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第三集
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高い壁は鋭利な角度がついて、馬車が降りずに潜れるほど間口が広い。全ての造りが周りにある建物と一線を画していた。
厚みが二尺半もある門は開かれ 両側に帯刀した門番がまっすぐ前を見ている。
一歩、中に入れば 五階建ての建物を中心に、いくつもの建物が連なり、石畳が広がる。
そこを揃いの衣を着た男たちが忙しく行き交っていた。
そうここは大理寺。
裁きの場にある執務室。
大人の男の背丈程の長さのある机の上には未決の案件と既決の案件の書類が左右に分かれて積まれている。その席に、年の頃は二十代後半の凛々しい若者が座っている。
名は俊豪。取り調べの書類を読んでいるが、眉間には深い皺、唇は固く閉じている。どうやら、捜査は上手く行っていないようだ。
俊豪は ため息をついて書類を置いた。
この事件は謎ばかりが多い。
おもむろに腕組みすると 口を割らない徐有蓉の事を考えた。証拠も 証言も第二皇子が藩にだと指している。しかし、皇太子暗殺未遂で捕まった 実行犯役の徐有蓉の動機が弱い。
単独犯だと主張しているが、協力者が いなければ 皇宮から誰にも見つからずに 逃げることなど無理だ。
(潜伏先も大きな屋敷だった)
今回の事件の中心にいるのは徐有蓉で間違いない。
本当に 主犯は第二皇子なのか?
それとも 一番得をした(かすり傷のみ)皇太子なのか?
逃げた徐有蓉を捕まえるのに成功した。だが、その代償は大きかった。幼馴染の沈天祐が命を落としてしまった。思い出す度後悔に苛まれる。その事を天祐の妹の若渓に、散々責められた。それも仕方ない。甘んじて受け入れる。まさか徐有蓉を軟禁状態の天祐が 一人で追いかけるなど考えもしなかった。
手を尽くしたが徐有蓉の居場所が、なかなか分からなかった。やっと手掛かりを見つけたが、今考えれば その手掛かりの出所は天祐だと考えて良い。
(でなかったら我々より先に徐有蓉を見つけるのは無理だ)
しかし、その情報を天祐がどうやって手に入れたかも不明だ。天祐が信じたことを考えれば、信用できる人物だ。
その人物とは、いったい誰だ?
我々の知らない人物か?
それとも我々の知っている者か?
「はぁ~」
またしても堂々廻り。
点はあっても、それを結ぶ線が引けない。
こんなとき天祐が居てくれたら、そう思わずにはいられない。
物の動く気配がしたので、そちらに目を向けると従者の応時が片膝をついて座っていた。応時は七歳の時に私の従者として我が家にやって来た。一歳年下で気心の知れた関係だ。
(そのせいか、配下というより友に近い)
そして、独りよがりなところが問題だ。
「応時か。誰か接触して来たか?」
「それが……」
応時が口ごもる。珍しい。何時も自分の言いたい事を無遠慮に言うのに。
私と目を合わせたくないのか、視線まで泳いでいる。応時がこんなに 言いよどむことということは、よほど言いづらい事らしい。
「誰か接触してきたのではないのか?」
「………」
言葉を重ねたが押し黙ったままだ。
(ふぅ~)
報告に来たと言う事なら、それだけの理由があるんだろうと促す。
「何か私に言いたいことがあるから参ったのであろう。早う申せ」
「では、申し上げます」
と、言っておきながら私の機嫌を気にしているのか盗み見してくる。
「若渓様が役人と約束を取りつけ、徐有蓉と接触を試みた気配があります」
「若渓が?」
答えを確かめるように応時を見ると微かに頷いた。
「………」
若渓は兄の天祐が死んだことで自暴自棄になっている。仲の良い兄妹だったから、何かしでかすかもしれぬと懸念していたが、こんなに早く行動するとは思わなかった。
「そんな重要な事を言いよどんでどうするのだ! 直ぐに出掛けるぞ」
「御意」
俊豪は剣を掴んで足早に部屋を出た。
協力者として天祐の名が浮上したときから、若渓は頭から信じていなかった。天祐が行方不明になくなったときも 兄上が何も言わず何処かへ行くのはおかしい。誰かに陥れられたに決まっていると言っていた。その相手とは徐有蓉のことだ。若渓のことだ 兄の名誉の為にも徐有蓉を殺すもりだ。若渓に恨まれたとしても、彼女を人殺しにさせる訳にはいかない。
何より、私の計画が頓挫する上に、罪人として若渓を罰しなくてはいけなくなる。
(頼むから早まらないでくれ)
2の4
牢屋へと続く道を場違いな若い娘が二人、縦に並んで歩いていた。身なりからも仕草からも二人がお嬢様と侍女だと言うのが一目で分かる。お嬢様は細身の体に長い手足小さな顔の華奢と言う言葉が良く似合う娘だ。
ちょっとつり上がっているが目は大きく、きりっと結ばれた唇は桃の花のように色付きその唇から出る声音は鈴を転がしたように可愛らしはずだ。しかし、娘の眉間には皺が寄り奥歯を噛んでいるからかエラが張っている。侍女の娘は同い年か少し上だろう。
沈若渓は侍女の小橘の案内で小部屋入った。何をする部屋か分からないが狭くて湿気っていて物も無い。牢屋に来たのは始めてだからどんな目的の部屋か想像もつかない。小橘が無表情で包みを開ける。若渓は小橘の手を借りて役人の恰好に着替えた。
(とうとう此処まで来た)
徐有蓉に面会したいと言っても俊豪様が、処刑もせずに、取り調べが済んでないと言って門前払いされ続けた。徐有蓉が罪人だと言う事はこの国の人間なら誰でも知っている。
それなのに何時まで経っても処刑されない。
不満を抱えながら信じて待っていたがもう限界だ。正面突破では、永遠に会えない。ならば、脇道を行くだけ。そう考えて秘密に牢屋に来た。会っても兄上が生きかえる訳でも無い。周りの者は嫌な思いをするだけだと反対した。でも、私は会いたい。会って一言言いたい。大切な兄上を誑かせるだけでは飽き足らず、命まで奪った憎い女。自分だけ生き延びるなんて許せない。きっと口封じに兄上を殺したに違いない。もっと早く二人の関係に気付いていれば兄上が死ぬことはなかった。
(たった一人の兄なのに……)
もう少し心を砕いていたらと自分が情けなくて唇を噛んだ。恋は盲目と言うけれど、あんなに尊敬していた兄上が、あんな性悪女に本気になったのかと思うと悔しくて堪らない。その上、自分を騙したと知っているのに助けに行くなんて……。未だに信じられないし、信じたくない。
「お嬢様」
小橘の声に考えが中断される。分かったと小橘に向かって頷くと連れ立って部屋を出た。
徐有蓉が入っている牢の前につくと小橘が見張りの役人に銀子を渡す。既に話は付いている。ちらりと役人が中身を確認すると小橘に鍵を渡して、その場から居なくなった。
この日をずっと待っていた。今から徐有蓉に会う。そう考えると怒りに体が震える。
噛み締めた唇からは血の味がする。どんな言い訳を言っても無駄だ。命は命で償ってもらう。あんな女の言い分など聞く必要など無い。耳が汚れるだけだ。俊豪様が何を考えているか知らないが、あんな女、早く死んでしまえばいいのだ。
土間の上に徐有蓉が後ろの手に縛られて寝転んでいる。拷問されているのか髪や衣が水で濡れている。いい気味だ。髪は乱れ顔に掛かっている。髪の隙間から見える肌は青白く濡れていて死んだ魚を連想させる。こんな目に遭っているのに口を割らないとはやはり稀代の妖婦だ。小橘が牢の鍵を開けると若渓は懐から匕首を取り出した。
鞘を抜くと銀色の光の中に私の顔が映る。
(………)
例え私がこの後捕まったとしても構わない。
兄上の仇が打てるなら本望だ。
その覚悟もある。
足音を忍ばせながら近づく。それでもピクリともしない。牢屋に居れば殺されないと高を括っているに違いない。油断しているのにも程がある。小橘に目配せして、徐有蓉を後ろから両脇に手を入れて抱き起した。
暴れたり、逃げられたりしないためのものだ。私を見て、どんな顔をしするか楽しみだ。
驚く? 恐れる? それとも喜ぶ? 気の強い徐有蓉の事だ。此処まで殺しに来た私の事をあざ笑うかもしれない。それでも良い。
最後に笑うのは私なのだから。
徐有蓉が首をグラつかせながら此方を見る。
しかし、声も発しないし、視線がこっちに来ない。髪が掛かっているせいか私を見ても何の反応も示さない。いいや、有蓉の事だ。ワザと私を無視しているに違いない。どこまでも人を馬鹿にしたら気が済むのか。そっちがそう言う態度を取るなら。
(私を無視するなど許さない)
徐有蓉の前に立つと乱暴に有蓉の髪をどけて顎を掴んで強引に視線を合わせた。
「徐有蓉!」
厳しく名前を呼ぶ。
しかし、私を見る徐有蓉の目には何の感情も浮かんでいない。廃人のような空虚な瞳をしている。反応のなさに拍子抜けした。さっきまでの殺意が体から抜け落ちる。目は開いているが私では何かを見ている。
あの徐有蓉が私を前に一言も喋らない。
別に何かを期待していたわけでは無い。
(でも、これは……)
余りにも違う。まるで別人のようだ。此処まで変貌するとは……。それほど酷い拷問受けたのだろうか?
「………」
「お嬢様!?」
小橘の声に我に返った。そうだ。こんな女に同情するなんて私らしくない。これで終わりだ。迷いを振り払うように匕首を振り上げた。
「地獄に落ちろ!」
そして、全身全霊で腕を振り下した。
厚みが二尺半もある門は開かれ 両側に帯刀した門番がまっすぐ前を見ている。
一歩、中に入れば 五階建ての建物を中心に、いくつもの建物が連なり、石畳が広がる。
そこを揃いの衣を着た男たちが忙しく行き交っていた。
そうここは大理寺。
裁きの場にある執務室。
大人の男の背丈程の長さのある机の上には未決の案件と既決の案件の書類が左右に分かれて積まれている。その席に、年の頃は二十代後半の凛々しい若者が座っている。
名は俊豪。取り調べの書類を読んでいるが、眉間には深い皺、唇は固く閉じている。どうやら、捜査は上手く行っていないようだ。
俊豪は ため息をついて書類を置いた。
この事件は謎ばかりが多い。
おもむろに腕組みすると 口を割らない徐有蓉の事を考えた。証拠も 証言も第二皇子が藩にだと指している。しかし、皇太子暗殺未遂で捕まった 実行犯役の徐有蓉の動機が弱い。
単独犯だと主張しているが、協力者が いなければ 皇宮から誰にも見つからずに 逃げることなど無理だ。
(潜伏先も大きな屋敷だった)
今回の事件の中心にいるのは徐有蓉で間違いない。
本当に 主犯は第二皇子なのか?
それとも 一番得をした(かすり傷のみ)皇太子なのか?
逃げた徐有蓉を捕まえるのに成功した。だが、その代償は大きかった。幼馴染の沈天祐が命を落としてしまった。思い出す度後悔に苛まれる。その事を天祐の妹の若渓に、散々責められた。それも仕方ない。甘んじて受け入れる。まさか徐有蓉を軟禁状態の天祐が 一人で追いかけるなど考えもしなかった。
手を尽くしたが徐有蓉の居場所が、なかなか分からなかった。やっと手掛かりを見つけたが、今考えれば その手掛かりの出所は天祐だと考えて良い。
(でなかったら我々より先に徐有蓉を見つけるのは無理だ)
しかし、その情報を天祐がどうやって手に入れたかも不明だ。天祐が信じたことを考えれば、信用できる人物だ。
その人物とは、いったい誰だ?
