133 / 189
7
平凡な日常
しおりを挟む平凡な日常が戻ってきた。
あの日以降何か大きなことが起こることもなく、れおんは先週から通常勤務に戻った。怪我をしていたのに僕のこと助けてくれたり僕を抱えたりして負担がかかってて治りが遅くなったみたい。重いもの持つとさすがに痛むみたいだけど日常生活では痛みはないみたいだった。
あの後教えてもらったことだけど、僕が編入する前翔くんはベスト3に入る成績だったそうだ。だから僕の成績に対しても思うことがあったんだと思う。いろんなことが重なってああなってしまったんだろう。
翔くんと最後に会った後学校へ行くと彼がいたことが夢だったかのように普通の学校生活に戻っていて僕の心はすぐには追いつけなかった。
ハルヒや神谷くんと話していても教室の中に翔くんがいるんじゃないかと思って目線をキョロキョロしてしまう。
そんな僕に気づいていたれおんが毎日毎日僕の話を聞いてくれた。最近ようやく、翔くんのいない学校生活に慣れてきた。
「周!夏休み遊びに行こ!」
「え!行きたい!!」
今日は期末テスト最終日。午前中にテストは終わったが午後には授業があり、テストの返却もある。
そして、後1週間で夏休みが始まる。
「・・・いや待て、お前らだけで出かけたら誘拐されそうだ。」
神谷くんが真剣な顔をして止めてくる。
「僕たち高校生だよ?それに、危なそうなところはいかないし。」
「お前ら2人ともΩであることを自覚しろ。」
「じゃあさ!僕の家くる?神谷くんもさ!」
「ハルヒの家?行ってみたい!!兄弟もいるんでしょ?」
ハルヒは7人兄弟。弟と妹が3人ずついるって言ってた。そんな大家族初めて見るからワクワクだ。
「番さんに聞いてみてよ!」
「うん!れおんに聞いてみる!」
「番さんが不安なら番さんも一緒に来て良いからね!」
「ほんと!ありがとう!!!」
初めてのちゃんとした夏休み。れおんともデート行きたいな。お仕事忙しいかな。
「俺も言っていいの?」
「・・・うん。いいよ。」
この2人、最近なんかいい雰囲気なんだよね。ハルヒの顔真っ赤だし。
僕と仲良くしてくれてる2人が恋人になったらすっごく嬉しいな。
そう思いながら話しているとチャイムが鳴って午後の授業が始まった。
今日家に帰ったられおんと夏休みのこと話してみようかな。テスト結果も報告して、今回も一位取れてたら褒めてもらいたい。今日金曜日だし、れおんとイチャイチャできるかもだし。
やば、れおんのこと考えたらドキドキしてきちゃった。授業に集中しなきゃなのに。
どんだけ考えないようにしても一度考えてしまうと何度も何度も頭の中にれおんとのことが浮かんできて、テスト結果の返却の時までれおんで頭がいっぱいだった。
応援ありがとうございます!
2
お気に入りに追加
1,495
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる