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【第二部】 2章
17 空side
敷地内から少し歩いたところに僕の愛しい人は座り込んでいた。
去ってしまった子どもたちの名前を呼びながら泣き叫んでいる。
ちーが不安定な状態なんだ。僕が少しでも支えないといけないと思うけれど、僕の目からも涙が溢れて止まらない。
それでも動かなければならない。
座り込んでいるちーを抱え上げて自宅へと歩く。抱え上げると僕に縋るようにちーは胸に顔を埋めた。
なにか言葉を吐き出そうとしているが泣きすぎてそれも叶わない。身体をガタガタ振るわせながら止まることのない涙を流しっぱなしにしている。
自宅につき、寝室へ運んで、正面から抱き抱える。僕も涙は止まらないから2人で慰め合うようにして抱き合って泣いた。
ちーが過呼吸にならないようには注意しながら、何時間も時間が経ち、子どもたちを見送ったのは朝だったのにもう家の外は暗くなり始めている。
つい先ほどちーは泣き疲れて眠ってしまった。昨日寝てないのもあってぐっすりだ。
ちーが泣いていればいつも春夜と冬夜が心配して駆けつける。父さんが泣かしたのか!って責められた時もある。それぐらい2人ともちーのことが大好きで、ちーも2人のことが大好きで。僕も同じで、2人のことが大好きで、2人もちゃんと父親として認めてくれて、父さんって、そう言ってくれる瞬間が何より好きだった。
日常は簡単に崩れる。簡単に、なくなってしまう。2人の誕生日の日はあんなに楽しかったのに。2人が母親の元に戻されると決まった日から家の空気はずっと重かった。
ちーと2人になったからといって2人を引き取る前のように戻れるわけない。僕たちは、家族という幸せを知ってしまったから。腕の中で眠っているちーだってそう思ってる。
「春夜、冬夜、父さんとパパ2人じゃ寂しいよ。」
1人でそう呟いても、反応はない。
この時間に家の中がこんなに静かなことなんていつぶりだろうか。
小さい頃は夜泣きもあったし遊んでくれとバタバタと走り回ったり、喧嘩してそれぞれに助けを求めてきたり、ちーに怒られたり。
いつだって誰かの声のする家だった。
そんな家が大好きで、毎日家に帰るのが楽しみで仕方なくて、仕事で遅くなる日は憂鬱だった。週末は4人で何して過ごそうかってそう考える平日が好きだった。
少しずつ背も伸びて、ランドセルを初めて背負った時にはランドセルが大きすぎて不安だったのに今ではもうそんな風に感じないし、自転車にも乗れなかったのに、補助輪なんてとっくに外して友達と自転車で遊びに行って。
テストの点数が悪くて隠してるのが僕にバレて、ちーには言わないでって頼んできたこともあった。
・・・・・・この家には、思い出が詰まり過ぎている。
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