【完結】優しくしないで

にゃーつ

文字の大きさ
22 / 199
【第一部】 2章

11

目が覚めた瞬間にわかった。

空がそばにいて、空が話しかけてくれてたけど、
頭の中を占めるのはひとつだけだった。


「死ねなかった。」





「ちーは死にたいの?」

「うん。もう死にたいんだ。」

「じゃあ僕と一緒に死ぬ?」


え?


「なんで?空が死ぬ必要なんてないよ。空は生きてよ」

「ちーが死ぬんだったら僕も死ぬよ?当たり前でしょ?」

空が、泣いてる。

「ちーがいなくなったって聞いたとき、本当に怖かった。ちーがしゅじゅつしてるあいだも、こわかった。ちーをみとるかくごしろっていわれたときも、怖かった。」


そらは俺のせいで泣いてるの?

「千秋、お前が目覚めるまでこいつはずっとそば離れなかったんだぞ。」

「若、、。空、そ、ら、」

「ちーほんとのこと言って?なんで死のうとしたの?」

なんで、なんで死のうとした。

「、、っっ、だ、だって、空に、空にもう会えないなら、ならもういっそ、今の幸せな思い出がっ、、ある、まま、死んじゃったらっっ、ぅぅ、楽かなっておも、思ったんだ。」

「僕がちーのそば離れるわけないじゃん!ちーのばか!!!」

「空、ごめんなさい。空、空」


「千秋、海から聞いた。」

ビクッ

そう。海さんは空の母親。その人からもう会うなって言われたんだから、やっぱり会えないんじゃ。

「すまなかった。千秋に落ち度はねえ。非はこちらにある。」

若が頭下げてる。

「若!やめてください!俺なんかに頭下げないで」


「千秋、俺の住んでる離れをでて、敷地内に今は使ってない離れがあるんだ。そこで暮らさねえか?」

「使ってない、離れ?」

「あぁ、海と顔を合わせねえように、そこなら基本的に誰もこねえ。昔じいちゃんが愛人に使わせてたらしくて広くはねえがキッチンも風呂もトイレもある。住むには十分だ。今回と5年前の俺からの詫びとしてそこに暮らさねえか?もちろん、俺や涼也たちは顔を出す。」

「僕は!!」

「わかったわかったお前も入るの許可してやるから」

空もきてくれる。

「俺なんかがそこに住んでいいの?」

「あぁ、敷地内といっても本宅からも俺の屋敷からも相当離れてるしもう何十年も使ってねえから掃除するとこから始めなきゃいけねえけどな。」


「そこに住む。」


あの屋敷は思い出があるから離れるのは少し寂しいけど、海さんと、もう会いたくない。


「その前に体力回復が先だ。」

あ、明先生

「千秋、よく頑張ったな。体の傷も無くなってんじゃねえか。えらいぞ。」

明先生に褒められた。

「そうだ、千秋、17歳になったことだし、高卒認定試験受けませんか?」

「なにそれ?」

「試験を受ければ、高校を卒業したのと同じ資格が得られるんです。千秋の学力なら余裕だと思います。その資格があれば受けれる資格も増えますし、大学にもいけます。」

「若の役に立つ?」

若の役に立つなら受ける。
立たないなら受けない。

「役に立つ立たねえじゃなくてお前が受けたいかで決めろ。まあ、あったら得だとは思うぞ」

「なら受ける」


退院したらまた勉強して、春に受けることにした。
今日1日でなんだか新しい人生でも始まるくらい状況が変わった。
感想 25

あなたにおすすめの小説

俺は夜、社長の猫になる

衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。 ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。 言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。 タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。 けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

【短編集】こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科 空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する 高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体 それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった 至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する 意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク” 消える教師 山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中