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32話 ただいま俺の家ぇぇぇぇ!?
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「よし!準備おっけーね!」
腰に手を当て満足げに頷くリリス。リリスの前には、はち切れんばかりに詰め込まれたバック。なんかたまにボコボコ動いて見えるのは気のせいだと思いたい。
「キシャァァ!」
「おい!お前は人間界になんてモンを持ち込もうとしてんだよ!?」
今、完全にそのバックから奇声があがったよな!?おい!なんでお前は目をそらす!!
奇声があがった瞬間に「拘束が甘かったわね…」と小さく呟いたリリスは、怜がそう言うと目を逸らした。
「…怜。知らない方がいい現実っていうのもあるのよ」
「俺の部屋に転移される荷物にわけわからん生物なんかもちこまれたくないんだけど!?」
「そんなこと言ったってしょうがないじゃない!学校も退屈だし1人で家にいるのもつまんないんだもの!」
逆ギレ!?ここで逆ギレ!?
リリスは「いいじゃない減るモンじゃないし」とかなんとかわがままを言い続けているが、少なからず俺の精神はものすごいスピードですり減っていくのは確かだろう。
「とりあえず!そのわけわからん生物だけは置いていけ!!他のやつは持ってってもいいから!!はやくだせぇぇぇ!!!」
この小さな闘争は見事俺の勝利だった。「そんな小言が多いからモテないのよこのロリコン」だのなんだのなかなかに不名誉なことをぶつぶつと、だけれど俺には聞こえるように言っているが、素直に荷物の中からガチガチに拘束された謎の生物を出していた。ミニチュアサイズだが、いわゆるドラゴンのようなやつだった。
「ごめんね、バロン。あなたとまた別れないといけないなんて私は悲しいわ…」
どうやらリリスのペットらしい。
だが、愛しいペットをガチガチに拘束してる状態でそんな発言をしてもペット愛を微塵も感じさせなかった。
そんなリリスにジト目を向ける怜。いつもと立場が逆な2人だった。リリスは侍女を呼びつけるとバロンを預けた。
「あぁもう!はやくいくわよ怜!」
「お、おい!1人で行くなよ!」
そう言って1人で部屋を出て行くリリス。さっきまで必死こいて詰めていた荷物はまるっきり置いていった。1時間以上待たされたのに、完全に時間の無駄だった。
5分ほどリリスの後をついて行くとさっきまでの豪華さが嘘であるかのような寂れた通りになり、リリスが立ち止まった部屋の扉は若干朽ちていて、あまり手入れがされてないことが伺える。
「さ、入って」
扉を開けたリリスに促されたままに入ると、中央に人が10人ほど入れそうな大きな魔法陣みたいなものが組まれていた。
「そこの陣の中に入って。私が中央に立って魔力を込めるわ」
言うが早いかすぐに中央に立ち、手をかざすリリス。
「いくわよ怜」
「え、ちょっまっ」
儀式に必要な準備みたいなことも呪文も唱えることなくリリスの発言とともに光を帯び始める魔法陣は一瞬で強い光へと変わり2人を包み込んだ。
◇
「もう目を開けていいわよ怜」
リリスの声が聞こえ、ゆっくりと目を開けると、そこにあったのは俺の部屋だった。いや、俺の部屋の残骸だった。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁ!?!?」
一言で言えば滅茶苦茶だった。家具という家具が爆弾で吹き飛ばされたかのような惨状になっており、左右上下至る所の壁に穴が空いていた。
「おいどういうことだリリス」
頬をピクピクと引きつらせながらリリスの方を睨みつける。リリスはさも当然のように言った。
「さっきの部屋の扉見たでしょ?一瞬で転移させる代わりにまぁ、この通りって感じになっちゃうのよ」
「そうなるのわかってんなら先に言えよ!?」
なんでわかってて言わなかったんだよ!?
