ロリコンの珍事情

tattsu君

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4話 復讐者

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  この世界には特殊な力を持つ者達がいる。その力に統一性はなく、その多くが謎に包まれていた。そして私はその力を持つ者の一人だ。
  でも、力を持っていたとしてももその力の全てを知っているわけではない。知っていることと言えば、この力は『恩恵』と呼ばれていること。3つの条件を満たし、必ず起こるとされる第五次世界対戦への参加資格を得ることで『恩恵』を受け取れること。そしてその3つの条件というのが『悪魔、精霊、神霊のいずれかに愛されること』『世界が何たるかを知ること』『世界に遺産を残すこと』これが条件と成りえるらしい。ちなみに、得られる恩恵は条件のクリア状況により異なる。一つ目の条件は彼らとの親密度により恩恵の強さが。二つ目はより詳しく知ることにより自らの恩恵の情報を多く手にいれることができる。三つ目は成し遂げた遺産に関する恩恵を得られる。ことぐらいだろう。恩恵保持者の常識だ。つまり、より強い恩恵を得るためにはただクリアするだけではだめなのだ。恩恵保持者のトップクラスは一人で世界の法則を弄れるほどの化け物らしい。
 私は今日、その化物の一人と会う約束をしている。無礼がないようにしなければ……殺されるかもしれない…。
と、とりあえず深呼吸を…
スー「あんたが復讐者か?」ハーァァ!?

……はぁ!?えぇ!?もうきたの!?は、はやくない!?まだ、待ち合わせの30分前よ!?(復讐者は三時間前に到着している)ちょ、ちょっと気が早すぎるんじゃない!?(あなたがな)

「なにをトリップしているのか知らんが、もう一度問うきみが復讐者か?」
「は!?え!?あ、ぁあ!?わ、ワタシが復讐者でふ!!!独身でしゅ!」
「そ、そうか。…話は聞いている。情報王に会いたいんだよな?」
「コ、コホン。すみません、取り乱しました。そうです。なんとかして情報王にご助力ねがいたいのです!!」
「紹介するくらいなら構わんが……なぜそこまで復讐にこだわる?」
私が復讐者である理由。それはたった一人の男を殺すことにある。私はやつを殺せればソレでいい。その近道が復讐者だっただけ。
「こだわる…ですか。私は別に復讐者に拘っているわけではありません。あいつを殺すための手段ってだけです。私はあの人を殺すためならばなんでもする。例えそれが人から外れたモノだとしても」
 これは本心だ。私はあいつを殺せればあとはどうでもいい。
「……そうか。……いそがねばならんな」
「?なにか言いましたか?」
「……いや、行こうか。案内する」
「はい!!お願いします!幹也さん!」
ここから私の復讐劇が始まる……!!!





情報王……全てを知り尽くしており、存在や情報の改変を始め、隠蔽や偽造を得意とする者が持つ恩恵だ。
私はこれからその人に会いに行く。
私が復讐者としての役割を果たすための第一歩だ。私はこの機会を逃すわけにはいかない。例え今回ダメだったとしても私は諦める気はない。
一つ言っておくと、私は『未来からの復讐者』ということになっている。私はある男に復讐を誓った。そしてそれと同時にこの時代に飛ばされた。私は復讐の対象者の顔も、名前も知らない。だが、この時代に存在することは知っている。
今回は情報王に顔と名前、所有する恩恵を聞ければ百点満点。どれかひとつでも御の字といったところだ。

「着いたぞ。この門を開けて一本道を進み続ければ簡素な扉がある。その奥にあいつはいる。行ってきな」
「あ、はい。ありがとうございます!……幹也さんは行かないんですか?」
「あいつは友人に客と話すのを聞かれたくないタイプらしい」
「そう…なんですか。わかりました。行ってきます!本日はありがとうございました!!」
「おう。そういえば健気な嬢ちゃんにアドバイスだ」
「アドバイス…ですか?」
「あぁ。絶対に後ろを見るな、いいな?…それじゃ。頑張れよ?」
「え、あっはい。頑張ります…?」

幹也さんはポケットに手をいれて、頭をポリポリかいて歩きながら消えた。……消えちゃった。王パネェな。
…それより、ここを開けて進んでいけば情報が得られる。やつを…!殺せる……!!

