大砲と馬と 戦術と戦略の天才が帝国を翻弄する

高見信州翁

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第5章 混乱

2 越後討ち入り

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松平勢が上野の国から越後に討ち入る。沼田を抜け、越後に入る。魚沼、小千谷。平野部にはいっても迎撃はない。長岡、三条。

    三条で接敵。街と田んぼの狭間の平野部だ。松平軍15万。対するルシアは既に大陸軍の全軍が上陸を終えていた。総勢21万。3万を港の守りに残し、18万が待ち構えていた。元々アーネンは遠出をするつもりはなかった。それでなくとも兵站は海越えのせいで悲鳴を上げている。物資の集積が終わるまで時間を稼ぎたかった。敵が向こうから来てくれるのなら歓迎だった。ん?21万が全軍じゃなかったのか?ウラジオストックと朝鮮の守りを残していないのか?イヤイヤ、そんなはずはないだろう。実は朝鮮とかから現地徴発した奴隷兵みたいなものを連れて来ている。3万を大陸側の守りに残し、代わりに奴隷兵3万を皇国に連れて来ている。なので数は減っていないのだ。

    「クツーゾフ、敵将は何と言った?」

    「マツダイラ・イエミツです。皇国で一番大きい大名家です。」

    「あれだろ?例のヤスモトの親だな。」

    「さようです。」
 
    「じゃあ、あれだ。ヤスモトも連れて来てるんだろうな?」

    「連れて来ております。」

    「ふ~ん。」

    「?」



皇国軍越後方面軍真田繁信

    「松平勢が越後に入った?」
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