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第1章 勇者の資格
イールイ村、最高です ( 2 )
しおりを挟む「本当にありがとう! 貴女、私の恩人よ!」
人気が多い道に着いた時、女の人に手をガシッと握られて、勢いよくお礼を言われました。
「い、いえ。これからも気をつけてください」
「あいつら、今までずっと面倒だったの! ちょくちょく見かける、チンピラ。私1人だったら、人売りに売られていたかも!」
女の人がぐわっと顔を近づけてきます。
私は、1歩下がってしまいました。
「お礼がしたいわ! ぜひ、イールイ村にいらっしゃってください!」
おや?
なんだか良い提案ですよ。今日1日くらいは泊めてもらえるのではないでしょうか?
聞いてみましょう。
「あの、実は私、今日泊まるところがなくて。貴女の村に泊めていただけないでしょうか?」
「えっ?」
流石に不自然でしょうか?
そう思ったけど、次の女の人の言葉にそんな心配はなくなりました。
「貴女みたいな可愛い女の子が泊まってくれるの? とっても嬉しい! いいわ。もちろんいいわ。マオは許してくれるかしら? いえ、そんなのどうでもいい。私が許可する!」
「ありがとうございます」
私が頭を下げると、女の人はにっこりと笑いながら頭を上げるように言う。
「私、ナオミ・カオリザカ。よろしくね」
女の人――ナオミ様が手を差し出します。
私はその手に自分の手を重ねて、握手をします。
「エミカ・ヒラトメです。よろしくお願いします」
この時、私には、一生の友達ともいえる存在ができました。
今の私は、こんなにも良いお友達ができるとは微塵も考えていなかったですが。
応援ありがとうございます!
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