111 / 189
6
お祝い
しおりを挟む今日は、れおんの誕生日。
早く学校終わってくれって。そう願うばっかり。
この1週間も変わらずいじめは続いていて、僕が階段から突き落とされたことは流石にやりすぎたと思ったのか手を出されることは無くなったが日に日に机の中に入れられる紙や落書きの言葉はひどくなっている。
その中でテストは変わらず1位を取り続けているのが僕の抵抗だ。
それに、今は、1人じゃないから。
「増田くん、今日彼氏さん誕生日なんでしょ?なにするの?」
「えっとね、手料理作ってお祝いする。」
「えーーすごい!!成功するといいね。」
「うん、頑張る。」
「あ、ホームルーム始まっちゃうね!」
急いで席に戻って行く鈴木くんが僕の近くにいてくれるから学校にまだ来れていると思う。僕の近くにいるせいで鈴木くんもいじめにあったらどうしようって思っていたけど、彼らの標的は僕だけみたいで今のところ鈴木くんが何かされている気配はない。
翔くんは昨日から学校に来ていない。
まだ話せてないから、1日でも早く話したいんだけどな。
昨日送った体調悪いの?大丈夫?お大事にね!というメッセージには既読すらつかない。
仕方ないことだとわかってはいても少し、悲しくなってしまう。
キーンコーンカーンコーン
「ではまた月曜日に。」
終わった!!
「増田くん!途中まで一緒に帰ろ!」
「うん!!」
ここ最近知ったこと。鈴木くんの家は僕の住んでいるところからすぐの場所だということ。最近は行きも帰りも一緒に登校している。
「今日は早く帰って彼氏さんの誕生日の用意しなきゃだもんね!」
「うん。頑張るんだ。」
鈴木くんと過ごす日々は楽しくて、でもどこかで翔くんと急に仲違いしてしまったように、何かがきっかけでまたよくないことが起こるかもしれないってそう思ってしまう自分もいて嫌になる。
聞こえてくる暴言や冷たい目を背中に受けながら教室を出る日々も少し慣れてしまって、話しかけても無視されることも慣れてしまった。
この1週間で、余計に実感してしまった。
「じゃあね!また月曜日!!頑張ってね!!」
「うん、ありがとう!!また月曜日!」
暗いこと考えるな!!今日はれおんの誕生日なんだ。
朝は夜仕事を終わらせるために僕が起きた時にはもう仕事に行っていて、直接言えなかったおめでとうを早く言いたい。
料理も頑張るぞ!!!
あ、プレゼントってどのタイミングで渡せばいいんだろう。ご飯の前?ご飯の後?寝る前?
んー、誰かに聞いておけばよかった。サプライズなんてするの初めてだから成功するか不安しかないや。
73
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
両片思いの幼馴染
kouta
BL
密かに恋をしていた幼馴染から自分が嫌われていることを知って距離を取ろうとする受けと受けの突然の変化に気づいて苛々が止まらない攻めの両片思いから始まる物語。
くっついた後も色々とすれ違いながら最終的にはいつもイチャイチャしています。
めちゃくちゃハッピーエンドです。
「オレの番は、いちばん近くて、いちばん遠いアルファだった」
星井 悠里
BL
大好きだった幼なじみのアルファは、皆の憧れだった。
ベータのオレは、王都に誘ってくれたその手を取れなかった。
番にはなれない未来が、ただ怖かった。隣に立ち続ける自信がなかった。
あれから二年。幼馴染の婚約の噂を聞いて胸が痛むことはあるけれど、
平凡だけどちゃんと働いて、それなりに楽しく生きていた。
そんなオレの体に、ふとした異変が起きはじめた。
――何でいまさら。オメガだった、なんて。
オメガだったら、これからますます頑張ろうとしていた仕事も出来なくなる。
2年前のあの時だったら。あの手を取れたかもしれないのに。
どうして、いまさら。
すれ違った運命に、急展開で振り回される、Ωのお話。
ハピエン確定です。(全10話)
2025年 07月12日 ~2025年 07月21日 なろうさんで完結してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる