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第二百八十七話
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どうして俺が国の王になってしまったのか…。
宰相閣下の話では元より予定されていたとのことだったが。
それなら普通は公国じゃないの? なぜ王国…。
勇者の国として有り得ない程の評判なのだが、それは良いとしても、それだとしたら国土小さすぎませんか…?
戦争を起こすつもりも何も無いから広げる予定は無いわけで。
そう思って過ごしているといつもの様にキングがやってくる。
「陛下、例の獣人達の教育に関しては滞りなく。 むしろ結果としてはかなりの物ですぞ。 ヴァンパイアの精鋭部隊に引けを取らない戦闘力を見せてくれております」
「そ、それは何よりだね」
「それに呪縛から解き放って下さった陛下には忠誠を誓っている模様でございます。 安心でしょうなぁ。 しかし、勇者が国を興し、彼らの言う魔族を含む亜人を受け入れているというのは教国にとっては良いモノではないでしょうな」
「魔神王の残滓だとか言ってるんだろ? だとしても俺の臣下には手を出させないよ」
「それは皆にとっても喜ばしい言葉でしょうな。 ただ、一つ問題があるとすれば、教国の上層部はこれらの件を一切知らないという状態で…。 彼の国の一部の者達による暗躍…と言うのが我々の調べた結果になっております」
そうだろうね。 エクスさんがまだこちらに居る以上は『国』としては敵意は無いだろう。
だが、内情としてはドロドロとしていそうな…。
「陛下、そのお顔はエクスさんをご心配なさっていますな?」
「当然だよ。 魔王と初めて対峙した時、エクスさんやガガルさん達が居なければどうなっていたか…。 あぁ、それとさ? 陛下ってのやめてくれないかな」
「そうですな。 それならば後ほど彼と話しをされてみてはいかがですかな? …では、旦那様とお呼びしますぞ」
「確かに旦那様は慣れてるけど、キングは俺の家族みたいなものだから、せめて坊ちゃんとかテイル様…くらいにして欲しいかな」
するとキングは困った様な顔をしてしまう。
「テイル様は分かりますが、坊ちゃんに関しては御当主に…王になられた方に言うのはなんと言いますか…」
「そ、そうだね。 まぁ呼び方は任せようか…。 で他にも話があるんじゃないの?」
「よくわかりましたな。 今、我々で調べている全ての国で違法奴隷が居るとの事でございます。 しかも、それが…」
「異種族…ね」
「中には爺の元同胞や、精霊なども存在する様で…。 しかも、相手は異様な魔力を持ち、遠目では測り切れない力を持っている様なのです」
人族で無いからと言って違法奴隷で雑に扱われて良いわけがない。
そして、敵の様子も不可解だ。
「ナールム様に少しお聞きしたかった事があるのでお呼びしました。 宜しいですか?」
「あぁ、構わないよ」
「先輩、話し込んでることごめんね。 今回の件は多分、この世界の悪神の影響だと思う。 魔神王が率いていた神達が…魔神王を失って暴走してる…みたいな」
「ナールム様、それであれば半神がほとんどを占めていたと思いますが…。 これほどの力は…」
「それは先輩の様に神格が上がったとみるべきかもしれない。 でも、これだけの事をしているのだから昔から水面下で暗躍していたのかも…」
なるほど、わからん。
「なら、なぜ異種族を排他する必要があると思う?」
「そこまでは…」
「でしたら、その者が元人族至上主義の人族…などではありませんかね?」
「キング、まさにその通りだと思う。 魔神王が何かしたか、別の要因かは分からないけれどね」
その刹那、扉が大きな音をたてて開かれる。
その人は良く知った元【暴食】だった。
「テイル! まずいぞ、各国の賊が手を組んで大規模な反逆を行うみたいだ!」
なんてタイミングでこんな事になるんだよ。
宰相閣下の話では元より予定されていたとのことだったが。
それなら普通は公国じゃないの? なぜ王国…。
勇者の国として有り得ない程の評判なのだが、それは良いとしても、それだとしたら国土小さすぎませんか…?
戦争を起こすつもりも何も無いから広げる予定は無いわけで。
そう思って過ごしているといつもの様にキングがやってくる。
「陛下、例の獣人達の教育に関しては滞りなく。 むしろ結果としてはかなりの物ですぞ。 ヴァンパイアの精鋭部隊に引けを取らない戦闘力を見せてくれております」
「そ、それは何よりだね」
「それに呪縛から解き放って下さった陛下には忠誠を誓っている模様でございます。 安心でしょうなぁ。 しかし、勇者が国を興し、彼らの言う魔族を含む亜人を受け入れているというのは教国にとっては良いモノではないでしょうな」
「魔神王の残滓だとか言ってるんだろ? だとしても俺の臣下には手を出させないよ」
「それは皆にとっても喜ばしい言葉でしょうな。 ただ、一つ問題があるとすれば、教国の上層部はこれらの件を一切知らないという状態で…。 彼の国の一部の者達による暗躍…と言うのが我々の調べた結果になっております」
そうだろうね。 エクスさんがまだこちらに居る以上は『国』としては敵意は無いだろう。
だが、内情としてはドロドロとしていそうな…。
「陛下、そのお顔はエクスさんをご心配なさっていますな?」
「当然だよ。 魔王と初めて対峙した時、エクスさんやガガルさん達が居なければどうなっていたか…。 あぁ、それとさ? 陛下ってのやめてくれないかな」
「そうですな。 それならば後ほど彼と話しをされてみてはいかがですかな? …では、旦那様とお呼びしますぞ」
「確かに旦那様は慣れてるけど、キングは俺の家族みたいなものだから、せめて坊ちゃんとかテイル様…くらいにして欲しいかな」
するとキングは困った様な顔をしてしまう。
「テイル様は分かりますが、坊ちゃんに関しては御当主に…王になられた方に言うのはなんと言いますか…」
「そ、そうだね。 まぁ呼び方は任せようか…。 で他にも話があるんじゃないの?」
「よくわかりましたな。 今、我々で調べている全ての国で違法奴隷が居るとの事でございます。 しかも、それが…」
「異種族…ね」
「中には爺の元同胞や、精霊なども存在する様で…。 しかも、相手は異様な魔力を持ち、遠目では測り切れない力を持っている様なのです」
人族で無いからと言って違法奴隷で雑に扱われて良いわけがない。
そして、敵の様子も不可解だ。
「ナールム様に少しお聞きしたかった事があるのでお呼びしました。 宜しいですか?」
「あぁ、構わないよ」
「先輩、話し込んでることごめんね。 今回の件は多分、この世界の悪神の影響だと思う。 魔神王が率いていた神達が…魔神王を失って暴走してる…みたいな」
「ナールム様、それであれば半神がほとんどを占めていたと思いますが…。 これほどの力は…」
「それは先輩の様に神格が上がったとみるべきかもしれない。 でも、これだけの事をしているのだから昔から水面下で暗躍していたのかも…」
なるほど、わからん。
「なら、なぜ異種族を排他する必要があると思う?」
「そこまでは…」
「でしたら、その者が元人族至上主義の人族…などではありませんかね?」
「キング、まさにその通りだと思う。 魔神王が何かしたか、別の要因かは分からないけれどね」
その刹那、扉が大きな音をたてて開かれる。
その人は良く知った元【暴食】だった。
「テイル! まずいぞ、各国の賊が手を組んで大規模な反逆を行うみたいだ!」
なんてタイミングでこんな事になるんだよ。
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