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【第一部】 1章
7 連side
屋敷の千秋の部屋は側近用の部屋の1番奥に部屋を変えた。家具も全て変えて、あの日々をできるだけ思い出さないようにした。
俺たちは1日3回は千秋の部屋を訪れるようにした。
眠りが浅い時は扉を開けただけで飛び跳ねるようにしておきあがり、ごめんなさいと言っていた。
眠っている時も丸くなり頭を抱えて眠っていた。明が言うには虐待されている子供にはよくある寝方だそうだ。
不幸中の幸いだが、千秋の目は少し視力が落ちたが日常生活に問題はない程度だった。
失明の可能性もあったと思うと冷や汗が出る。
入院中、海には千秋に近づくなともう一度言い聞かせた。翔太を処罰したことで本気だと気づき、あれからは千秋の話題も出してない。
ガキももう産まれる。
千秋がこんな状況の時に屋敷内の環境も変わっちまう。すまねえなあ、千秋。
--ドタドタッ
「若っ!!!」
「なんだ蒼真、騒がしいぞ屋敷内で騒ぐんじゃ「千秋が喋った!!!!」なんだと!!」
涼也と京平も連れて千秋の部屋へ急ぐ。
「千秋!!」
「・・・若。」
表情は相変わらずない。名前呼んだだけだ。でも、ごめんなさいしか話してなかった千秋が、名前呼んだんだ。それだけで、一歩前進だった。
「食べたいもんとかあるか?」
--フルフルッ
焦るな俺。少しずつだ。少しずつ。
部屋を出る時、なんとなく頭を撫でてやろうとすると一瞬顔が強ばり、腕を頭に持っていこうとしていた。
俺やこいつら相手でもまだ怖いみたいだ。
でも撫でてやれば大人しく撫でられていた。
俺らはお前を殴らねえよ。そう言ってやりたい。でもきっと分かってくれないんだろうな。
その日の深夜
「千秋が名前を呼んでくれるようになったのは良かったですね。少し前進というところでしょうか。」
「あぁ、だが、自傷行為はおさまってねえ。腕に薄い傷が増えてた、あれは多分ハサミだな。」
「放っておいていいの?部屋から刃物無くした方がいいんじゃない?」
「いや、いきなりなくすとパニックになるんじゃねえか?」
「あぁ、パニックになってもっとガッツリやっちまう可能性あるから寝てる間に消毒とかしてどうにかするしかねえよ。」
--プルルルッ
着信 海
屋敷内でかけてくるってことは、
「海?どうした?」
「蓮、、陣痛、、きたぁ、、」
ガキが産まれる。
初産の海は双子なのもありかなり時間がかかった。だが元気な男の双子を産んでくれた。
武田 嵐(あらし)、武田 空(そら)
こいつらが生まれてこの環境はどうなっていくのかわからねえが、なんとも言えねえ感覚だった。
俺の息子達だ。
「ありがとな、海。」
組にとっても俺にとっても海にとっても大切なこいつら。こんな小さな命を目の前にして余計に、千秋のことも守ってやりたいと思う。
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