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第4章 ルシアの攻勢
6 ルシアの皇国本土上陸
しおりを挟む越後の国・新潟津
「おかしい。」
「何が?」
「佐渡からの定期連絡船が時間になってもこない。」
「おい、あれじゃないか?」
「そう言ってるうちに来たか。」
「ち、違う。ものすごい数だ。ル、ルシアだああ。皇国軍へ通報しろお!隻数?わかるかそんなもん。大艦隊だ。海を埋め尽くしている。船が7、海が3だ。早くいけえ。」
フリゲート艦を露払いにして、兵員運搬船の群れが押し寄せる。既に佐渡は占領。佐渡と新潟津の定期航路の船頭を捕虜にしている。船頭を水先案内人にして、新潟津の船着場を占領するつもりだ。もちろん、新潟津だけでなく、あらゆる海岸線に向けてカッターに乗り込んだ兵どもが押し寄せる。
皇国越後領主上杉景勝、完全に不意をつかれた。護国省から注意喚起を受けてはいても、実際に越後に来るとは思っていなかった。抵抗らしい抵抗もなしに船着場は占領され、次から次へと兵を吐き出す。船着場が占領されたのは致命的だった。大型装備をおろせるからだ。
春日山城 上杉景勝
「新潟が占領された?関白殿下に報告。近隣に警報及び救援要請。物見を放て、敵勢を探れ。」
上杉120万石の苦難の始まりであった。
護国省参謀本部 豊臣秀安
「越後?博多じゃなく?げえ、大至急博多の戦力を・・・、待て情報庁を呼べ。朝鮮半島のルシアの戦力配置を調べろ。とりあえず戦力の半分だけ移動させろ。急げ。繁信を呼べ。」
参謀本部は蜂の巣をつついたような状態となった。
「真田少将が到着されました。」
「おお、来たか。大変なことになった。佐渡がやられて越後の新潟に上陸された。」
「てっきり博多だと思っておりました。おそらく越後に来たのは全軍じゃないと思います。朝鮮にはまだ大軍がいます。どっちが陽動かまだわかりません。数を確認しないと。博多からの戦力の半分移動は正しい判断かと思います。アーネン・ニコライが朝鮮にいるのか、皇国に上陸してるのか調べないといけません。」
「アーネン・ニコライがいる方が本隊というわけだ。」
「その通りです。」
「博多から松本まで鉄軌道が通っていて良かった。部隊が迅速に移動できる。」
「ルシアはウラジオストック艦隊を回航する時間が、皇国は鉄軌道を敷設する時間をお互い稼いだということですね。」
「参謀長、移動戦力の抽出は終わったか?」
「はっ、越後方面軍、諸兵科協働編成の5個師団、7万5千、直ちに移動を発令します。」
「元帥、小官を越後方面軍の参謀長にして下さい。ルシアの越後侵攻軍を防ぐ秘策があります。」
「ほう、参謀長どうだ?」
「真田少将、その秘策とはなんだ?」
「火力の楽園です。」
即日越後方面軍の陣容が発表された。
司令官 石田大将
参謀長 真田少将
博多から信州への兵力の逆スイングが始まった。
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