「だって言ったらあんたは当然拒否るでしょ?」
「当たり前だろうが!!!」
「だったら隠すしかないじゃない」
「なんでそうなるんだよ!!他の場所に転移するとかもっと方法があっただろ!?」
「それが出来たらしてるに決まってるでしょ。」
やれやれといった風なリリスは転移魔法の説明をしてくれた。どうやら、事前に転移する場所を登録という行為を行わないと思い通りの所に転移できないらしい。それをせずに転移するとか全く知らないような場所に転移される可能性が高く危険だとかなんとか…。
「んまぁ、危険性はわかったけど、なんで俺の部屋を登録したんだよ」
「どんな所にでも登録できるわけじゃないのよ。色々と条件があって、それが揃ってないと無理なのよ」
なんで俺の部屋がその条件が揃ってるのかが解せないが、取り敢えずは納得。
「だったら、なんで魔界に行くときは学校の教室からそのまま転移できたんだよ」
魔界に俺たちが行くとき、リリスは魔法陣も何もない教室で転移をしてみせた。
「魔界ならどこに飛ばされても私がいるから平気なのよ。そもそも生誕祭にも参加するつもりはなかったし、怜の修行目当てだったわけだし」
…なるほど。いちようは納得できる。魔界王側近の娘であるリリスならどんな辺鄙な場所に飛ばされてもある程度の権力で目的地まで行けるからだとか。
あれ?
「転移の仕組みとかはわかったけど、教室で転移して大丈夫だったのかよ?」
「え、なにが?」
「いや、なにがって…。クラスメイトの目の前で転移なんか見せて大丈夫なのかよっていってるんだよ…」
キョトンとするリリスに呆れる怜だったが、あぁそのことかーといった風のリリスに少し嫌な予感を覚える。
「転移の時の光は視覚操作でなんとかしたわよ?」
「おけおけ。それじゃ、俺たちがいなくなった後はどうなってるんだ?」
ここでリリスはふふーん!と胸を張って堂々と言い放ちやがった。
「代理をたてておいたわ!!!」
「はぁぁぁぁぁぁ!?!?」
リリス、何かをやらかす前に俺に相談をしてくれ…。
腰に手を当て満足げに頷くリリス。リリスの前には、はち切れんばかりに詰め込まれたバック。なんかたまにボコボコ動いて見えるのは気のせいだと思いたい。
「キシャァァ!」
「おい!お前は人間界になんてモンを持ち込もうとしてんだよ!?」
今、完全にそのバックから奇声があがったよな!?おい!なんでお前は目をそらす!!
奇声があがった瞬間に「拘束が甘かったわね…」と小さく呟いたリリスは、怜がそう言うと目を逸らした。
「…怜。知らない方がいい現実っていうのもあるのよ」
「俺の部屋に転移される荷物にわけわからん生物なんかもちこまれたくないんだけど!?」
「そんなこと言ったってしょうがないじゃない!学校も退屈だし1人で家にいるのもつまんないんだもの!」
逆ギレ!?ここで逆ギレ!?
