ダイヴのある風景

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第三章

第三章 ⑦

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「たとえば町で、あなたはなんというグループに属しているんですか、って誰かに聞かれてみろ。そのとき、胸を張って『生ハム組です』と言えると思うか? くそ。間抜けもいいとこだ」
「聞かれないでしょ、普通」冴子が小さな声で言った。
「まあ、ざっと俺たちの状況を説明すると、そういうことだ」
「ねえ。ちょっと聞きたいんだけど」と僕は生ハム組の面々を見る。「ダイヴィングの制度、知ってますよね? それに関してですけど、あなたたちの町、つまり浮葉町のダイヴ者が最近増えているんですよ。こっちの落葉町で。僕たちが回収するだけでも、かなり含まれているし、その理由について公にはなにも発表されていないんですよ。っていうか、故意に発表をしていないような気もするんですけど。これについて、なにか知りませんか?」
「へえ。そうなんだ。いや、それに関しては、俺は知らないな。みんなはどうだ?」ジャックが生ハム組のメンバーを見回した。みんな首を振った。
 これはもう、隣町へ行ってみるしかないかな、理由を知りたければ。
 僕がそう思ってふと横を見ると、冴子が目を輝かせて微笑んできた。こいつ、完全に行く気でいるな。
 そんなことを考えていると、僕の頭の中を見透かしたかのように、冴子がこっちを見た。
「もちろん、行くしかないでしょ。まさか、反対する気じゃないでしょうね」
「映画なんかだと、冒険好きな美少女は必ず危険な目に遭うことになっているんだけど」
「誉め言葉のほうを優先して受け取っておくわ」
「おいおい、そこで二人して、なに恋人ごっこをやっているんだ」信良がにやにやしながら言う。「俺たちを忘れちゃ困るねえ」
「そうだよお。信ちゃんとあたしだって、浮葉町へ行ってみたいんだからあ」そう言って、花江は信良にしがみついた。
「お、おい。もっと離れろ花江」
 焦る信良に、僕は反撃を試みる。「二人して、なに夫婦ごっこをやっているんだい」
「祥一、それは言わない約束じゃあ。あっと、花江、今のは祥一のつまらんギャグでさ、こら、落ちつけ花江」
 追いかけごっこをやり始めた二人を。ジャックが見て大笑いする。
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