ギギギギ……

古びいた大きな門を押し開ける。奥が見えない一本道が見えた。
門を開けきると「ボッ」と火が灯り、行くべき道を示す。
……ちょっと怖い。怨霊とかが出てきそう。
で、でも、い、いかないと……。。。

後ろは見ない。後ろは見ない。後ろは見ない。後ろは見ない。後ろは見ない。後ろは見ない。…………


10分くらい歩き続けた。長すぎるよこの道…つ、つらいよぉ。
今私の目の前には簡素な木でできた扉がある。
……よし。開けよう。

キキキ…キキ…

門も扉も音が怖い…なにこの恐怖仕様。
扉の先には……

「うん、来たみたいだね。ようこそ。未来からの復讐者、牧野智美さん?僕の名前はエクス・マルキア。情報王だ」

白髪金眼の青年が優雅にすわっていた。

この情報王は情報に関する全てを操れるらしく、姿も偽れるらしい。この姿も偽物だと思う。

「は、初めまして。幹也さんからここを紹介してもらいました。よろしくお願いします!!」

  バッと頭を下げる。
  復讐を果たすためには、ここでこの人と敵対するわけにはいかない。
  なんとか機嫌を損なわせないようにしなければ。

「あはは、そんなにかしこまらなくてもいいよ?自分で言うのもなんだけど、僕は王の中では温厚な方だから」

  それだとしても、この姿勢をくずすわけにはいかない。

「は、はい。ありがどうございます。それで……情報を買いたいのですが…」
「あぁ、未覚醒の王。君の妹さんを殺した人間の情報だよね?」
「あ、はい!…そうです。なんとかして、未覚醒前に殺したいのです。また、妹を失わないために……」

  はやく、殺さねばならない。そう、一刻も早く。
  
「ふむ、そうか。一つ忠告しておこうか、君は自分を理解できていない。これから先、君はそのことで苦労することだろうね」

  私が自分を理解できてない?どういうこと?自分の恩恵についてはある程度は知っているつもりだけど。
  それとも、私が未来からきたということが違うのかな?

「そう、それだよ」

  心を読まれたか…。とんでもない人だな。あの様子だと常時発動型らしい。
  しかし、未来から来たことがこれから先のことに繋がるのだろうか。

「牧野さん。ここから先は君以外の人間は王しか知らない。君にはギアス、制約の力を使わせてもらうよ?それでも構わないかい?」

  ギアス…制約の力。制約を破ったものは即死すると言われている。ギアスの使用には互いの了承が必要だ。内容をよく確認しないとすぐに詰む、または死ぬことになる。恐ろしい力だ。
  私にこれを使うってことはいい情報を貰えるということだろうか。

「すいません。戴ける情報を簡単に教えてはくれませんか?それによって、ギアスの使用を決めるというのは……」
「構わないよ。それで、与えられる情報なんだが三つかな。
ひとつめは君の話。ふたつめは君の復讐対象の持つ恩恵。みっつめは復讐対象の住む街、所属する機関ってとこかな。どう?」

  その言葉に私は衝撃を受けた。ここまで、いい条件とは…。私の持ってきた交渉材料で本当に足りるのか?いや、その辺は情報王。さすがに理解しているはずだ。では狙いは…?

「狙い…ね。そうだね、言うとすれば興味かな。あいつと君がこれからどうなっていくのか。運命が確かに変わるのか。見てみたいのさ、情報ではなくこの目でね?」
「そう…ですか。わかりました。ギアスをお願いします」
「うん、理解が早くて助かるよ。では…『ギアス』」

  空中に一つの紙が出現する。いや、見た感じ召喚だろうか。
  次々と内容がギアスロールに刻まれていく。これはすごいな、まるで昔映画でみた魔法みたいだ。
 私みたいな存在になった人が魔法みたいって表現するのは変か。

「よし、できたね。内容を確認してくれる?」

  私にギアスロールが手渡される。どうでもいいけど、かなりいい紙だ。
  それで、内容は…。
  数十分内容を確認して、納得した。これは本当に私に都合がいい。都合がよすぎる。

「おーけー?なら僕からは彼の情報を」
「私からは魔界王の恩恵『絶望』を」

『契約完了』

  私は満面の笑みで、情報王は口を三日月に変えて狂気的な笑みを浮かべていた。

  ……これで完遂にひとつ近づいた。
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