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【第一部】 5章
18 空side
「お前たちに話しておきたいことがある。」
久しぶりの実家での食事の後、父さんが真剣な顔でそう言った。
父さんの横には蒼真だけが座っていて、京平やいつも当座の隣にいる涼也も、ちーも、俺たちと同じ父さんの真正面に座る。
父さんの口から話される話は想像もしていないものだった。
「俺たちの組では薬はご法度だ。やることはもちろん、売買も、関わることすら禁止だ。だが、最近一部で薬が出回ってる可能性があって相馬に調べてもらっていた。俺たちの傘下は日本全国だ。ひっそりと見つからないように調べるにはかなり時間がかかったが、1つの組にたどり着いた。
中野組だ。」
え、、、。
中野、組?
「おい!中野組って!そこは!」
嵐が立ち上がって父さんに問う。
「そうだ。お前たちの母親の海の実家だ。」
こんなことがあるのか。
本家の若頭に嫁いだ女の実家が組を裏切るようなことをしたっていうのか。
それに母さんは
「あのババアはそれ知ってんのか?」
「知らないだろう。とは言えん。海を実家に帰して少し経つが連絡もない。時期姐でもあり極道で育ってきたやつが実家の変化に気づかないわけがない。それでも何も言ってこないところを見ると、もともと知っていたのか。知ったが黙認しているのか。それか、連絡が取れないような状況なのか。だ。」
母さんに何かあったかもしれない。ってことか。
「その点は蒼真に調べさせると同時にスパイを送り込む。」
そこからはこれまでに調べた情報や今後の流れ、可能性、たくさんのことを頭に入れた。
僕はこの家に生まれてから一度も大きな抗争も組内の揉め事もなかった。
極道の家で育ちながらも比較的平和な日常を過ごしてきていた。
これが僕の生まれた家なんだと、今そう思う。
「嵐、空。最悪の場合、俺は自分の嫁であっても容赦なく罰するぞ。お前たちにとって母親なのに変わりはないがそこは覚悟しておいてくれ。」
「別にいいよ。ちーのこと認めないやつなんて母親だと思いたくないから。」
母さんがちーに暴言を吐いてちーがこの世から消えそうになったあの日から僕の中であの人は母親ではなくて僕から大切なものを奪おうとする化け物にしか見えていない。
「俺も特に気にしねえ。
・・・・・・・。」
「嵐、どうしたんだ。何か思うことがあるなら言ってくれ。将来俺の後を継ぎたいと思っているお前だからこそ、今回の件には関わって欲しいしお前の意見も聞きたいんだ。」
「別にあのババアに対して何か思ってるわけじゃねえんだけど、小さい頃のこと思い出して。
あいつ一時期ずっと同じ女と会ってたんだ。」
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