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【第二部】3章
4 春夜side
「ぅぅ、、、、ゃだ、、っ、、」
生まれる前からずっと一緒にいる片割れが過去見たことないほど苦しそうに泣いている。慰めてやりたいけど、俺も同じくらい泣いていて、2人でお互いの手を握ることしかできない。
後部座席に後ろ向きのまま座り込んで車に揺られている。
パパの姿がどんどん見えなくなって、あぁ、もう会えないんだって思って、もうどうしたらいいのか分からなくなった。
「さ、着いたよ。お母さんのところへ行こう。」
お前たちはいい事をしたって思ってるのか?俺たちをあの2人から引き離したくせに。
「春夜、冬夜、おかえりなさい。部屋に荷物もう運んであるからね。移動で疲れたでしょ?夕飯まで少しゆっくりしましょう?」
「春夜くん、冬夜くん、おかえり。これからよろしくね。」
俺たちの母親と、その再婚相手。
俺たちのこと見分けることもできないくせに、偉そうに。
せめてもの抵抗だと思って家に入る時にお邪魔しますって言ってやった。
だって、俺たちの帰る家はあの丘の上にある家だから。
部屋の中だって、知らない家具に、知らないおもちゃ、知らない布団。
救いだったのは2人で一部屋だったこと。冬夜は俺より弱いから、1人にするのは不安だったから。
「冬夜、泣きやめよ。俺たちもっと強くなってさ、パパたちのところに自分たちで帰ろう?な?」
「ぅ、、ぅん、、、しゅ、や、僕、、頑張る、、。」
「うん、一緒に頑張ろう。」
そばにいてやれば少し落ち着いてきて、2人で荷物を整理しようとなった。
そこで俺たちは気づいてしまった。
学校の教科書やゲームは俺たちのものだが、部屋に仕舞われている服や水筒や筆箱が、自分たちのものではなくなっている。自分たちのものが一つもないことに。
「ねぇ、なんでダンボールこれしかないの。ぬいぐるみは?父さんが初めて買ってくれたイルカは?」
「リビングにあるのかもしれないから、聞いて、みよ。」
俺も冬夜も最悪な予感はしていたが、それでも可能性にかけて聞きに行った。
その答えは
「す、捨ててわ。服も、ぬいぐるみも。」
「なんで!!!」
「だって、あの里親に買ってもらったものでしょ!?思い出があるんでしょ!?そんなものこの家に持ち込んで欲しくないもの!!!その服も今日お風呂で脱いだら捨てるわ!!」
「なんでそんなことするんだ!!」
「あなたたちに早く忘れて欲しいからよ!!!あんな男同士で住んでて、子供が持てないからってあなたたちで家族ごっこしてるような気持ち悪い人たちのことなんて!!」
「パパと父さんを悪く言うな!!!」
珍しく冬夜が叫んだ。
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