リリスは「いいじゃない減るモンじゃないし」とかなんとかわがままを言い続けているが、少なからず俺の精神はものすごいスピードですり減っていくのは確かだろう。
「とりあえず!そのわけわからん生物だけは置いていけ!!他のやつは持ってってもいいから!!はやくだせぇぇぇ!!!」
この小さな闘争は見事俺の勝利だった。「そんな小言が多いからモテないのよこのロリコン」だのなんだのなかなかに不名誉なことをぶつぶつと、だけれど俺には聞こえるように言っているが、素直に荷物の中からガチガチに拘束された謎の生物を出していた。ミニチュアサイズだが、いわゆるドラゴンのようなやつだった。
「ごめんね、バロン。あなたとまた別れないといけないなんて私は悲しいわ…」
どうやらリリスのペットらしい。
だが、愛しいペットをガチガチに拘束してる状態でそんな発言をしてもペット愛を微塵も感じさせなかった。
そんなリリスにジト目を向ける怜。いつもと立場が逆な2人だった。リリスは侍女を呼びつけるとバロンを預けた。
「あぁもう!はやくいくわよ怜!」
「お、おい!1人で行くなよ!」
そう言って1人で部屋を出て行くリリス。さっきまで必死こいて詰めていた荷物はまるっきり置いていった。1時間以上待たされたのに、完全に時間の無駄だった。
5分ほどリリスの後をついて行くとさっきまでの豪華さが嘘であるかのような寂れた通りになり、リリスが立ち止まった部屋の扉は若干朽ちていて、あまり手入れがされてないことが伺える。
「さ、入って」
扉を開けたリリスに促されたままに入ると、中央に人が10人ほど入れそうな大きな魔法陣みたいなものが組まれていた。
「そこの陣の中に入って。私が中央に立って魔力を込めるわ」
言うが早いかすぐに中央に立ち、手をかざすリリス。
「いくわよ怜」
「え、ちょっまっ」
儀式に必要な準備みたいなことも呪文も唱えることなくリリスの発言とともに光を帯び始める魔法陣は一瞬で強い光へと変わり2人を包み込んだ。
◇
「もう目を開けていいわよ怜」
リリスの声が聞こえ、ゆっくりと目を開けると、そこにあったのは俺の部屋だった。いや、俺の部屋の残骸だった。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁ!?!?」
一言で言えば滅茶苦茶だった。家具という家具が爆弾で吹き飛ばされたかのような惨状になっており、左右上下至る所の壁に穴が空いていた。
「おいどういうことだリリス」
頬をピクピクと引きつらせながらリリスの方を睨みつける。リリスはさも当然のように言った。
「さっきの部屋の扉見たでしょ?一瞬で転移させる代わりにまぁ、この通りって感じになっちゃうのよ」
「そうなるのわかってんなら先に言えよ!?」
なんでわかってて言わなかったんだよ!?
「だって言ったらあんたは当然拒否るでしょ?」
「当たり前だろうが!!!」
「だったら隠すしかないじゃない」
「なんでそうなるんだよ!!他の場所に転移するとかもっと方法があっただろ!?」
「それが出来たらしてるに決まってるでしょ。」
やれやれといった風なリリスは転移魔法の説明をしてくれた。どうやら、事前に転移する場所を登録という行為を行わないと思い通りの所に転移できないらしい。それをせずに転移するとか全く知らないような場所に転移される可能性が高く危険だとかなんとか…。
「んまぁ、危険性はわかったけど、なんで俺の部屋を登録したんだよ」
「どんな所にでも登録できるわけじゃないのよ。色々と条件があって、それが揃ってないと無理なのよ」
なんで俺の部屋がその条件が揃ってるのかが解せないが、取り敢えずは納得。
「だったら、なんで魔界に行くときは学校の教室からそのまま転移できたんだよ」
魔界に俺たちが行くとき、リリスは魔法陣も何もない教室で転移をしてみせた。
「魔界ならどこに飛ばされても私がいるから平気なのよ。そもそも生誕祭にも参加するつもりはなかったし、怜の修行目当てだったわけだし」
…なるほど。いちようは納得できる。魔界王側近の娘であるリリスならどんな辺鄙な場所に飛ばされてもある程度の権力で目的地まで行けるからだとか。
あれ?
「転移の仕組みとかはわかったけど、教室で転移して大丈夫だったのかよ?」
「え、なにが?」
「いや、なにがって…。クラスメイトの目の前で転移なんか見せて大丈夫なのかよっていってるんだよ…」
キョトンとするリリスに呆れる怜だったが、あぁそのことかーといった風のリリスに少し嫌な予感を覚える。
「転移の時の光は視覚操作でなんとかしたわよ?」
「おけおけ。それじゃ、俺たちがいなくなった後はどうなってるんだ?」
ここでリリスはふふーん!と胸を張って堂々と言い放ちやがった。
「代理をたてておいたわ!!!」
「はぁぁぁぁぁぁ!?!?」
リリス、何かをやらかす前に俺に相談をしてくれ…。
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