錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第百四十一話 決着

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その黒い人型の何かは、ゆらりゆらりと動くだけのようだ。
しかし、その身体から溢れる強力な呪いの力は俺達の方へとゆっくりと近付いて来た。

「ふむ、これはよろしくない。 ドーラよ、やるぞ。 龍の息吹」

「はい! 父上! 龍の息吹」

これが龍神クラスのブレスなのか…。
しかも対象を迫り来る呪いのみに選択している様で周りへの被害は全くない。

「それでも進んでこれるか、この呪いは。 賢者と聖女達よ、儀式にてその呪いを打ち消しなさい。 そしてテイル殿、貴殿は一緒にあの呪いと黒きモノを足止めするぞ」

「私達も行きます!」

メイカ達が来る。

すると

「テイル様、アストレア国王陛下から聞き及び、ただいま恩をお返しに参りましたわ! 状況は…なんとなく察せます」

ラファイアル嬢!? 心強い助っ人の登場だ。

「人族の娘達よ! その覚悟しかと受け取った!」

「先陣は!」

「ワレワレキリヒラク! イケ!」

英雄と竜人の長は難なく呪いを薙ぎ払い、打ち止める。
だが次々と溢れ出る呪いの波には体力の方が先に尽きてしまうだろう。

「私達が魔法で支援します!」

「ナナは魔法矢で援護するよ!」

少しずつだが突き進めそうな道が開かれる。

俺達は一つ頷き地面を蹴り、駆け抜ける。

「テイル様、援護はお任せを。 龍神王様達と黒き者の所まで行ってください!」

「任せろ!!」

純粋な風を纏った細剣と、魔力の籠った剣技を放つ騎士…その二本の剣は左右に分かれて、テイル達の進路を生み出す。

「行くぞ! テイル殿! 奴は朕達で動きを止める。 その隙に、その悪巧みをぶつけてやれ」

あれ? 試そうとしてる事バレてる? なら都合が良い。
もう、あの呪いは完全に『視た』

理解してさえいれば、近寄ってさえしまえば…。

「行け! テイル!」

「行くんだ、勇者!」

龍の縛と言う龍が不敬を働いた者を捕らえる為に生み出した魔法で黒き者は動きを封じられる。
俺は更に加速をし距離を詰めて神気と魔素で手を保護し、黒き者に触れる。

錬金術で呪いと身体を引き剥がし、呪いを完全に『分解』すること。

意識を高め、魔素を練り上げる。
人体の構造をちょっとでも知っていないと出来ない荒業だろうけれど。

それは何も無かった様に身体から抜け出し、地面へと付着した。
付着した黒い液体は、蠢き、何か声を上げようとしている。

俺は問答無用でその液体に聖剣を突き刺し、魔素による分解を行った。
通常の分解だと形ある物しか出来ないのだが、理屈さえ知っていれば空気でも水でも呪いでも分解出来る。

多分、それが出来る錬金術師はひと握りかもしれないけれど。

サラサラと砂の様に消えていった呪いを見て皆安心し、声を上げる。

「テイル殿、此度の困難、良くぞ乗り切った! この戦はテイル殿の勝利である!」

その宣言に皆一様に喜びが隠しきれていない様だった。
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