89 / 385
第八十八話 月影一心流での打ち合い
しおりを挟む
俺は体調も良くなってきたので軽くエクスさんと木剣で打ち合う。
エルフ達も周りで見ている。
俺は小手調べに軽剣術で打ち合い始めている。
「ふむ、まだ成熟しきっていない身体だから片手剣主体の軽剣術は比較的合っているのかもしれんな? だが、重い一撃を入れられた時、どうする? ハァッ!」
このおじさんただの打ち合いに覇気を込めた一撃を放ってきた。 余程の馬鹿だ!
咄嗟に騎士流剣術の構えで受け流す。
力一杯に踏み込み斬り込みに掛かる。
だが、その程度の事は読まれている。 それも想定内だ、エクスさんが受け流しの構えを取った事を確認した俺は即座に斬り込みを止め側面へと回り込む。
スッっと鞘が無いが腰に木剣を構える。
「打ち合いの最中に武器の構えを解くとは舐めているのか? それとも休憩か?」
黙って隙を見つけた俺はここだと言わんばかりに技を入れる。
「月影一心流秘儀、閃弧」
この技は俗に言う、居合だ。 それの月影一心流に改良された技だ。
その剣速にエクスさんの顔はあからさまに曇った事が分かる。
「ちっ! それは読めないな! 剣の軌道が沢山見える。 どう避けても対応するってか!」
やはり攻撃が視えているみたいだ。
エクスさんが強く地面を踏みしめ思いきりバックステップをする。
俺が待っていたのはこれだ。
次の技に繋げる為にはここで退いてもらう必要があった。
「待ってましたよ。 月影一心流秘儀、突月・改!」
突月は剣を捻りながら刺突をする月影一心流にある必殺の刺突技だ。
比較的誰でも使う事は出来るが実際に使っている事は見たことはない。 多分、危険なうえに得物に負担が大きいからだろう。
ただの突月であれば届く範囲は短かっただろう。 だが、そこに縮地を合わせる事でかなりの距離を補う事に成功した。
実際に試したのはこれが初なんだけどね…。
「なんという剣技! 瞬閃!」
しかし、その瞬閃は突月を弾くことは出来ずに俺はエクスさんの五十センチほど手前で止まってしまう。
ただ距離が足りなかったのだ。
これに真っ先に気付いたエクスさんは俺の木剣を払おうとする。
剣を払う事に対する技もあるのだ。
「月影一心流剣技、竜巻」
剣を払おうとする相手の剣の勢いを利用し、巻き込み、打ち上げる。
これが竜巻。 戦場では殆ど使う事の無い技だが一騎打ちならまだ使う事はあるだろう。
木剣を手から放してしまう事になったエクスさんは盛大に笑い始める。
「くはは! 見たか! これが勇者の剣技! 軽い打ち合いでこれだ! 魔王? 魔神? 恐るるに足らず! 彼を見よ! 次代の勇者を!」
わざとやりやがったなこの野郎…。 どうしてくれるんだよ…。
すると、どこからともなくサリィ王女殿下がやってくる。
「どうぞ、お顔をお拭きになってください」
「サリィ王女殿下! ありがとうございます!」
「サリィ」
「えっ?」
「私は生まれはどうあれ、今はテイル様の侍女ですから。 自分に仕えている者に対して敬語や敬称を使ってはいけません」
「あ、あぁ、わかったよサリィ…。 これで良い?」
「テイル様、上出来です」
その様子を遠目に見ていた三賢者達が居た。
「なんや、サリィちゃんはテイルちゃんにゾッコンかいな?」
「それだけではない…。 皆テイル君に惹かれておる。 早くテイル君は成り上がって貴族にならんとなぁ…。 そうすれば一夫多妻もありじゃし」
「じゃからってあの好かれようは天職は錬金術師じゃなくてタラシの間違いじゃないのかの?」
「あれで無自覚なんやろ? せやったら、『無自覚タラシ』なんちゃう?」
「それは良い!」
三賢者のテイルに対する変な評価も広がりつつあったのだった。
エルフ達も周りで見ている。
俺は小手調べに軽剣術で打ち合い始めている。
「ふむ、まだ成熟しきっていない身体だから片手剣主体の軽剣術は比較的合っているのかもしれんな? だが、重い一撃を入れられた時、どうする? ハァッ!」
このおじさんただの打ち合いに覇気を込めた一撃を放ってきた。 余程の馬鹿だ!
