172 / 199
【第二部】 2章
7
過ぎて欲しくない時間というものはあっという間に過ぎていく。
この土日が、2人と過ごす最後の土日だ。
来週の土曜日の朝一に2人を引き渡す。
家の中は以前の明るさはなくなっていた。子供たちは夜自分の部屋で寝なくなった。俺と空の間でくっついて眠るようになった。
学校から帰ってきても、自分の部屋が与えられてから各々自分の部屋で過ごしていたのにリビングでずっと過ごしている。最後の時間を刻み込んでいるみたいで余計に悲しくなるんだ。
2人には言えないけどさ。
「パパ、明日水族館に行きたい。冬夜と話したんだ、、」
「水族館?いいけど、水族館でいいのか?遊園地とかの方が好きなんじゃないの?」
「・・・・・・」
「ん?どうした?」
「泣かないでね?・・・パパと父さんと初めて一緒に行ったの水族館でしょ?俺も冬夜も覚えてるもん。」
「っ、、うん、そうだね、行こっか。空、いいだろ?」
「うん、もちろん。前に買ったぬいぐるみよりおっきいの買おう!!」
2人の部屋には昔水族館で買ったぬいぐるみに動物園で買った虎のぬいぐるみ。それにランドで買ったぬいぐるみもある。男の子の部屋にしては可愛いよな。
「パパ、楽しみだね。」
「うん。楽しみ。空に美味しいお昼ご飯も食べさせてもらおうな~!」
泣いている俺ばかり見せてられない。だから、めいいっぱい楽しむんだ。
「イルカのショーみたいな~」
「パパの好きな虎はいないよ?」
「そりゃ水族館に虎はいないよ、でもイルカも好きだよ?水族館なら、クラゲも好き。」
「じゃあクラゲ見に行こうね!!パパが好きなら僕も好き!!」
「俺も!!俺も好き!!」
「父さんはねー、アザラシが好き」
「そうなんだー!」
「ねぇ!!なら僕もアザラシ好きーって言ってくれないの?」
「2人とも父さんのこと大好きだもんな~!」
「うん!パパも父さんも大好きだよ!!」
ふふっ、さっきまで拗ねてたのにもう2人にメロメロだ。
だからいつも2人の好きなお菓子やおもちゃを買ってきて俺に怒られるんだよ。
「明日はいっぱい美味しいもの食べてお土産もいっぱい買おうな!!」
「空、買い過ぎんなよ。」
「わかってるよ。でも2人のこと大好き過ぎてなんでも買ってあげたくなるんだもん~」
「父さんはいっつもパパに怒られてるや。」
「ね。怒られてる~!」
「空が2人になんでも買っちゃうのは2人がうちに来た時からずっとだよ。2人のこと可愛くて仕方ないんだよ。」
「えぇー!俺たちもう10歳だぞ!」
「わかってるわかってる、大きくなったよ、本当に。」
あと、1週間。
あなたにおすすめの小説
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中