【完結】全てが嫌いな不憫Ωの少年が初恋相手のスパダリαに愛される?ふざけんなお前のことなんか大っ嫌いだ!

にゃーつ

文字の大きさ
113 / 189
6

悪魔 れおんside

しおりを挟む


目が覚めると、真っ白な病室にいた。

ここは、、どこだ?病院?


「目が覚めましたか?」

「ここ、は、、?」

「昨晩、ラット状態で運ばれたんですよ。怪我されてたので、手術もしてますからね。この後先生から説明あるので少し待っててください。携帯電話等持ってなかったのでご連絡とかできていませんが、こちらからご連絡しましょうか?」

「さ、昨晩、、、、?っ、、!!!」

「ちょっと何してるんですか!いきなり動いたらダメですよ。」

勢いよくベッドから降りようとしたら腕に激痛が走る。視線を落としてみると左腕が包帯で巻かれている。

「ラット状態だったから覚えてないかもしれないけど、理性保つために自分の腕を何箇所もかなり強く噛んでて30針も縫ったのよ!!」

「周のところへ行かなくちゃ行けないんですっ!!!今すぐ行かなきゃ、」

暴れる俺は4人がかりで押さえられ、検査だなんだされ、帰路に着くことができたのは昼過ぎだった。


どんな顔して変えればいいんだ。玄関の前に佇む。

今から帰るとメールをした直後に返ってきたのは

---直接おめでとうって早く言いたい。一緒にれおんの誕生日祝えるの幸せ。気をつけて返ってきてね。---

という周の優しさが溢れた文だった。

早く帰りたいといつも以上にドキドキしながら帰宅し、あと5分ほどで自宅に着くという時だった。


ブワッッと匂いが広がる。

本能が反応する匂い。この匂いはあの子のものだ。運命の番のもの。でも、俺の愛しい人の匂いではない。

だがこれまで嗅いだことのないような強力な匂いに反応が鈍り、腕にチクリと刺されたことに気づいた時には遅かった。すぐに払ったが、動いた途端身体が熱くて仕方ない。振り返るとおそらくαであろう男が注射器を持っていた。

何を打たれた?
何が起きているのかわからないままただただ熱が上がるような感覚がする。

匂いが強くなってくる。

「れおんさん、僕たちは運命なんですよ?ね?」

そう言って発情し切った顔でに近づいてくる男が悪魔に見えた。

「なに、、、を、、打ったっ、、はぁ、、、」

「それね、αのラットを誘発させるお薬です。違法なものだから超強力ですよ?もう耐えられないでしょ?ね?僕を抱いて?」

俺の求めるのはこの匂いじゃない。なのに、体が反応する。理性が、、薄くなっていく。

周、、、っ、、

いつのまにかαの男が消えていて、目の前の悪魔が服を脱ぎ始めたところまでは覚えているがその後の記憶は飛んでいる。

病院で未遂に終わったことを教えてもらった後、打たれた薬の検査とΩが起こしたレイプ事件として警察から事情聴取をされた。

俺が被害者だとかそんなことどうでもいい。1番の被害者は俺じゃない。

この扉の先にいる俺の1番大切な人が、1番傷ついている。

あの悪魔が言っていた。

「周くんには僕から教えてあげます。れおんくんと僕が今どうなってるかね。」

カメラのシャッター音もなっていたからおそらく写真を送られている。
ラット状態になっている俺を見て、何を思った?

この扉を開くのが怖くて仕方ない。


それでも、開けなければいけない。何よりも緊張する瞬間だった。



しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

「オレの番は、いちばん近くて、いちばん遠いアルファだった」

星井 悠里
BL
大好きだった幼なじみのアルファは、皆の憧れだった。 ベータのオレは、王都に誘ってくれたその手を取れなかった。 番にはなれない未来が、ただ怖かった。隣に立ち続ける自信がなかった。 あれから二年。幼馴染の婚約の噂を聞いて胸が痛むことはあるけれど、 平凡だけどちゃんと働いて、それなりに楽しく生きていた。 そんなオレの体に、ふとした異変が起きはじめた。 ――何でいまさら。オメガだった、なんて。 オメガだったら、これからますます頑張ろうとしていた仕事も出来なくなる。 2年前のあの時だったら。あの手を取れたかもしれないのに。 どうして、いまさら。 すれ違った運命に、急展開で振り回される、Ωのお話。 ハピエン確定です。(全10話) 2025年 07月12日 ~2025年 07月21日 なろうさんで完結してます。

6回殺された第二王子がさらにループして報われるための話

さんかく
BL
何度も殺されては人生のやり直しをする第二王子がボロボロの状態で今までと大きく変わった7回目の人生を過ごす話 基本シリアス多めで第二王子(受け)が可哀想 からの周りに愛されまくってのハッピーエンド予定 (pixivにて同じ設定のちょっと違う話を公開中です「不憫受けがとことん愛される話」)

処理中です...