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第9話 お嬢様と当主様

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「シャルル様、お待たせしました」

「さくら、午後からも出掛けていたんだね」

「はい、『共生婚』の解消を出来るだけ早く済ませたくて…」

「ハハ…」

ちゃんと元パートナーと話をしたのかな?
どちらにしても可哀相な元パートナーです。

「それに、早速シャルル様達の戸籍を作ってきました。そうしないと日本ではパートナーにはなれませんからね」

「なるほどね…」

「もちろん、アイ様とマオ様は最初からシャルル様の奥方ですので『法律婚』で、私はパートナーとして『契約結婚』で届けさせていただきました」

「僕達の仕事上『共生婚』でも良かったんじゃ」

「それではダメです。私はシャルル様の為にこの身を捧げたいのです」
「『共生婚』にするといつかシャルル様に捨てられそうで…」

「そんなことしないよ。さくらが僕の為に頑張ってくれているのならね」

さくらは簡単にパートナーを捨てているのに…とは言いません。

「そうですよ、さくらさん。貴女の身体は覚醒したのですからオナニーを頑張って感度をあげるのです。そうすればご主人様も喜ばれますからね」

「はい、アイ様」

「何だかアイがどこかの教祖みたいだな」

「前の世界ではご主人様のパートナーの皆さんから師と崇められていましたからね」

「マスター、こっちでもハーレム王を目指しましょうよ」
「さくらさん、まずは日本をマスターの物に…」

「はい、マオ様…」

「マオ、さくら、ちょっと待って。百歩譲ってハーレムは分かるけれど国なんか欲しくないよ」

アイは『シャルル教団…』なんてワードも口にしています。
これから三人に任せるのがちょっと怖いな…。

「そうですか…、残念です」
「そうそう、シャルル様、今晩はこちらの温泉旅館に予約を入れておきました」

「ほぉ~、今晩は和歌山県か…」

温泉はいくつもありますが、南紀白浜のようです。



XX XY



「ふぅ~、気持ち良かった…」

【時空】を使ってアイ、マオ、さくらと順番にして、その後は自然と4Pに突入しました。
途中でファースト・スライムを僕に擬態させ、さくらに紹介した後5Pです。

さくらは二日続けてですし、イク度に気を失って今も別のベッドに寝かせています。

「あんなにイカせたらさくらもおかしくなるんじゃないか?」

二穴プレイ(サンドウィッチ)や尿道プレイもしたし、かなりハードな責めだったと思います。

「大丈夫ですよ~」

「この世界では最初が肝心ですからね」

「ところでマオ、この世界でスライムを作ろうとしたらどうしたらいいかな? マオの属性石も無いし…」

「そうですね…。この世界では電子部品は金属チップのようですし、金属に魔法が付与できると思います」

「なるほど。よく考えれば鉱石だものね」

そうすればやっぱり金かな…。

「アイはどう?」

「私も代替品があれば可能だと思いますが、膣内に入れる物ですからね」

「そうだね…」

今のところ精子を保管する必要は無いと思いますが、その場合は誰かに相談してみよう。



XX XY



「一宮さん…なのか…?」
「惚れた…」
「……」
「うそっ、若~い!」
「綺麗…」

「桂司組の皆さん、昨日はお疲れ様でした。回を重ねる度に戦闘は良くなっていますね」

「そんな事より、どうしてそんなに変貌したんだよ」

「一宮さん、付き合ってくれ!」

「変貌ですか? 愛というものを知ったからかもしれませんね。そう言うことで曜介君とは付き合えませんよ。フフ…」

「え~っ、一宮さんて結婚していたよね?」

「あぁ、それは離婚しました」

「そんな簡単に…」

「すみれさん、由香さん、現代の日本では一夫多妻、一妻多夫が認められているのですよ。それに私は結婚していたと言っても同棲レベルの『共生婚』でしたからね」
「今度はしっかり『契約結婚』をしましたから…」

