56 / 89
56
しおりを挟む優は頭もいいし優しいし可愛いしかっこいい。出来すぎる息子だなと常々思っていた。
だから俺はびっくりした。
音楽の授業で張り切って歌っている優。
・・・ちょっとみんなと音程ズレてる、よな?こっちをチラチラ見ながらも歌っている様子は可愛い・・・しかも、ちょっと音痴なのもこれまた可愛い。最高。
優の苦手なことを知れたのはかなり嬉しい。苦手なものとかは知ってきたけど、俺に褒められたいのか学校でのことはすごいことばかり報告するから。
「はい、みんな上手に歌えましたね。親御さんたちからも大きな拍手をお願いします。」
先生がそう言った直後来ていた父母からは大きな拍手が子供達に送られた。俺も優のクラスの子達に向かって出来るだけ大きな拍手をした。
「それではこのあとは昼休みになります。昼休みは食事時間と自由時間合わせて1時間です。親子で一緒に食べてもいいですし、お子さんと親御さん別々で大丈夫です。今日はオープンスクールなので親御さんは一度帰宅されて5時間目に来られても大丈夫です。クラスのみんなは5時間目は体育なので体操服に着替えて体育館に集まってください。」
先生のそんな指示があって解散となった。
「ママ!ご飯一緒に食べたい!!」
「じゃあ一緒に食堂行こうか。」
「うん!!」
優と一緒に歩き出すと、
「優~俺たちは~?」
「俺らも一緒がいい~」
2人の男の子が話しかけてきた。1人は眼鏡をかけている子で、もう1人はクラスの中で1番背が高いであろう子。
あ、この子達もしかして・・・
「優、友達?」
「・・・うん。メガネが一真、アニメオタク。背デカいのが弘樹、アイドルオタク。俺の友達。」
「一真君に弘樹君、いつも優と仲良くしてくれてありがとうな。」
「優のママですか?いっつも優が自慢してる。」
「優いっつも自慢してくれてるの?うん、俺が優のママだよ。」
いつも自慢してくれてるなんて嬉しいな。なんて思って横を見ると少し恥ずかしそうにしている優がそこにはいた。
「こら弘樹!優君のところの邪魔しないの!!」
「一真お前もこっちにおいで、飯行こう。」
おそらく2人の親であろう女性と男性がこちらへやってきた。
「ママ、一真と弘樹のお母さんだよ。」
ママってことは、一真君のママはきっと・・・
「初めまして、いつも一真がお世話になってます。弓谷直人と言います。ご察しの通りΩです。子供同士も仲良いですし、これから仲良くしてもらえれば幸いです。」
「私は弘樹の母親の水戸由香里と言います。私もΩなんです。これから仲良くしてくださいね。」
人生でほとんど出会ったことのなかったΩの人と一気に2人も知り合えるなんて思ってもみなかった。
そのまま流れで6人で昼食を取ることになって食堂へ向かった。この学校の食堂は全学年が利用するが親が来ても座れるくらいの座席数がある。先に席を確保しておいてそれぞれ食事を買いに行くことにした。
「優、何食べる?」
「んー、日替わりにする。」
「俺もそれにしよっかな。」
今日の日替わりランチはアジフライだって。1ヶ月間毎日違うメニューらしくて、あったかくて美味しいんだって優が言ってたからちょっと楽しみにして来たんだ。
優の分と俺の分を両方持って席に戻るとまだ誰も戻ってきていなかった。優と2人で待っている間も優はずっと俺の手を握ってきていた。
「どうした?なんかあった?」
「ううん、ママが学校にいるのが嬉しくてこうしてたいだけ。だめ?」
「そんなことない、俺も嬉しいよ。今日の帰りも楽しみだな。」
今日の帰りは優と2人でデートをする約束だ。学校帰りにケーキ屋さんでイートインして今日の夕飯の材料を買って帰るだけだけど、学校の帰り道にってのがいいんだよな。
「あらあら、素敵な親子ね。思わず見惚れちゃうわ」
「本当に、優君がこんなに嬉しそうに楽しそうにしているのは初めて見たな。」
「あ、弓谷さん、水戸さん。」
一真くんと弘樹君は日替わりランチ、弓谷さんと水戸さんはうどんにしたみたいだ。
「「「いただきます!!」」」
あ、美味い。副菜もたくさんあるし野菜もたくさん。かなり栄養考えられて作られてるんだな。
「ママどう?美味しい?」
「うん、美味しい。優いいな、毎日こんなに美味しいご飯食べられて。」
「・・・俺ママのご飯の方が好き。」
やばい、他の人もいるのににやけてしまう・・・
「今日の夕飯、なんでも好きなもの作ってやるからな。」
「本当に仲がいいね、2人は。一真にもそんなこと言われてみたいもんだよ。好き嫌いばっかりで夕飯に文句ばっかりなんだから。」
「うちなんて肉じゃないと食べないとか言い出すのよ?お寿司は喜んで食べるのに。」
「そうなんですか。・・・あ、あの!俺のこと、嫌に思わないです、か??その、、いろいろ知ってると思いますし、、、。」
思わず聞いてしまった。気になってしまったから。ニュースでもそうだし、噂なんてすぐに広まるだろうから何か思ったりしたんだろうか。それが優の交友関係に関わってしまったらどうしよう。そう不安になったから。
「「はははっ!!」」
2人は顔を合わせて笑っていた。
???笑うとこあったっけ?
1,252
あなたにおすすめの小説
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
僕はただの平民なのに、やたら敵視されています
カシナシ
BL
僕はド田舎出身の定食屋の息子。貴族の学園に特待生枠で通っている。ちょっと光属性の魔法が使えるだけの平凡で善良な平民だ。
平民の肩身は狭いけれど、だんだん周りにも馴染んできた所。
真面目に勉強をしているだけなのに、何故か公爵令嬢に目をつけられてしまったようでーー?
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
冷酷なアルファ(氷の将軍)に嫁いだオメガ、実はめちゃくちゃ愛されていた。
水凪しおん
BL
これは、愛を知らなかった二人が、本当の愛を見つけるまでの物語。
国のための「生贄」として、敵国の将軍に嫁いだオメガの王子、ユアン。
彼を待っていたのは、「氷の将軍」と恐れられるアルファ、クロヴィスとの心ない日々だった。
世継ぎを産むための「道具」として扱われ、絶望に暮れるユアン。
しかし、冷たい仮面の下に隠された、不器用な優しさと孤独な瞳。
孤独な夜にかけられた一枚の外套が、凍てついた心を少しずつ溶かし始める。
これは、政略結婚という偽りから始まった、運命の恋。
帝国に渦巻く陰謀に立ち向かう中で、二人は互いを守り、支え合う「共犯者」となる。
偽りの夫婦が、唯一無二の「番」になるまでの軌跡を、どうぞ見届けてください。
昔「結婚しよう」と言ってくれた幼馴染は今日、僕以外の人と結婚する
子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき
「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。
そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。
背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。
結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。
「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」
誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。
叶わない恋だってわかってる。
それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。
君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる