85 / 199
【第一部】 6章
7 嵐side
---パンッ
---パンッ
2発の銃声が鳴った。
撃たれたのは、空だ。
落ち着け、空なら大丈夫だ。
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!そら、そらぁぁぁぁぁぁぁぁ、」
ババアが叫んでいる。ちー撃とうとしたら空撃っちまったんだからな。
俺はすぐに銃をかまえて2人の前に出た。
ここで俺までパニックになったら俺もちーも撃たれる。落ち着け。
ちーがパニックになっているのがわかる。
ここにいるはずのねえ空が血出て倒れたんだ。そりゃそうなる。
そう思っていた瞬間、
---パンッ
---パンッ
2人の肩に銃が命中した。
何が起こった?
「キャァァァァ」
2人が痛みで叫ぶ。
気づいた時にはちーが2人に殴りかかっていた。
あれ、誰だ。
俺と会う時はいつも少しビクビクしていて、空が心配ばかりしているから弱いイメージが勝手についていた。
そりゃあ父さんの側近してるから多少強いんだろうけど、あれは、誰だ。
無表情で殴り続けている。
俺が話しかけても聞こえていない。
どうしたらいいんだ、空の止血をしながら俺も冷静さを失っていた。
もうどうしようもないとそう思った時、父さんたちが入ってきた。梶田さんも一緒だ。
父さんと梶田さんでちーを止める。
周りが全く見えていないちーは暴れるが、父さんが空の名前を出した途端に空に近寄ってきた。
空の名前を呼ぶだけでそれ以外は何も言わない。
空が運ばれていくまで俺はただ漠然としていた。
「嵐、大丈夫か。」
「と、父さん、俺、」
頭をガシガシ撫でられた。
「空なら大丈夫だ。
・・・千秋見て驚いたか?」
コクリと頷く。
「あれは俺も予想外だ。銃の腕がいいのは知っていたが、あんな中正確に肩撃ち抜くとはな。しかもこの有様だ。
まあ千秋がやべえのはこの後だな。」
「この後、、?」
「あの傷だ。空がいつ目覚めるかもわからねえ。そんな中あいつが空無しでどんだけまともに過ごせるのかは俺にはわからねえ。さっきも周りの声全く届いてなかったしな。」
正直怖かった。
人が撃たれるところを見るのは初めてだった。
「武田さん、牧野由良の身柄はこちらがいただいても?」
呆然としている間に梶田さんがきた。
「もちろん。海の処理はこちらで。ありがとうございました。千秋のことはまた追々。今の状態は不安ですが。」
「空くんにはなんとお礼を言っていいか。千秋を守ってくれた。」
「空は、千秋を守れなかった時のほうが命の危険がありますから。」
どういうことだ?
梶田さんも同じ疑問を持ったらしい。
「昔、申し訳ないことに海のせいで千秋が自殺しようとしたことがありまして、心肺停止となって看取る覚悟をしてくれと言われたことがありました。その時、当時5歳だった空はちーが死んだら僕もすぐ後を追う。と、5歳とは思えないような目をして言ったことがあります。俺はあいつのあの時の目が1番怖かった。」
そんなことがあったのか。
「だから空は、千秋がいなくなる方が死ぬ確率が上がるんですよ。今回のことはありがとうって言ってやってください。」
「そうですね。空くんに感謝します。」
そう言って部下に牧野由良を引きづらせて梶田さんは帰っていった。自分の息子を誘拐した挙句虐待していた女。どんな間に合うのか想像すらつかない。
そしてさっきまでここにいた俺たちの母親も。
少し落ち着いた俺は父さんたちと一緒に病院に向かった。
ちーは父さんたちが何を話しかけても反応しない。
空は、一命を取り留めたが、看取る覚悟もしなければならないと。意識も戻るか分からないと。そう言われた。
あなたにおすすめの小説
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中