錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第八十七話 賢者より頭が回るのは親

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兄上が魔王になった。 絶望感が勝ちそうになった。
だけど、皆の顔を見たときに我に帰る事が出来た。
倒す…しかないのか? 心臓と一体化してしまった核は元には戻せないだろう。

…元に戻す? 分離する? 俺なら…錬金術なら出来るのではないか?

その後どうする? 兄上を救った後魔王は器を失うはず。

「テイル君、起きたかと思えば難しい顔をしてどうしたのかね?」

「いや、考え事を…俺なら…兄上を救えるのではないかと」

「!? 話しなさい」

「魔王に、いえ…兄上に触れ、兄上に錬金術を施します」

「ほう…」

「そして、心臓と魔王の核を分離します。 ただ、リスクがあり、分離に時間が掛かること、その間攻撃をいなせないことです。 そこさえどうにかできれば勝算はあります」

「君は人間の心臓の形を知っているのか?」

「是か非かで言えば是ですが、極めて非に近いです。 精巧な絵や模型でしか見たことが見たことが無く、実物は見たことはありません」

「ふむ、自信は?」

「ないです。 ですが、やります。 兄上とまた笑い合う為に」

俺は優しかった頃の記憶がある為、兄上が大好きだった。 今もどこかで好きな気持ちが消えて居ないのだろう。
だからこそ救い出したい。 魔王の器なんていう魔族や悪魔達のエゴに使われたくない。

「よかろう。 皆にも話しをして、協力を得る事。 一人では不可能な事は分かっているだろう?」

「はい!」

俺とマーリン様は皆の居る広場へと向かった。
各々武器の手入れやエルフとの交流を行っている。
すると、最初に助けたエルフの長らしき人がこちらへ近付いて来る。 あれ? マーリン様が居ない!?

「テイル様、我らがシャンティマの森に属するシャンティマの里を救っていただきありがとうございました。 あなた様が魔神を討って下さったと聞き及びました…感謝してもしきれません。 申し遅れました、私はシャンティマの里の長の『デラ・シャンティマ」と申します」

「テイルです。 悪しき魔神は無事に討伐出来ましたが、いつまた来るか分かりません…。 無礼を承知で申しますが、龍王であるドーラ様に強固な結界を張って頂くのをおすすめします」

「そうですね、我々の中でもその話は出ておりました。 ドーラ様の結界であれば安心して眠る事が出来ます。 ところで、テイル様…。 ご結婚のご予定などは御座いませんか?」

「結婚ですか? 何故ですか?」

「いやなに、私の娘を嫁にと思ったのですよ。 これほどの英雄に嫁げたらエルフの中でも我が部族が一目置かれる存在になりますからね」

「本音漏れてますよ?」

「俺は、サリィ王女殿下と婚約がほぼ確定している状態なのですよね。 その様な状態で嫁だ婚約者だなんて俺には荷が重くて…」

デラの目がギラりと光る。

「私はこう言いました。 娘を貰ってくれと。 すなわち、娘に森を捨てさせる行為にあたるのです。 ですが貴方は魔神殺しの英雄になった。 その様な古き風習も殺して欲しいのですよ。 だから、貴方のパーティメンバーとしてでも良いので娘を貰ってくれませんか? 弓と体術の腕は確かです」

「弓と体術の腕… 良いですね。 ですが、本人の意思が一番大切だと思います」

「そういうと思っていましたよ? ナナ! おいで?」

すると、可愛らしい俺と同年代くらいのエルフの少女が歩み寄ってくる。
綺麗な顔立ちだが、まだ幼い為か可愛らしさが残った顔立ちをしている。 そして、里を見て思ったがエルフは皆胸の発育が良い方ではない。

「テイル様、何か今とても失礼な事を思っていらっしゃいましたね? まぁ良いです。 こちらが私の娘のナナです」

「はじめまして、英雄さま、ナナ・シャンティマです。 子供は三人がいいです」

おい、親も親なら子も子かよ!!!
どうするんだこの遠征ろくなことないぞほんとに!

「わかりました、子供どうこうは置いておいて、とりあえずパーティメンバーとして受け入れます。 俺のパーティメンバーはまだドーラ様だけです。 なので三人目ですね!」

「精一杯勤めさせて頂きます! え? 子供は?」

子供の事はスルーを決め込む事にした。

「では、これから皆に紹介するのであちらの方へ行きましょうか」

二人で歩いて皆の元へと向かう。
すると小さな妖精達が俺の肩に乗ってきた。

「ゆうしゃさま? がんばってね?」

これは、前途多難だ…。
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