術式を展開する。

『大爆発』

 簡単だけど、範囲が広く大規模な魔法です。
 グオンとお腹が震えるような大きな音がなって、魔獣がいるところにだけ爆発が起こりました。
 血と肉が焼ける臭いに吐き気がします。
 いつまでたっても、やっぱりこういうのは慣れません。
 というか、慣れない方がいいのでしょう。

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