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1章:俺は魔王見習いのようです
第6話:小さな野望を抱く
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色々と考えるなくちゃいけないことがある。
が、まずは魔王に会いにいくべきなんだろう。
正直あの調子でこられると、こっちはかなり辛いんだけど……一応、ここの大将というわけだから。
挨拶は肝心!
ラジャに食事のお礼を言って簡易食堂から外へ出る。
ちなみにパンの名前はくねくねパンというらしい。
どこら辺がくねくねしてるのか、まったくわからない。
あと、できれば次の食事は柔らかいものがいい。
贅沢は言わない。柔らかいものでお願いします!
外は熱気が渦巻いていた。
それもそのはず、かなりの数の人間、モンスターが歩き回っている。
この分だと魔王城の建設というのはずいぶん大規模なようだ。
実際、ドラキエだと簡略化されているから、そこまで広くは感じないし、城からだって一瞬で脱出できる(できないこともある)。
この大きさだと、やっぱりマグマの池とか作っちゃうのかな?
そうだったら建設現場はぜひ見てみたい。
魔王城っぽいというのもあるけど、そもそもあのマグマをどこから持ってくるのか!
そこに興味がある。
「ラン、いきなりだけど、一度魔王様のところに行こうと思うんだ。昨日も何かしないか? って言われてたからね」
「それは魔王様も喜ぶと思います! これ、内緒なんですけど……。リュウジさんが眠った後、起きてこないかと5分ぐらい待ってたんですよ、魔王様」
「は、ははは。期待されてるのかな、俺」
「そうですよ! だってあの魔王様がわざわざ担いで来られたんですから。運命というものです!」
ランはロマンチックなんだなあ。
俺はそこまで考えられないよ。
たぶんだけど、あのカリンガっていう実の様子を見るついでに発見したんじゃないかな?
森の果物を確認している魔王ってのも大概シュールな図ではある。
あと……万が一の考えだが、魔王が俺に執着しているなんて……ことはない、よな?
「あ、ちなみにさ。魔王様にはさっきの勇者との戦いの事は言わないでおいてくれる?」
「は、はあ。でもあんなに凄いのに」
勇者をある意味倒したけど、あれ『こんにゃく』だからね。
スキルを使ったことはまだバレたくない。
スキルがこんにゃくだということは一生バレたくない。
「魔王様は、今日現場にいらっしゃいますね。図書館施設の構築です」
「構築と聞こえたんだけど、ドワーフみたいに建てるわけじゃないの?」
「そうですねー。大きいものは魔王様でもさすがに無理なんですけど、部屋一つ分であれば時々魔法で構築できるんです」
なんだ、そのチート能力。俺も欲しい!
あ、そう言えばスキル表は……あった。
良かった。たとえばここで現場監督になれば、部下が何人かできる。
そうしたら、スキルも増えるって寸法よお!
『こんにゃく』じゃなくて別のスキルを覚えたい、切実に。
もう不良品って言わないから頑張ってくれ。
正直、魔王になるつもりは無いから、適当に覚えるつもりだけど。
あまりにも力を持つものは潰されるっていうのは、十二分にわかったからな。
ランと話しながら歩いていると、様々なモンスターの姿が見える。
亜人種は手先が器用なためか、比較的多い。
残念なのは、猫耳なのにゴツい男だったり、美しいエルフが振り向いたら爺さんだったりすること。
もう少ししたら、彼らの住む所を尋ねてみよう。
きっと俺の予想した通りの娘がいるはずだ!
「亜人種以外だと、どんな種族がいるの?」
「そうですねー。巨大モグラ、サソリなどの人間界の生物がもの凄い大きくなったモンスターは多いですね。意外と働き者なんですよ。穴を掘ったり、色々切ったり」
その色々、という部分が少し気になるけど、詮索は止めておこう。
が、まずは魔王に会いにいくべきなんだろう。
正直あの調子でこられると、こっちはかなり辛いんだけど……一応、ここの大将というわけだから。
挨拶は肝心!
ラジャに食事のお礼を言って簡易食堂から外へ出る。
ちなみにパンの名前はくねくねパンというらしい。
どこら辺がくねくねしてるのか、まったくわからない。
あと、できれば次の食事は柔らかいものがいい。
贅沢は言わない。柔らかいものでお願いします!
外は熱気が渦巻いていた。
それもそのはず、かなりの数の人間、モンスターが歩き回っている。
この分だと魔王城の建設というのはずいぶん大規模なようだ。
実際、ドラキエだと簡略化されているから、そこまで広くは感じないし、城からだって一瞬で脱出できる(できないこともある)。
この大きさだと、やっぱりマグマの池とか作っちゃうのかな?
そうだったら建設現場はぜひ見てみたい。
魔王城っぽいというのもあるけど、そもそもあのマグマをどこから持ってくるのか!
そこに興味がある。
「ラン、いきなりだけど、一度魔王様のところに行こうと思うんだ。昨日も何かしないか? って言われてたからね」
「それは魔王様も喜ぶと思います! これ、内緒なんですけど……。リュウジさんが眠った後、起きてこないかと5分ぐらい待ってたんですよ、魔王様」
「は、ははは。期待されてるのかな、俺」
「そうですよ! だってあの魔王様がわざわざ担いで来られたんですから。運命というものです!」
ランはロマンチックなんだなあ。
俺はそこまで考えられないよ。
たぶんだけど、あのカリンガっていう実の様子を見るついでに発見したんじゃないかな?
森の果物を確認している魔王ってのも大概シュールな図ではある。
あと……万が一の考えだが、魔王が俺に執着しているなんて……ことはない、よな?
「あ、ちなみにさ。魔王様にはさっきの勇者との戦いの事は言わないでおいてくれる?」
「は、はあ。でもあんなに凄いのに」
勇者をある意味倒したけど、あれ『こんにゃく』だからね。
スキルを使ったことはまだバレたくない。
スキルがこんにゃくだということは一生バレたくない。
「魔王様は、今日現場にいらっしゃいますね。図書館施設の構築です」
「構築と聞こえたんだけど、ドワーフみたいに建てるわけじゃないの?」
「そうですねー。大きいものは魔王様でもさすがに無理なんですけど、部屋一つ分であれば時々魔法で構築できるんです」
なんだ、そのチート能力。俺も欲しい!
あ、そう言えばスキル表は……あった。
良かった。たとえばここで現場監督になれば、部下が何人かできる。
そうしたら、スキルも増えるって寸法よお!
『こんにゃく』じゃなくて別のスキルを覚えたい、切実に。
もう不良品って言わないから頑張ってくれ。
正直、魔王になるつもりは無いから、適当に覚えるつもりだけど。
あまりにも力を持つものは潰されるっていうのは、十二分にわかったからな。
ランと話しながら歩いていると、様々なモンスターの姿が見える。
亜人種は手先が器用なためか、比較的多い。
残念なのは、猫耳なのにゴツい男だったり、美しいエルフが振り向いたら爺さんだったりすること。
もう少ししたら、彼らの住む所を尋ねてみよう。
きっと俺の予想した通りの娘がいるはずだ!
「亜人種以外だと、どんな種族がいるの?」
「そうですねー。巨大モグラ、サソリなどの人間界の生物がもの凄い大きくなったモンスターは多いですね。意外と働き者なんですよ。穴を掘ったり、色々切ったり」
その色々、という部分が少し気になるけど、詮索は止めておこう。
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