155 / 199
【第二部】1章
13
「ちー、2人ともまだ布団から出ない?」
「うん。さっきから呼んでるし、起きてはいるんだけど。」
俺と空が起きて、2人を起こそうとすると2人は布団の中に潜ってしまった。
まだ眠いのかと思い空に朝ごはんを頼んで時間を過ごし、もう一度呼んでみたが出てこない。
「布団めくってみる?」
まあそうするしかないよね。空と布団をめくってみると、そこには手を繋いでブルブル震えながら泣いている春夜と冬夜がいたんだ。
「え、な、なんで?どうした?おむつ?怖い夢?」
俺たちは慌てて抱っこする。確かにおむつは変えた方が良さそうだが、朝何度か過ごしそれで泣くような様子はこれまでなかった。なら怖い夢でも見たのか?
「とりあえずリビング行こっか。」
春夜を抱っこした空がリビングへ向かった途端
「「やぁ!!ぅぁぁぁあああやぁぁあ」」
大絶叫と言ってもいいくらい泣き始めてしまった。
どうしたっていうんだ?
2人をあやしながらも理由を考えるが全くわからない。
少し落ち着いた2人に理由を聞いてみる。
「・・・ばいばい、いやぁ」
春夜が言ったその言葉で俺はやっと理解した。
ここに何度か泊まっているが朝になれば園に帰っていた。
まだ2人は小さい。引き取られるとか分かるわけがないんだ。
だから、朝になれば施設に戻らないといけないって思ったんだ。
「バイバイしないよ。朝も夜もずっと一緒って言ったでしょ?施設にはもう戻らないんだよ?」
あまりわかってないみたいだけれど、その後も話をすることでバイバイはしなくていいってことがわかったみたいだ。
それでもまだ不安なようで朝ごはんは2人揃って俺たちの膝の上で食べた。
空が仕事に行く直前まで抱っこされっぱなしで降ろそうとすると涙が溜まっていく。その涙を見ると降ろせなくてずっと抱っこしていた。
「ちー、僕そろそろ行かないと。」
「そうだね。春夜、こっちおいで。」
空から春夜を受け取り玄関に行くと2人は出かけると勘違いしたのかいやいやと言っている。
「こーら。空がお仕事行くからお見送りしような。」
「春夜、冬夜、いってくるね。ちーも、いってきます」
---チュッ
普段しないくせに俺の頬にキスを落としてくるこの男。ニヤニヤしてる。俺が恥ずかしがるの面白がってるな?
「しゅやも!ちゅー」
「とやも!」
そう言うから空にして欲しいのかと思ったのに
---チュッ
「お、俺?あ、ありがとう。俺からもね。」
2人のほっぺにチューをすると2人はケラケラと笑ってくれた。
よかった。ようやく笑ってくれた。昨日までは不安で笑わなかったんだ。
俺がそうやって安心しているが空は2人が俺にキスしたことに少し拗ねて僕にもとねだってきたし、2人からもキスされて幸せそうに仕事に行った。
3人だけで長い時間過ごすのは初めてだ。何をしようかな。
あなたにおすすめの小説
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中