我々の知らない人物か?
それとも我々の知っている者か?
「はぁ~」
またしても堂々廻り。
点はあっても、それを結ぶ線が引けない。
こんなとき天祐が居てくれたら、そう思わずにはいられない。
物の動く気配がしたので、そちらに目を向けると従者の応時が片膝をついて座っていた。応時は七歳の時に私の従者として我が家にやって来た。一歳年下で気心の知れた関係だ。
(そのせいか、配下というより友に近い)
そして、独りよがりなところが問題だ。
「応時か。誰か接触して来たか?」
「それが……」
応時が口ごもる。珍しい。何時も自分の言いたい事を無遠慮に言うのに。
私と目を合わせたくないのか、視線まで泳いでいる。応時がこんなに 言いよどむことということは、よほど言いづらい事らしい。
「誰か接触してきたのではないのか?」
「………」
言葉を重ねたが押し黙ったままだ。
(ふぅ~)
報告に来たと言う事なら、それだけの理由があるんだろうと促す。
「何か私に言いたいことがあるから参ったのであろう。早う申せ」
「では、申し上げます」
と、言っておきながら私の機嫌を気にしているのか盗み見してくる。
「若渓様が役人と約束を取りつけ、徐有蓉と接触を試みた気配があります」
「若渓が?」
答えを確かめるように応時を見ると微かに頷いた。
「………」
若渓は兄の天祐が死んだことで自暴自棄になっている。仲の良い兄妹だったから、何かしでかすかもしれぬと懸念していたが、こんなに早く行動するとは思わなかった。
「そんな重要な事を言いよどんでどうするのだ! 直ぐに出掛けるぞ」
「御意」
俊豪は剣を掴んで足早に部屋を出た。
協力者として天祐の名が浮上したときから、若渓は頭から信じていなかった。天祐が行方不明になくなったときも 兄上が何も言わず何処かへ行くのはおかしい。誰かに陥れられたに決まっていると言っていた。その相手とは徐有蓉のことだ。若渓のことだ 兄の名誉の為にも徐有蓉を殺すもりだ。若渓に恨まれたとしても、彼女を人殺しにさせる訳にはいかない。
何より、私の計画が頓挫する上に、罪人として若渓を罰しなくてはいけなくなる。
(頼むから早まらないでくれ)
2の4
牢屋へと続く道を場違いな若い娘が二人、縦に並んで歩いていた。身なりからも仕草からも二人がお嬢様と侍女だと言うのが一目で分かる。お嬢様は細身の体に長い手足小さな顔の華奢と言う言葉が良く似合う娘だ。
ちょっとつり上がっているが目は大きく、きりっと結ばれた唇は桃の花のように色付きその唇から出る声音は鈴を転がしたように可愛らしはずだ。しかし、娘の眉間には皺が寄り奥歯を噛んでいるからかエラが張っている。侍女の娘は同い年か少し上だろう。
沈若渓は侍女の小橘の案内で小部屋入った。何をする部屋か分からないが狭くて湿気っていて物も無い。牢屋に来たのは始めてだからどんな目的の部屋か想像もつかない。小橘が無表情で包みを開ける。若渓は小橘の手を借りて役人の恰好に着替えた。
(とうとう此処まで来た)
徐有蓉に面会したいと言っても俊豪様が、処刑もせずに、取り調べが済んでないと言って門前払いされ続けた。徐有蓉が罪人だと言う事はこの国の人間なら誰でも知っている。
それなのに何時まで経っても処刑されない。
不満を抱えながら信じて待っていたがもう限界だ。正面突破では、永遠に会えない。ならば、脇道を行くだけ。そう考えて秘密に牢屋に来た。会っても兄上が生きかえる訳でも無い。周りの者は嫌な思いをするだけだと反対した。でも、私は会いたい。会って一言言いたい。大切な兄上を誑かせるだけでは飽き足らず、命まで奪った憎い女。自分だけ生き延びるなんて許せない。きっと口封じに兄上を殺したに違いない。もっと早く二人の関係に気付いていれば兄上が死ぬことはなかった。
(たった一人の兄なのに……)
もう少し心を砕いていたらと自分が情けなくて唇を噛んだ。恋は盲目と言うけれど、あんなに尊敬していた兄上が、あんな性悪女に本気になったのかと思うと悔しくて堪らない。その上、自分を騙したと知っているのに助けに行くなんて……。未だに信じられないし、信じたくない。
「お嬢様」
小橘の声に考えが中断される。分かったと小橘に向かって頷くと連れ立って部屋を出た。
徐有蓉が入っている牢の前につくと小橘が見張りの役人に銀子を渡す。既に話は付いている。ちらりと役人が中身を確認すると小橘に鍵を渡して、その場から居なくなった。
この日をずっと待っていた。今から徐有蓉に会う。そう考えると怒りに体が震える。
噛み締めた唇からは血の味がする。どんな言い訳を言っても無駄だ。命は命で償ってもらう。あんな女の言い分など聞く必要など無い。耳が汚れるだけだ。俊豪様が何を考えているか知らないが、あんな女、早く死んでしまえばいいのだ。
土間の上に徐有蓉が後ろの手に縛られて寝転んでいる。拷問されているのか髪や衣が水で濡れている。いい気味だ。髪は乱れ顔に掛かっている。髪の隙間から見える肌は青白く濡れていて死んだ魚を連想させる。こんな目に遭っているのに口を割らないとはやはり稀代の妖婦だ。小橘が牢の鍵を開けると若渓は懐から匕首を取り出した。
鞘を抜くと銀色の光の中に私の顔が映る。
(………)
例え私がこの後捕まったとしても構わない。
兄上の仇が打てるなら本望だ。
その覚悟もある。
足音を忍ばせながら近づく。それでもピクリともしない。牢屋に居れば殺されないと高を括っているに違いない。油断しているのにも程がある。小橘に目配せして、徐有蓉を後ろから両脇に手を入れて抱き起した。
暴れたり、逃げられたりしないためのものだ。私を見て、どんな顔をしするか楽しみだ。
驚く? 恐れる? それとも喜ぶ? 気の強い徐有蓉の事だ。此処まで殺しに来た私の事をあざ笑うかもしれない。それでも良い。
最後に笑うのは私なのだから。
徐有蓉が首をグラつかせながら此方を見る。
しかし、声も発しないし、視線がこっちに来ない。髪が掛かっているせいか私を見ても何の反応も示さない。いいや、有蓉の事だ。ワザと私を無視しているに違いない。どこまでも人を馬鹿にしたら気が済むのか。そっちがそう言う態度を取るなら。
(私を無視するなど許さない)
徐有蓉の前に立つと乱暴に有蓉の髪をどけて顎を掴んで強引に視線を合わせた。
「徐有蓉!」
厳しく名前を呼ぶ。
しかし、私を見る徐有蓉の目には何の感情も浮かんでいない。廃人のような空虚な瞳をしている。反応のなさに拍子抜けした。さっきまでの殺意が体から抜け落ちる。目は開いているが私では何かを見ている。
あの徐有蓉が私を前に一言も喋らない。
別に何かを期待していたわけでは無い。
(でも、これは……)
余りにも違う。まるで別人のようだ。此処まで変貌するとは……。それほど酷い拷問受けたのだろうか?
「………」
「お嬢様!?」
小橘の声に我に返った。そうだ。こんな女に同情するなんて私らしくない。これで終わりだ。迷いを振り払うように匕首を振り上げた。
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