「よく分からないけれど羨ましいよ~」

「すみれさんと由香さんもこの世界に戻って来られた以上いつかは結婚されるかもしれないことを理解しておいた方が良いですよ」

すぐに歳を取ってしまうのですから…。

「「はぁ…」」

「桂司君達も結婚できると良いですね」

「俺ならいつでもより取り見取りになるかな…。今の日本ならハーレムが作れるかもな」

「ハァ~、馬鹿ですか~!」

「えっ?」

一宮さんのこんなに冷たい目を見た事が無いぞ…。

「いえ、失礼…。目指すのは自由ですね…」

ハーレム王はシャルル様なのですよ。
本当に子供っぽい…。

「そ…それで、シャルル達は?」

「先ほどから外出されていますね」

「それじゃ、シャルル達の戦闘の様子を見せてくれ」

どうやって三人で1万を倒したんだ。

「もう凄かったですよ~。では、特別にこちらに映像を出しますね」



「なんだと…、圧倒的じゃないか…」
「ほとんど動いていないぞ」
「……」
「三人ともなんて火力なの…」
「シャルル様達、空を飛べるんだ…」

一部の人型を切り刻んだのは間違いだったかもしれませんが、火炎魔法や氷結魔法は広範囲で威力も凄く、タコもGも一瞬で消滅しています。

「もう、シャルル達がいれば本拠地も叩けるんじゃないか?」

「でも桂司、シャルル様はその為に呼ばれた気がしないって言っていたよ」

「すみれさんの言う通りですね。こう言っては何ですが、おそらく勇者5組の中でシャルル様達が最強でしょう。しかし、本当に別の使命を受けておられる可能性もありますから皆さんは気にせず行動して下さいね」

やっぱり、シャルル様はこの国のハーレム王になられる存在なのです。
女性の穴はシャルル様の為にあるのです。

「チェッ、なんだよ、それ…」

「それより一宮さん、私達にも若々しくなる方法を教えて下さいよ~」

「すみません。実店舗も無い予約の取れないエステなのですよ」

「そんな~っ」
(エステ…? じゃあどうやって一宮さんは施術を受けられたのかしら…)



XX XY



今、僕達は京都市内を観光中です。

さくらが戸籍を登録、銀行開設までしてくれたのでお金が使えるようになりました。
何でも勇者一人につき年間3000万円が支給されるそうです。
さくらは僕達に対して1億でも少ないと恐縮していましたが、今のところ衣食住に困っていないし、最高級の温泉宿にも無料で宿泊できているので文句はありません。

「改めて街を見ても本当に未来都市だな」

「でも、どの地域も似た様な物かもしれませんね…」

「そうだろうな…」

かつてのイメージに合わせると、例えば碁盤目の道で形成された一区画は数棟の大きなガラス張りのような建物で形成されていて、低層階に店舗やオフィス、高層階が住居になっているみたいです。

それに、一区画ごとに大きな広場や公園が設けられ、どこを見ても緑が豊かなのです。
まぁ、社寺仏閣以外にかつての京都らしい建物はありませんが、美しい街並みと言っても良いでしょう。

「マスター、この辺りはリーマンが多いですね」

「本当だね」

マオの言うようにこの辺りはリーマンが4、生身が6の割合ぐらいです。
かつてモニターを使ってのリモートワークがまさかアンドロイドを操ってリモートワークをする時代になるとは…。

「ご主人様、あのリーマン、女性型なのに本体は男性ですよ」

「うわっ、やっぱりそういうのもいるんだ」

周りを見るとその逆も見られます。

「マスター、あのリーマン、侵略者かもです!」

「何だって、こんな街中にいるのか!?」

「さくらさんもグレイがリーマンを使ってテロや誘拐をすると言っていましたよ」

「それにしても…。でも、一度目に付くと明らかに不審なリーマンだな。テロか? 誘拐か?」

「マスター、あの黒塗りのNOGカーの方に向かっているようです」

「みたいだな…」

その辺を飛んでいるタイプとは違い高級そうです。



XX XY



「お嬢様、買い物くらいは我々が…。どうしても出掛けられるならリーマンをご使用していただかないと何かあれば…」

「塔子、リーマンの使用は大人になってからでしょ。お母様もそう言っていたわ」

GC(NOGカー)を降りればすぐお店なのに…。

「お嬢様は特別なのですから…。だったら護衛を増やしてからもう一度…」

「大体、護衛を増やしたら余計に目立っちゃうじゃない」
「それに下着は自分で手に取って確かめないとね」

「くっ…」

それを言われると…。
お嬢様はまだ14歳なのに胸は私よりも大きく、日々成長されているようなのです。
購入時は毎回フィッティング(測定)されるのですよね。
屋敷から身体データを送って品物を取り寄せれば良いのに…。

「さぁ、行くわよ」

やっぱり学校帰りの道草には買い物よね。
その後でお茶でもしましょう。

「はい…」

『お前達が良い…、お前達にする…』

「何!? 何者だ!?(リーマン?)」



「ご主人様、狙いはあの二人のようです」

「なんだかヤバそうだな。先に行くよ【飛行】…」

大通りを駆け抜けても良かったのですが、地表を飛び交う乗り物で二人が隠れてしまいそうだったので【飛行】で向かいます。

『お前達…死ね…』

(……誘拐じゃなくテロか!?)
【結界】!

二人に襲い掛かろうとしたところでリーマンに透明の箱を被せるように【結界】で拘束します。

「お二人とも大丈夫ですか?」

そう言いながら二人の方に振り向いた時、【結界】内のリーマンが自爆しました。
【結界】の外には音も衝撃も伝わりませんが、自爆した破片と内側の道路が粉々になって【結界】内はもうもうと粉じんでくすんでいます。

「あわわ…、リーマンが爆発した…」

「な…何だったの!?」

このお嬢様風の女性は胆力があるなぁ。
ボディガード風のお姉さんの方が取り乱しているよ。

「大丈夫でしたか? 不審なリーマンに気付きましたので対処しました」

ゆっくりと歩いて来ていたアイとマオも僕の側に到着します。

「こ…こんなことが出来るって、もしかしてあなたは勇者様なのですか?」

「よくご存知ですね。僕達三人は勇者と呼ばれています」

「お、お嬢様、勇者様については国家機密ですから大きな声では…」

「そ…そうでした。では、これからお家に来て下さい。何かお礼を…」

《ご主人様、イベント発生ですね》
《マスター、テンプレなので付いていきましょうよ》

《やっぱり、そうかな…》

「では、私達も京都に来たばかりですし、ご迷惑でなければ…」

「そんな、私達の命の恩人なのですから当然の事です。このまま帰してしまったらお母様に叱られてしまいますよ」

「ハハ…」



NOGカーに乗せてもらうと、中は形状に沿ってソファになっているリムジンのようでした。
10人はゆったり座れるようになっており、自動運転なのか運転手もいません。

なぜかお嬢様を挟んで僕と護衛の人が座り、向かい側にアイとマオが座ります。

護衛の方が帰宅を指示すると、音も振動もなく発車しました。
錯覚だと分かっているのですが、この浮いている感覚には驚かされます。

「そう言えばまだお名前を伺っていませんでした」

「私はシャルルと言います。二人はアイとマオです」

「私は可憐、宝条可憐。こちらはお供の中里塔子です」



長く話をする間もなく宝条さんのお宅に着きました。
北山だと教えてもらいましたが市内から北の方角にある事ぐらいしか分かりません。

外観は寺社仏閣のような懐かしい建材を使った建物ですが、一歩中に入ると本部の様に近代的でした。
建物の一部は山に埋まっているそうです。

その屋敷の近くには大小の建物がいくつか建っていて警備員も多数見られます。

「大きな家だね~。本当にお嬢様なんだ…」

対策本部より厳重そうだな。

「シャルル様、お嬢様は日本七家の一家、近畿地方を統括されている宝条玲様の一人娘なのです」

「ここが七家の一つなんだ…」

それなのにお供が一人というのはどうだろうか…。
そう思ったのを察した里中さんは学校帰りだったと教えてくれました。



二人と一度別れると、メイドのお姉さんに案内され大きな応接室に通されました。
遠くに市内の街並みが見えて壮観です。

「何かとんでもない事になって来たな」

「イベントとはこんなものですよ」

コンコン、コン。
ガチャ…。

「皆様お待たせしました。当主の宝条玲様がお見えになられました」

(おぉ~、着物とは懐かしい)

日本に帰ってきた気がします。
僕達も一度ソファから立ち上がります。

気品が溢れゆっくりと歩みを進められる姿に見蕩れてしまいます。
なんだか儚げだなぁ。

「どうぞ、お気楽に…」



「この度は娘の可憐をグレイの操るリーマンから助けていただいたそうでお礼の言葉もありません」

「たまたま通り掛かっただけですから…」

「そんなこと…、勇者様達がおられなければ娘だけではなく周りの者達の命も無かった事でしょう」
「対策本部に確認しましたが、皆さんが先日来られた5組目の勇者様達ですね」

「はい、私がシャルルで、こちらがアイとマオと言います」

「皆さんリーマンの様に美男美女で驚きました」
「勇者様達の事は聞き及んでおりますが、こうして実際にお会いしたのはシャルル様達が初めてです」

「そうなのですか? 政府や七家の方々は勇者たちと面識があるのだと思っていました」

そういえば僕達もさくら以外の政府関係者には会ったことが無いな…。

「フフ…、七家の存在もあまり公にはされていませんからね」

微笑むしぐさが前世の母でありパートナーのルーシャに少し雰囲気が似ています。

宝条玲
性別:女
年齢:32歳
身長:164cm
体重:52kg
B:88cm
W:58cm
H:88cm
【処女】

(ブフォッ! また処女か。この国もヤバいな…。結婚はしていないのか?)

《ご主人様、処女ですよ》
《マスター、攻略です》

《マオ…》

「最初に来られた勇者様達の話を信じるのは大変だったと聞きます」

「そうですよね…、ハハ…」

1組目は誰か知らないけれど大変だっと思う。
5組目の僕達でも異質扱いだったからな…。

「さて、今晩は当家でゆっくりお寛ぎ下さい。この機会に皆様のお話も聞いてみたいですし、何かお礼も考えないと…」
「こちらの世界に戻って来られたばかりで分からない事が多いと思われますが、何かお困りの事はありませんか?」

「「ご主人様(マスター)」」

「でしたら、厚かましいお願いですが、少し金をいただけないでしょうか」

「そんな…、支給金が足りていないようでしたらお金でも構わないのですよ」

「違うのです。魔道具を作る為に必要となりそうなのでいただければと思いました」

「魔道具ですか…。興味深いお話ですね(ボソッ)」

かわいい仕草と小声で話されなくても部屋の入り口近くにいるお付の方までかなり距離があるので聞こえることはないでしょう。

「そう言えば、魔法アイテムと言う物には治療に使う物があると聞いたのですが、そんなに簡単に治せる物があるのでしょうか?」

「確かにポーションと言われる物があるかもしれませんね。私はそういったアイテムを持っていませんが他の勇者たちは持っているかもしれませんね」
「体力や魔力を回復したり、怪我や毒などの状態異常を治すそうです」

「そ…そうでしたか…」

「もしかして、どこかお悪いのですか?」

明らかに少しがっかりされたのが分かりました。

「お気になさらず…」

「誤解があったかもしれませんが私はアイテムは持っていませんが【治療】魔法は使えますので遠慮なく言ってくださいね」

「は…い…」
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