ロリコンの珍事情

tattsu君

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5話 嵐の予感

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 リリスと桜、幹也との騒動の翌日。俺は成城学院高校に来ていた。いや、この言い方だと誤解があるかもしれないから言い直すと登校していた。前日のゴタゴタ騒動は全てゴールデンウィーク中に起きた事だった。非日常的な事が連日起きすぎた為にこの学校でも何か起こるのではないかとハラハラしている。
 しかしまぁ、あのリリスも学校には流石に来ないはずだし、幹也もクラスは違う。桜は朝から話しかけても逃げられるから、学校では何も起きないだろう!
桜に逃げられるのは心に痛恨の一撃を喰らった気分だけどね!!!
 そんな事を考えている内に担任が来た為、ホームルームが始まった。
「まぁ、こんな事考えてたらフラグ立ちするだろうからリセットリセット」
 1人冗談を込めながら気分を切り替える為に小さくそう呟いた瞬間に担任の先生がこう告げた。
「あ~今日から急だが、新しい仲間が増える事になったぞ~。」
 ……大丈夫だ。フラグは確かに立ててはいたが、流石に学校には来ないだろう。うん。たまたまの偶然だよな。全く、タイミングの悪い偶然だぜ!あははは!
「入って来ていいぞ~」
「失礼します」
 ガラガラ…パシッ!トテトテ。
「今日からこのクラスになった大庭リリスよ。大した用がないなら余り話しかけに来ない事。以上。」
 ちょいちょいちょーーーーい!!なんでこんなとこまでサキュたんきてんの!?てか、大庭リリスって!?なんで俺の苗字使ってんの!?やめて!変な誤解生むからやめて!
「あ、あぁ…じゃあ、あそこの1番後ろの席に座りなさい。」
 俺の後ろじゃねぇーか!?てか、なんで俺の後ろに席あんの!?何で今まで気付かなかったの!?
「奇遇ね、あんたの後ろの席になるなんて。まぁ、ここでもよろしく頼むわ。」
 待て!なに白々しいこと言ってんの!?その裏のある微笑み何!?怖い!!
「怜君と、あの子って知り合いなの?」
「そう言えば苗字同じだよね?」
「ここでもってどういう事なんだろう?」
 女子の好奇の目線が俺と俺の後ろの席に集中する。
「くそ、大庭め。あいつあんな子と知り合いだと…?後で絞め殺す!!」
「あいつだけは、最後まで俺たちの仲間だと信じてたのに、裏切り者には罰を与えなければ…!」
「あんな平凡な奴の何処がいいんだよ!このラノベ主人公野郎!!」
 男子は完全に敵意の目で俺だけを睨んでいた。
てか、それわざと聞こえるように言ってるだろ!?お前ら俺の友達だったんじゃないの!?可愛い子と知り合いだけで縁切るほどまでの薄い仲だったの!?ショック!
「怜を縛り上げるのは後にして取り敢えず静かにしろ~。」
 先生あんたは、止めろよ!!これイジメの類だろ!?あんたが積極的に止めるべき問題だろ!?訴えるぞこの野郎!!
「まぁ、みんなリリスと仲良くしてやってくれよ。」
「その必要は無いわ。私はこいつと一緒にいる為だけにここに来ただけだから、他の人たちと話す必要なんて無いわね。」
 何でそんな誤解するような言い方すんの!?てか、そんな言い方したらクラス敵に回してるのと同じだよ!?それ、俺にも降りかかって来そうなんだけど!?
「じゃ怜、頼むぞ~。」
 てか、何であんたは全く止めないんだよ!?面倒なだけだろ!?教師やめちまえよ!?
「はい、連絡は以上~。ホームールーム終わり~。」
 そう言って先生はクラスを出て行ってしまった。
 もう先生は、どうでもいい。とにかくサキュたんから理由を聞かなくては!
そう思い振り返りリリスと話そうとしたら俺の腕を掴む人がいた。
恐る恐る振り返るとクラスで1番ガタイの良い柔道部の田中くんがクラスの男子全員を引き連れていた。
「ど、どうした田中…?」
「ははは~、どうしたじゃないだろ。ほら俺たちさ、男子だからいきなり女子に話し掛けるのは抵抗があってな。知り合いである怜クンからあの子のことをチョット教えて貰おうと思ってな。ついて来てくれるか?流石に目の前で話すのもアレだろ?」
「お、お前ら絶対にそれが理由じゃないだろ!?や、やめろ!押すな!引っ張るな!やめろぉぉぉぉ!!!」
俺の抵抗虚しくクラスの外へ連れて行かれた。クラスを出る瞬間、リリスが笑いを必死で堪えようとしてる顔が目に入った。殺意が湧いた。

その後、怜くんの亡骸(仮)は他の学年の生徒に倉庫裏で発見され保健室に連れて行かれた後、怜くんの意思で早退した。



  こんにちは。大庭怜です。昨日はクラスの友達にいじめられました。リリスと知り合いなだけで妬まれみんなでフルボッコにされました。あいつの素顔を見たら絶対に避けるだろうに…。
「はぁ…ついてないなぁ…」
 俺は1人で、下校をしていた。いつもは、桜と一緒に帰っているのだが、今日の朝…。
『お、桜おはよー』
『れ、怜くん!!お、おおおはよう!!!良い天気だねー!あはは~私、今日日直だから先に行くねー!!』
 流れるように早口でそう言って駆けて行ってしまった。ちなみに、今日は太陽が見えないほどに厚い雲に覆われた天気だし、昨日も日直と言って避けられてしまった。
 リリスと2人で何か話してからずっとこの調子だ。一体、桜に何を吹き込んだんだよ…。
 でも、肝心のリリスも家には来ないし、学校でも話しかけようとしたらいつの間にか消えてるし。本当に何を考えているのか分からない奴だ。
「あいつが来てから不幸続きだよなぁ…。」
1人愚痴りながらトボトボ歩いといると、前方にガラの悪そうな集団が見えてきた。
「なぁなぁ、俺らと遊ぼうぜ~?」
「金は俺たちが出すからヨォ~」
 うわぁ…いかにもって感じの奴らだな。まぁ、俺には関係ないし…。
そっと見て見ぬ振りをしょうと横を通り過ぎようとすると、
「や、やめてください…。」
「!!」
 不良に絡まらていたのは桜だった。それを知った瞬間、俺は咄嗟に1人の不良の腕を掴んでいた。
「?なんだてめぇ、とっとと失せろやコラァ!」
「その子は俺の知り合いなんだ。だから、もうやめて欲しい。」
「あぁ?んな事は知らねぇーよ。失せねぇと消すぞオラァ!」
「やめないんだな…なら仕方ない。」
 俺はその瞬間に腕を掴んでた不良を手前に引いてそのまま頬にストレートをかました。
「俺は、やめるように促した。それでもやめないんなら力づくでやめさせるしかないだろ…?」
 他の不良達が怖気づいたのは表情を見ただけでわかった。
(れ、怜くんが怒ってるとこ久しぶりに見た…。)
 桜までもが怜が放つ気迫にただならぬ予感を感じていた。
「…あ、相手は1人だ!びびってんじゃねぇーよ!!潰せ!」
 リーダー格らしき人がそう言うと一斉に不良達が襲いかかってきた。しかし、怜は一人一人を確実に一撃で仕留めていき、襲いかかってきた不良を全員倒すのに1分もかからなかった。
「…あとはお前だけだな。桜から離れろ。」
 不良リーダーは後退りをして、咄嗟に桜の腕を掴み自分の前に出し、ポケットから小ぶりのナイフを桜の首筋に構えた。
「それ以上近づくとこの女は死んじまうぜ…!?」
「!!…くそっ!」
 形成逆転だった。怜は、周りの人には教えてないが武術を、嗜めており、運動神経は人並み以上に良かった。しかし、それは人を守る為の護衛術ではない。この局地を打破する方法を持ち合わせてはいなかった。
 俺は…、あの時…桜を守るって誓ったのに…。
 過去の桜とのあの出来事が頭をよぎる。
俺は…何もすることができないのかよ!
「くっそぉぉぉぉ!」
 悔しさのあまり声を上げた瞬間、股間に違和感を感じた。ムズムズとするこの感覚…。
 おいおいおい!タイミング悪くない!?ここ外なんですけど!?待って待って待って!収れ!俺のムスコォォォォォ!!!
「おい!なにしてやがんだ!?」
 不良リーダーが急にソワソワし始めた怜を見て怪訝そうに言った瞬間、俺の息子ははち切れた。
ズキューン!!
「あぁぁぁぁぁぁ!?」
「きゃぁぁぁぁぁ!?」
「はぁぁぁぁぁぁ!?」
 3人の意味の違う悲鳴が鳴り響く。伸びていく息子は不良の顎下に伸びていき、桜の顔スレスレを通り、アッパーを食らわせたのだ。
 倒れている不良達。卒倒する桜。唖然とする俺。そして、何もなかったかのように戻っていく息子。
…どうすんの、これ?
「はっ!何か巨大なモザイクを見た気がします!!」
「気のせいだと思うよぉぉ!?」
「そ、そうだよね…?」
 必死の形相で即答する怜に戸惑う桜。2人は、微妙な空気のままその場を後にするのだった。



 あれはなんだったんだろう。
 あの不良を倒したのはあり得ないものだった。
  つい最近大きくしてもらった俺の息子がやつの顎下にクリーンヒットし、吹き飛ばした。
  結果的には倒して、桜を助けることができたわけなのだが、釈然としない。
  あれは一体?リリスから貰った大型の息子。どうゆうことだ……。
  くれた本人に…リリスに聞いてみるか……。なぜか、帰ったらリリスが家にいたし…。絶対に事情を知ってるんだろうなぁ…。

「リリス。突然で申し訳ないのだが、俺の息子はどうなっているんだ?」
「?大きくなったわね」
「それはそうなんだが……。…例えば急に数メートル単位で伸び縮みしたりとか」
「……あぁ。なるほどね」

  やはりリリスはなにか知っているようだ。

「なにか知っているのか?あれはなんなんだよ」
「あれは、あなたの力よ。あなたが使うべき力。あなた以外に持つことを許されない力」

  力?こいつは何を言っているんだ?

「生かすも殺すもあなた次第。例え、あなたがその力を拒んだとしても、他の人間は待ってはくれない。あなたを殺しに来る」

  リリスは間を開けて力強く言葉を発する。

「力を操れるようになさい。他の恩恵保持者は待ってはくれない」

  なんなんだよ。殺しに来る?待ってはくれない?恩恵保持者?
  力を操れるように……あの伸びたのが俺の力だと言うならば制御せねばならないだろう。
  もしかしたら、この力で桜を守れるかもしれない。それなら大歓迎だ。絶対に制御してみせる。
  自分の息子になんて壮大な期待をしているのかは今は考えない事にしよう…。

「これから何をしていけばいい?どうすればうまく使えるようになる?」

  リリスに真剣な目を向け、問いかける。どんな厳しい試練でも乗り越えてみせる!
  その目と言葉に満足したかのようにリリスは微笑む。先程の怖い雰囲気からは考えられないような穏やかな笑みだ。

「その言葉を待っていたわ。では行きましょうか」
「?どこに?」
「決まってるじゃない」

  リリスが大きな胸を張り、自信満々に答える。

「魔界よ!」

  俺は死ぬかもしれない…。



「大庭があの力を使いこなせるようになるのはまだ先になりそうだな…。」
 怜と不良の様子を影から幹也は見ていた。

「あの子があいつの存在に気付く前に王としての力を身につけさせなければ…」

 幹也は、表情を少し曇らせながらその場を後にするのであった。
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