9 / 52
私に 考えがある
しおりを挟む
出窓付きの大きな窓からは暖かな日差しが差し込んでいる。寝るのにもってこいの場所だ。
応接室のソファーにぴょんと飛び乗るとゴロンと寝転がる。
(う~ん。お日様の匂いがする)
この広い部屋を一人占めなんて 大満足。
堂々とリビングでうたた寝をしていた。
ジリジリン。ジリジリン。
聞こえてくる携帯のアラーム音にハッとして目が覚める。遅刻だ!
アラームを止めようと飛び起きる。しかし、聞こえていたはずのアラーム音が消えた。
目に映ったのは慣れ親しんだ蛍光灯ではなく 豪華なシャンデリアだった。ホッとして体の力を抜く。
(夢か……)
そうだ。猫になったんだ。もう会社にいく必要もないのに、猫になってまで前世の夢を見るなんて……。
沁み付いた習慣とは恐ろしい。
「ふぁ~」
大きな欠伸をする。横向きに寝たまま グウ~ンと、両手足を思いきり伸ばす。こうしてのんびり出来るのは前世で頑張ったご褒美だ。そんなふうに思えるのは、"衣食足りて礼節を知る" だからだ。面倒を見てくれる人が居ることは良い事だ。 何もしなくても生活できる。マーカスの後をついて行って正解だった。
それにしても、三食昼寝付きの悠々自適の楽しい猫ライフが保証されているのに、何で夢なんか……。もしかしたら猫だからかもしれない。現に今も聞こうとしなくても、ピクピクと耳か動く。
そして、いろんな音を拾う。
ドアの開け閉める音や 誰かのくしゃみの音も。この家の全ての音、いいや 家の外までの音が聞こえる。風で擦れる草の音、花の間を飛び回る蜂の羽音、キシキシと鳴る庭のブランコの音。歩く間隔や足音で誰か、聞き分けられる。
その上 匂いまで嗅ぎ分けられる。誰が何処に居るのか、この道を誰が通ったかとか。手に取るように分かる。それほど、小さな物音や、匂いにも敏感に反応する。
さっきの夢も何か連想させる音を聞いたからだろう。猫生活の悪いところだ。夢見が悪い。
(こんなときは……)
クルンと丸々と尻尾を挟んで目を閉じる。楽しい二度寝の時間だ。
今度は楽しい夢がみたい。
6
潰れた図書館のような埃とカビの匂いがする部屋で、書類に埋もれた机の僅かなスペースを使って老人が何かを書いている。ペンを持つ手はシミがあり大きなペンだこが、出来ていた。
ドミニクは山と積まれた原稿用紙の隙間にシワシワの手でコーヒーを置くと、新しく作成した調査日程表に目を向ける。四季の森を探しに行くのは今度で百八回目。
しかし、一度として四季の森に辿り着いた事は無かった。
(前は年に数回行けたのに 今は一度か二度だ)
バンドールの小僧が邪魔をする。
何が管理だ。何が責任だ。いつもいつも文句ばかり。忌々しい奴。
それでも諦める訳には行かない。もう一度ザブマギウムを手に抱くまでは止められない。
机の引き出しから小さな絵画を取り出すと優しく撫でる。
出会いは八十年前だが 目を閉じれば鮮やかにあの日の記憶が甦る。
鳴き声も、体の温かさも、ありありと思い出される。
(今度こそ お守りします……)
コンコン
思い出に浸っていたのに ノックの音に中断させられた。
「入れ!」
気分のまま怒鳴りつけるとドアが開いてゲイルが入って来た。
いつものようにおどおどしている。茶髪の毛に茶色い目。中肉中背で平凡な男だ。十三歳の時から一緒に暮らしているが、二十五になった今でも私と目も合わせられない。何をやってものろまで、言われたことしか出来ない。使い物にならない奴だ。親戚でなかったらとっくに追い出している。
今日も機嫌を伺う様に私を盗み見している。
「なんだ」
「屋敷の周りの侵入防止の装置が増えました」
言いにくそうに言うが、代わり映えの無い話にうんざりする。
二日にいっぺんは バンドール家に偵察に行かせている。本来の目的は あの小僧が留守にする日を調べさせるためだ。
(それなのに……)
こめかみを押さえ小さく首を振る。装置が増えようが、新しくなろうが どうでも良い。
「今度つまらない報告をしてみろ! どうなるか分かってるな!」
「はっ、はい!」
怒鳴りつけると悲鳴のような返事が返って来た。
「出て行け!」
「はっ、はい!」
ネズミのように チョロチョロチョロと出ていく。
他に三人居るが、どいつもこいつも役に立たない者ばかり。イライラした気持ちを紛らわそうとコーヒーで流し込む。しかし、苦いだけでなく焦げた匂い混じっていて余計に 苛立ち。
今日も不味いとドンと机に置くと、コーヒーがカップから飛び出して出調査日程表にシミを作った。
「ちっ!」
それを見て舌打ちする。
布巾をあちこち探していたが見つからない。何一つ上手く行かない。ドミニクは布巾を探すのを諦めて ゴシゴシと自分の袖で零れたコーヒーを拭く。
*****
ふわっと意識が浮かぶ 。
目を開けるとオレンジ色に赤が混ざった空が見えた。
眠っているうちに夕飯の時間になったみたいだ。まるで学生時代の夏休み。久々にだらだらした。
起き上がると今夜なのメニュー何だろうと鼻をヒクヒクさせながら食堂へ向かう。
デザートを食べさせてもらっていると急にマーカスが立ち上がった。
(ちなみの今夜のデザートはプリン)
「父上。猫ちゃんに名前を付けましょう」
マーカスが目をランランと させて父親を見上げる。
(名前か……)
そう言えばまだだった。誰が付けてくれるのかな? ご主人様? それともマーカス?
心機一転。新しい名前を付けてもらおう。
「どんな名前がいいかな~」
マーカスが空を見ながらあれやこれやと 思いつくまま 名前をあげる。
「女の子だから……ミッシェル? キャサリン? アマンダ?……それともナタリー?」
日本人という気持ちが消えてないから、西洋風の名前がつくのかと思うと くすぐったい。
どんな名前になるかと、ご主人様を見上げると静かに首を振る。
「人の言葉が分かると言っただろう」
「あっ!」
マーカスがポンと手を打つ。
そう言えば、そう言っていた。
「なるほど自分に選ばせるんですね」
「そうじゃない。ザブマギウムには前世の記憶がるから、既に名前があるはずだ」
(えっ?)
ご主人様の言葉に唖然とする。
ザブマギウムってそう言う動物なの? つまり、転生猫!?
マーカスを見ると 驚いてはいないが怪訝そうな顔をしている。
「父上、本当に人間の言葉が分かるんですか?」
マーカスも、私も 半信半疑だ。
今までのことを思い返してみても、伝えるというより ご主人様が困ってる私を見かねて 気を利かせたという感じだ。
「そうだよ」
その返事に驚く。その自信は何処から来るんだろう。
私が転生者だって知っているの? 私と目が合うと微笑んだ。う~ん。嘘はついてないみたいだけど……。
「本当ですか? だったら、証明してみて下さい」
「そうだなぁ~」
マーカスは信じられないみたいだ。方法を考えているご主人様をマーカスが身を乗り出して見ている。すると、ご主人様が、
「こっちへおいで」
そう言って私を手招きする。言われた通りご主人様の膝の上に移動した。すると、良く出来ましたと私の頭を撫でる。褒められて嬉しいと喉をゴロゴロと鳴らす。
ジッとみられている気配に、視線の方を向くとマーカスが凝視している。まだ疑っているみたいだ。すると、私の頭を撫でていたご主人様が、ひょいと私をテーブルに乗せる。
「マーカスの膝の上に乗ってくれるかい」
『にゃあ』(オッケー)
マーカスが慌てて椅子に座る。そこへ、とっ、とっ、とっ、とっ、テーブルの上を歩いてマーカスの膝の上にポンと降りる。
「うわぁ~。凄い。本当に分かるんですね」
マーカスが くちゃくちゃの笑顔で手を叩いて喜ぶ。どうだと顎を上げると、マーカスが私をギュッとだきしめて ご主人様と同じように頭を撫でた。
「でも、父上、どうやって名前を聞くんですか?」
マーカスの言う事は最もだ。言われたことをしたり、イエスかノーか、みたいに答えを選択するような事なら出来るけど喋れる訳じゃない。どうする気だろう。
すると、ご主人様が片方の口角だけ上げる。
「私に考えがある」
分かるとマーカス に問うように見る。すると、マーカスが両手を広げて首を左右に振る。
応接室のソファーにぴょんと飛び乗るとゴロンと寝転がる。
(う~ん。お日様の匂いがする)
この広い部屋を一人占めなんて 大満足。
堂々とリビングでうたた寝をしていた。
ジリジリン。ジリジリン。
聞こえてくる携帯のアラーム音にハッとして目が覚める。遅刻だ!
アラームを止めようと飛び起きる。しかし、聞こえていたはずのアラーム音が消えた。
目に映ったのは慣れ親しんだ蛍光灯ではなく 豪華なシャンデリアだった。ホッとして体の力を抜く。
(夢か……)
そうだ。猫になったんだ。もう会社にいく必要もないのに、猫になってまで前世の夢を見るなんて……。
沁み付いた習慣とは恐ろしい。
「ふぁ~」
大きな欠伸をする。横向きに寝たまま グウ~ンと、両手足を思いきり伸ばす。こうしてのんびり出来るのは前世で頑張ったご褒美だ。そんなふうに思えるのは、"衣食足りて礼節を知る" だからだ。面倒を見てくれる人が居ることは良い事だ。 何もしなくても生活できる。マーカスの後をついて行って正解だった。
それにしても、三食昼寝付きの悠々自適の楽しい猫ライフが保証されているのに、何で夢なんか……。もしかしたら猫だからかもしれない。現に今も聞こうとしなくても、ピクピクと耳か動く。
そして、いろんな音を拾う。
ドアの開け閉める音や 誰かのくしゃみの音も。この家の全ての音、いいや 家の外までの音が聞こえる。風で擦れる草の音、花の間を飛び回る蜂の羽音、キシキシと鳴る庭のブランコの音。歩く間隔や足音で誰か、聞き分けられる。
その上 匂いまで嗅ぎ分けられる。誰が何処に居るのか、この道を誰が通ったかとか。手に取るように分かる。それほど、小さな物音や、匂いにも敏感に反応する。
さっきの夢も何か連想させる音を聞いたからだろう。猫生活の悪いところだ。夢見が悪い。
(こんなときは……)
クルンと丸々と尻尾を挟んで目を閉じる。楽しい二度寝の時間だ。
今度は楽しい夢がみたい。
6
潰れた図書館のような埃とカビの匂いがする部屋で、書類に埋もれた机の僅かなスペースを使って老人が何かを書いている。ペンを持つ手はシミがあり大きなペンだこが、出来ていた。
ドミニクは山と積まれた原稿用紙の隙間にシワシワの手でコーヒーを置くと、新しく作成した調査日程表に目を向ける。四季の森を探しに行くのは今度で百八回目。
しかし、一度として四季の森に辿り着いた事は無かった。
(前は年に数回行けたのに 今は一度か二度だ)
バンドールの小僧が邪魔をする。
何が管理だ。何が責任だ。いつもいつも文句ばかり。忌々しい奴。
それでも諦める訳には行かない。もう一度ザブマギウムを手に抱くまでは止められない。
机の引き出しから小さな絵画を取り出すと優しく撫でる。
出会いは八十年前だが 目を閉じれば鮮やかにあの日の記憶が甦る。
鳴き声も、体の温かさも、ありありと思い出される。
(今度こそ お守りします……)
コンコン
思い出に浸っていたのに ノックの音に中断させられた。
「入れ!」
気分のまま怒鳴りつけるとドアが開いてゲイルが入って来た。
いつものようにおどおどしている。茶髪の毛に茶色い目。中肉中背で平凡な男だ。十三歳の時から一緒に暮らしているが、二十五になった今でも私と目も合わせられない。何をやってものろまで、言われたことしか出来ない。使い物にならない奴だ。親戚でなかったらとっくに追い出している。
今日も機嫌を伺う様に私を盗み見している。
「なんだ」
「屋敷の周りの侵入防止の装置が増えました」
言いにくそうに言うが、代わり映えの無い話にうんざりする。
二日にいっぺんは バンドール家に偵察に行かせている。本来の目的は あの小僧が留守にする日を調べさせるためだ。
(それなのに……)
こめかみを押さえ小さく首を振る。装置が増えようが、新しくなろうが どうでも良い。
「今度つまらない報告をしてみろ! どうなるか分かってるな!」
「はっ、はい!」
怒鳴りつけると悲鳴のような返事が返って来た。
「出て行け!」
「はっ、はい!」
ネズミのように チョロチョロチョロと出ていく。
他に三人居るが、どいつもこいつも役に立たない者ばかり。イライラした気持ちを紛らわそうとコーヒーで流し込む。しかし、苦いだけでなく焦げた匂い混じっていて余計に 苛立ち。
今日も不味いとドンと机に置くと、コーヒーがカップから飛び出して出調査日程表にシミを作った。
「ちっ!」
それを見て舌打ちする。
布巾をあちこち探していたが見つからない。何一つ上手く行かない。ドミニクは布巾を探すのを諦めて ゴシゴシと自分の袖で零れたコーヒーを拭く。
*****
ふわっと意識が浮かぶ 。
目を開けるとオレンジ色に赤が混ざった空が見えた。
眠っているうちに夕飯の時間になったみたいだ。まるで学生時代の夏休み。久々にだらだらした。
起き上がると今夜なのメニュー何だろうと鼻をヒクヒクさせながら食堂へ向かう。
デザートを食べさせてもらっていると急にマーカスが立ち上がった。
(ちなみの今夜のデザートはプリン)
「父上。猫ちゃんに名前を付けましょう」
マーカスが目をランランと させて父親を見上げる。
(名前か……)
そう言えばまだだった。誰が付けてくれるのかな? ご主人様? それともマーカス?
心機一転。新しい名前を付けてもらおう。
「どんな名前がいいかな~」
マーカスが空を見ながらあれやこれやと 思いつくまま 名前をあげる。
「女の子だから……ミッシェル? キャサリン? アマンダ?……それともナタリー?」
日本人という気持ちが消えてないから、西洋風の名前がつくのかと思うと くすぐったい。
どんな名前になるかと、ご主人様を見上げると静かに首を振る。
「人の言葉が分かると言っただろう」
「あっ!」
マーカスがポンと手を打つ。
そう言えば、そう言っていた。
「なるほど自分に選ばせるんですね」
「そうじゃない。ザブマギウムには前世の記憶がるから、既に名前があるはずだ」
(えっ?)
ご主人様の言葉に唖然とする。
ザブマギウムってそう言う動物なの? つまり、転生猫!?
マーカスを見ると 驚いてはいないが怪訝そうな顔をしている。
「父上、本当に人間の言葉が分かるんですか?」
マーカスも、私も 半信半疑だ。
今までのことを思い返してみても、伝えるというより ご主人様が困ってる私を見かねて 気を利かせたという感じだ。
「そうだよ」
その返事に驚く。その自信は何処から来るんだろう。
私が転生者だって知っているの? 私と目が合うと微笑んだ。う~ん。嘘はついてないみたいだけど……。
「本当ですか? だったら、証明してみて下さい」
「そうだなぁ~」
マーカスは信じられないみたいだ。方法を考えているご主人様をマーカスが身を乗り出して見ている。すると、ご主人様が、
「こっちへおいで」
そう言って私を手招きする。言われた通りご主人様の膝の上に移動した。すると、良く出来ましたと私の頭を撫でる。褒められて嬉しいと喉をゴロゴロと鳴らす。
ジッとみられている気配に、視線の方を向くとマーカスが凝視している。まだ疑っているみたいだ。すると、私の頭を撫でていたご主人様が、ひょいと私をテーブルに乗せる。
「マーカスの膝の上に乗ってくれるかい」
『にゃあ』(オッケー)
マーカスが慌てて椅子に座る。そこへ、とっ、とっ、とっ、とっ、テーブルの上を歩いてマーカスの膝の上にポンと降りる。
「うわぁ~。凄い。本当に分かるんですね」
マーカスが くちゃくちゃの笑顔で手を叩いて喜ぶ。どうだと顎を上げると、マーカスが私をギュッとだきしめて ご主人様と同じように頭を撫でた。
「でも、父上、どうやって名前を聞くんですか?」
マーカスの言う事は最もだ。言われたことをしたり、イエスかノーか、みたいに答えを選択するような事なら出来るけど喋れる訳じゃない。どうする気だろう。
すると、ご主人様が片方の口角だけ上げる。
「私に考えがある」
分かるとマーカス に問うように見る。すると、マーカスが両手を広げて首を左右に振る。
40
あなたにおすすめの小説
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
異世界から来た華と守護する者
桜
恋愛
空襲から逃げ惑い、気がつくと屍の山がみえる荒れた荒野だった。
魔力の暴走を利用して戦地にいた美丈夫との出会いで人生変わりました。
ps:異世界の穴シリーズです。
堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
第零騎士団諜報部潜入班のエレオノーラは男装して酒場に潜入していた。そこで第一騎士団団長のジルベルトとぶつかってしまい、胸を触られてしまうという事故によって女性とバレてしまう。
ジルベルトは責任をとると言ってエレオノーラに求婚し、エレオノーラも責任をとって婚約者を演じると言う。
エレオノーラはジルベルト好みの婚約者を演じようとするが、彼の前ではうまく演じることができない。またジルベルトもいろんな顔を持つ彼女が気になり始め、他の男が彼女に触れようとすると牽制し始める。
そんなちょっとズレてる二人が今日も任務を遂行します!!
―――
完結しました。
※他サイトでも公開しております。
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます
五珠 izumi
恋愛
城の下働きとして働いていた私。
ある日、開かれた姫様達のお見合いパーティー会場に何故か魔獣が現れて、運悪く通りかかった私は切られてしまった。
ああ、死んだな、そう思った私の目に見えるのは、私を助けようと手を伸ばす銀髪の美少年だった。
竜獣人の美少年に溺愛されるちょっと不運な女の子のお話。
*魔獣、獣人、魔法など、何でもありの世界です。
*お気に入り登録、しおり等、ありがとうございます。
*本編は完結しています。
番外編は不定期になります。
次話を投稿する迄、完結設定にさせていただきます。
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる