罪人の僕にはあなたの愛を受ける資格なんてありません。

にゃーつ

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荒木先生は多くは教えてくれなかったが、奏多くんの話をしてさらに彼のことが好きでたまらないと思った。

昔はニコニコしてた。か、、、。
俺に引き出せるだろうかその笑顔を。

今は音楽雑誌を渡すぐらいしか笑顔を引き出せない。どうしたらニコニコさせられるんだろうか。


---コンコン

1日で1番楽しみな時間。奏多くんの診察時間。

「先生、、、。おはようございます。」

昨日気持ちを伝えたばかりだから何だか恥ずかしいな。奏多くんも少し緊張しているようだ。

「おはよう。」

「・・・その、、、」

「俺はずっと好きでいる。奏多くんがなんと言おうと俺は君としか一緒にいたくないからな。」

「・・・ごめんなさい。」

「謝んなくてていい。俺はどんな奏多くんでも好きなんだから。」





---バンッ!!!!

「奏多!!!見つかったぞ!」

荒木先生?

「ドナーが見つかった!受けるって返事するぞ?いいな?」

「ドナーが!!よかった、、よかったな奏多くん」

「・・・僕、、、」

「・・・また断るってのか?奏多!!生きろ!!!移植すれば助かるんだ!!!じゃなきゃお前は!もう長くは、、、」

「・・・受けない、、、。」

「奏多くん!?」

「ごめんなさい、、でも、無理だよ、」

「奏多!!」

「荒木先生、1時間ほど時間ください。俺が説得します。」

頭に血が昇っている荒木先生を落ち着けて一旦病室から出す。

「そこ座っていい?」

「・・・うん。」

ベッドに腰掛け、彼の手をそっと握る。
握った瞬間はビクッとしたけれどぎゅっと握り返してくれた。

「奏多くんは、死ぬとしたら最後に何したい?」

「え?」

「俺は、美味い飯飯食って、昼寝もしたい。」

「ふふっ、全然特別なことしないんですね。」

「俺はそのくらい普通がいいんだよ。」

「・・・説得しないの?」

「したいよ。でも、聞いてくれなさそうじゃん。」

「僕は、、、」

「俺は生きてほしいからな。こんなとこに閉じこもってないで自由に走り回ってほしいし、好きなことしてほしい。俺と恋人にもなってほしい。」

「・・・どさくさ、、。」

「いいじゃん、好きなんだから。好きな相手を俺が幸せにしたいじゃん。」

ギュッと握った手を握り返された。

「・・・僕のこと好き?」

「好き。」

「・・・僕が人を殺したことがあるって言っても?」

「は?」

思わず奏多くんの方を見ると、悲しそうな顔で俺を見つめていた。

握った手が少し震えていてこの一言を言うのに彼がどれほど勇気を振り絞ったのかがわかる。

「・・・どういうことか、話してくれる?聞いてもいいか?」

彼は意を決したようにコクリと頷いた。




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