錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第九十話 集会

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俺はドーラ様に呼び出されたので長のお宅へと向かう事にする。

「よく来てくれましたね。 さぁ、皆さんどうぞ」

テーブルを囲っているのは三賢者のお三方、ドーラ様、英雄のエクスさん、竜人国の長のガガルさん。
俺が呼ばれたのは勇者だからだろうか…?

すっとドーラ様が立ち上がり声を上げる。

「皆の者、良く集まってくれた。 大体は察しておるじゃろうが『魔王』関連の事じゃ。 お主らには各自魔王軍の幹部を潰していって欲しいと思っておる。 これは龍王の…龍神・・ドーラとしての頼みじゃ」

「リュウジンサマノタノミナラバ!」

「もちろん我らは受ける所存。 だが魔王本体はどうするつもりだ。 聖剣は今はもう無いのだろう?」

「それについてはテイルが考えている事がある。 錬金術で魔王の核と器の心臓を分離すると。 そこについては三賢者やテイルの取り巻きにフォローさせれば実行までは行けるじゃろうな。 だが、我からも聞いておきたい。 失敗した場合…どうするのじゃ?」

来るだろうなと、そう簡単に予想は出来ていた。
皆の視線が一斉にこちらへと向く。
それは冷たい様な覚悟を試すような視線。

「その場合は俺が討ち取ります。 前に魔族と戦った際言っていました。 『今一度あのお方を討伐してしまえば二度と復活は出来ないでしょう』と。 なので完全に仕留めます。 その器が俺の兄であったとしても」

「聖剣はどうするんや?」

そう尋ねて来たのはジャービルさんだ。 確かにジャービルさんは聖剣を目の当たりにしたことがある。
それだけに聖剣がないと魔王を討伐することが不可能なのは分かっているのだろう。

「造ります。 この手で」

マーリン様とドーラ様以外が揺らいだ。
それもそうだ、幾ら錬金術師が聖剣を作る事が出来た過去があるとしても俺に出来るとは思っていなかったのだ。

「そんな馬鹿げた話…」

「あります。 事実ドーラ様は作成方法を知っているし、素材の半分は揃っています。 そして、俺の作る聖剣は『ただの聖剣』ではないと思います」

俺は敢えてここで言葉を切った。

「ただの聖剣ではない…じゃと?」

「ここに居る方々にはお話します。 俺はある事をきっかけに前勇者と同じ地球からこちらに転生してきた転生者です」

「なんやリバーシとか訳わからんもん出回したりしたんもテイルちゃんか? まぁ知っとったけど」

多分ジャービルさんは商業ギルドと繋がりがあるとは思うから知ってるのも頷ける。
俺をテイルちゃんと呼ぶのはあの人しか居ないから。

「えぇ、そうです、他にも今は沢山の魔道具を作っています。 聖剣の制作が上手くいけば魔剣なども売り出す予定で…っと話が逸れちゃいそうでした。 そして、最近俺に『地球の神』が交信を取ってきたのです。 地球全ての神の加護を俺にと。 多分次元を超えているので効力は弱まっていますが…」

「それなら、打ち合いで俺にあれだけ勝てるのも納得がいく。 俺も神の加護持ちだからな」

エクスさんはしれっと言ったけどそれって滅茶苦茶凄いことでは…?
まぁそれは置いておいて話を続けよう。

「地球には様々な神が存在します。 そして、俺の知りうる限りでは神話では魔術もあったとか」

「ほう? こちらの魔法の様なものか? 本当に神話にしか登場しないとはのう。 それが聖剣にどう繋がる?」

かなり興味深そうに聞いて来るのはもちろんドーラ様。

「地球には鍛冶を司る神が複数居ました。 その知識も貰っています。 聖剣の土台を剣の形をした金属の塊ではなく、鋭く強固な剣そのものにしてしまえば、聖剣自体の格はまず上がります」

一同が驚愕し、打ち震えていた。 エルフの長のデラは冷静を保ってはいるもののその額からは大量の汗が滲み出ていた。

「そして、地球のとある文字を刻みます。 神がその知識を追求する為に自害を試み、深淵を覗こうとした様な文字です。 そして、そこに魔力を乗せます。 それだけで様々な能力を聖剣に付与出来ます。 もちろん、同じことは普通の剣や魔剣にも行えますが...」

無論全て・・を話した訳ではない。
何故ならそれは俺の切り札なのだから。
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