咄嗟に騎士流剣術の構えで受け流す。
力一杯に踏み込み斬り込みに掛かる。
だが、その程度の事は読まれている。 それも想定内だ、エクスさんが受け流しの構えを取った事を確認した俺は即座に斬り込みを止め側面へと回り込む。
スッっと鞘が無いが腰に木剣を構える。
「打ち合いの最中に武器の構えを解くとは舐めているのか? それとも休憩か?」
黙って隙を見つけた俺はここだと言わんばかりに技を入れる。
「月影一心流秘儀、閃弧」
この技は俗に言う、居合だ。 それの月影一心流に改良された技だ。
その剣速にエクスさんの顔はあからさまに曇った事が分かる。
「ちっ! それは読めないな! 剣の軌道が沢山見える。 どう避けても対応するってか!」
やはり攻撃が視えているみたいだ。
エクスさんが強く地面を踏みしめ思いきりバックステップをする。
俺が待っていたのはこれだ。
次の技に繋げる為にはここで退いてもらう必要があった。
「待ってましたよ。 月影一心流秘儀、突月・改!」
突月は剣を捻りながら刺突をする月影一心流にある必殺の刺突技だ。
比較的誰でも使う事は出来るが実際に使っている事は見たことはない。 多分、危険なうえに得物に負担が大きいからだろう。
ただの突月であれば届く範囲は短かっただろう。 だが、そこに縮地を合わせる事でかなりの距離を補う事に成功した。
実際に試したのはこれが初なんだけどね…。
「なんという剣技! 瞬閃!」
しかし、その瞬閃は突月を弾くことは出来ずに俺はエクスさんの五十センチほど手前で止まってしまう。
ただ距離が足りなかったのだ。
これに真っ先に気付いたエクスさんは俺の木剣を払おうとする。
剣を払う事に対する技もあるのだ。
「月影一心流剣技、竜巻」
剣を払おうとする相手の剣の勢いを利用し、巻き込み、打ち上げる。
これが竜巻。 戦場では殆ど使う事の無い技だが一騎打ちならまだ使う事はあるだろう。
木剣を手から放してしまう事になったエクスさんは盛大に笑い始める。
「くはは! 見たか! これが勇者の剣技! 軽い打ち合いでこれだ! 魔王? 魔神? 恐るるに足らず! 彼を見よ! 次代の勇者を!」
わざとやりやがったなこの野郎…。 どうしてくれるんだよ…。
すると、どこからともなくサリィ王女殿下がやってくる。
「どうぞ、お顔をお拭きになってください」
「サリィ王女殿下! ありがとうございます!」
「サリィ」
「えっ?」
「私は生まれはどうあれ、今はテイル様の侍女ですから。 自分に仕えている者に対して敬語や敬称を使ってはいけません」
「あ、あぁ、わかったよサリィ…。 これで良い?」
「テイル様、上出来です」
その様子を遠目に見ていた三賢者達が居た。
「なんや、サリィちゃんはテイルちゃんにゾッコンかいな?」
「それだけではない…。 皆テイル君に惹かれておる。 早くテイル君は成り上がって貴族にならんとなぁ…。 そうすれば一夫多妻もありじゃし」
「じゃからってあの好かれようは天職は錬金術師じゃなくてタラシの間違いじゃないのかの?」
「あれで無自覚なんやろ? せやったら、『無自覚タラシ』なんちゃう?」
「それは良い!」
三賢者のテイルに対する変な評価も広がりつつあったのだった。
13
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる