154 / 199
【第二部】1章
12
「ねぇ、なんで春夜と冬夜だけ呼ぶの。僕だってちーのご飯楽しみにしてるのに。」
「はいはい。拗ねないでよ。」
「ごめんねを込めてちーからちゅーしてくれたら許す。」
好きさえあればすぐそう言うこと言うんだから。
-チュッ
「ほら。ご飯食べよ?空のこと大好きだから。」
「うん。僕も大好き!」
待った。一瞬頭から抜けてた。
この家には今、俺と空だけじゃない。
「「・・・ちゅーした」」
「いや、ちが、その、そ、空、、どうしよ」
「まぁいいんじゃない?親が仲良いことは教育上良いことだろうし。」
親、、。
親か。そっか。俺たち親なのか。
「春夜~、冬夜~、僕とちー仲良しなんだよ」
空が俺の肩を掴みながら顔を寄せて2人に見せつけるように言う空。
「「やぁ~!!!」」
「2人ともちーが僕に取られるの嫌だってさ。」
椅子の上で口を尖らせながら俺の方に一生懸命手を伸ばす2人。
2人にしてみたら怒ってるんだろうけど、俺たちから見ると可愛いだけだな。
「ほら、空もからかってないで食べよう?明後日出かけるんだろ?」
「春夜~冬夜~明後日は水族館行くからな~!!」
空の言ってることがよくわかっていないようでこちらに目を向けながらも口を動かすことに集中しているようだ。
明日は水族館に行く。きっと2人は行ったことないだろうから。俺も初めて若と空と行ったとき、びっくりしっぱなしだった覚えがある。
水槽は大きいし、魚は泳いでいるし。
まだ小さいから2人は将来覚えてないかもしれないけれど、それでも俺たちと出かけて楽しかったって思ってくれて、その感情を覚えてくれてたら良いなって思う。
「2人ともちー不足だってさ。洗い物、僕がしとくから遊んできな?」
空がそう言ってくれたから2人と遊ぼうと思ったが、俺、小さい頃おもちゃで遊んだことないから何すれば良いのか分からない。どうしよう。
2人をおもちゃの前に座らせてみたのに、何もできない俺。
「え、っちょ、遊ばなくて良いの?」
「「・・・だっこ」」
おもちゃから離れて俺の膝の上に乗り上げてきた。
ぴとっとくっついて小さい腕を俺ね背中に回そうとしてる。
だから負けじと俺も2人をぎゅっと抱きしめた。
キッチンの方からカシャカシャと写真を撮る音が聞こえる。
今絶対にやけてるからカメラの方向けないけど、嬉しすぎてこの瞬間を撮って欲しくて仕方ないや。
「俺、2人のお父さんになれるように頑張る。」
「おとさん!」
「おとさん!!」
「ふふっ、そう。お父さん。空はパパにする?」
「それで呼び分け出来るもんね。春夜、冬夜、僕はパパだよ~」
「ぱぱ!!」
「ぱーぱ!」
この子達はまだ俺たちに言われた言葉を言っただけ。心の底からお父さんだと思ってもらえるように頑張らないと。
そう願い、今日はぐずることもなく、そして前見たようなニコニコを見ることもできずに眠った。
2人がこの時どんな不安を抱えていたのかは朝、わかることになった。
あなたにおすすめの小説
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中